短編小説|季節のポケットにしまったこと/詩のような物語
春の息吹が ポケットに届く頃
いつの間にか 桜の花びら 一枚
きっと 君が そっと 置いてくれた
気づかないフリして 大事にしまった
夏の夕暮れ 汗ばむ頬に
スイカの甘さと 金魚すくいの賑わい
「また明日も 遊ぼうね」って
君の笑顔が まぶしく光った
秋風が そっと ポケットに忍び込む
どんぐりひとつ 手のひらにあたたかく
きっと 君がくれた そう思って
僕は そっと ポケットにしまった
冬の空気が 指先をしんとさせた日
君と手をつないだ そのぬくもりが
いまでも ポケットのなかで
ふんわり とけずに 残ってる
そして いまも ポケットをさぐる
あの光が そっと よみがえる
なくしちゃいけないものが 確かに
ここに ある気がして――
【詩のような物語】という、小さな物語たちを紡いでいます。
もし、今日の物語が、あなたの心にふれていたら
──それだけで、うれしいです。ありがとうございます。
これからも、日々の光や影を、そっと言葉にしていきます。
🌸【詩のような物語】🌸
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