「見える給付金」のリアル 税理士ママが語る、夫婦ダブル育休の家計
前回は、パパ育休がくれた「見えない給付金」夫が2年の育休中に出会った3人の師の話をお伝えしました。
▼ 前回の記事はこちら
そして今回は、その対の話。
「見える給付金」つまり、リアルなお金の話です。
「パパ育休、うちの夫に言い出せないんです」
「収入が減るのが怖くて、踏み切れません」
「夫婦ダブル育休って、家計は本当に大丈夫なの?」
そんな声を、何度も聞いてきました。
今日は、税理士・社労士・中小企業診断士の三冠の視点から、我が家の育休家計のリアルをお伝えします。
何が減って、何が増えたのか。
お金の不安を、どう乗り越えたのか。
そして、これから育休を取るあなたが知っておくべきポイントは何か。
(なお、実際の金額や具体的な試算は、現在準備中の有料記事で公開予定です。
この記事では、家計の構造と乗り越え方を中心にお伝えします。)
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1. 「家計が破綻する」と恐れていた、あの夜の話
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パパ育休を取ると決めたとき、我が家で一番最初に話し合ったのは、お金のことでした。
「2年も収入が減ったら、生活できるのか?」
「貯金を切り崩すことになるんじゃないか?」
「ローンや固定費は、どうするのか?」
夫も私も、お金の不安を正直に口に出しました。
(育休を考え始めると、なぜか急に「うちの貯金、本当に大丈夫?」って通帳を確認したくなりませんか?(笑)
私もあの時、何度も家計簿を開いては閉じて、また開いては閉じて……。
「数字を見たって増えるわけじゃないのに」って自分でツッコミながらも、不安で何度も確認してしまう。
あれは育休前の通過儀礼みたいなものなのかもしれません。)
そこで、紙1枚に家計の試算を書き出してみたんです。
「育休前」と「育休中」で、収入と支出がどう変わるのか。
制度(育児休業給付金・社会保険料免除)を全部踏まえた上で、実数を並べてみました。
結果を見て、夫も私も、少しほっとしたのを覚えています。
「思ってたより、大丈夫そうやね」
感覚ではなく、数字で納得できたことが、パパ育休に踏み切る最後の後押しになりました。
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2. 実際に減った金額 正体は"あの手当"
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我が家のリアルを、まずお伝えします。
夫が育休を取ったことで、月収から明確に消えた項目があります。
それは、残業代。
これが、育休中に支給されなくなった収入の正体です。
「え、それだけ?」
そう感じた方もいるかもしれません。
基本給については、育児休業給付金でかなりの部分がカバーされます。
休業開始から6ヶ月間は給与の67%、それ以降は50%が支給される仕組みです。
しかもこの給付金は非課税で、社会保険料も全額免除。
数字上は「給料ゼロ」に見えても、実質的な減少幅は、思ったより小さいんです。
我が家で「明確に失った」のは、残業代の部分。
これは、「パパが残業して働いているからこそ発生していた収入」です。
出勤しない以上、どうしてもカバーできない部分ですね。
(残業代の額は、ご家庭によって本当にバラバラです。
月数万円のところもあれば、10万円を超えるご家庭もある。
ご自身の給与明細で、まずは「いつも出ている残業代」の月平均を確認してみてください。
これが、育休で減る金額の目安になります。)
ここまでは、よくあるパパ育休の家計記事にも書かれている話。
本当のポイントは、ここから先にあります。
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3. 見えない手取り 夫の毎日が、まるごと"家族時間"に変わった
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月収の一部が減った一方で、我が家には「増えたもの」がありました。
それが「時間」です。
夫が会社員だった頃の1日は、こんな感じでした。
・朝、満員電車に揉まれて出勤
・昼、急いでコンビニ弁当をかき込む
・夜、残業を終えて疲れて帰宅
・子どもと過ごせるのは、寝かしつけ前のわずかな時間だけ
これが、世のお父さんの「ふつう」です。
でも、育休に入った瞬間、生活がまるごと変わりました。
24時間、家族のためにいる。
通勤も、昼休みの外食も、残業も、すべて消えました。
朝起きてから夜寝るまで、家族と一緒にいるのが当たり前になったんです。
通勤ラッシュのストレスもゼロ。
満員電車で消耗する体力も、昼休みの外食代も、すべてなくなる。
「お父さんは仕事で疲れて遅く帰ってくる人」という、わが家の前提自体が消えました。
(育休前は気づかなかったのですが、「夫が家にいるのが当たり前」って、想像していた何倍も家族の関係を変えるんです**。
子どもたちは「パパ、今日も家にいる!」が当たり前になり、夫婦の会話の量も格段に増えました。
今思えば、これって会社員家庭ではどれだけお金を払っても買えない時間ですよね。)
そして、夫の毎日がまるごと"家族時間"に変わったことで、わが家にもう一つ、大きな変化が起きました。
それは、私の働き方です。
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4. 夫が家を回したから、ママの売上が伸びた 家計のカラクリ
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ここからが、本当にお伝えしたい話です。
夫が育休に入って、家にいるのが当たり前になったこと。
それは単に「家族時間が増えた」だけの話ではありませんでした。
夫が家事・育児・習い事の送迎を全面的に担ってくれるようになったことで、私の働き方が大きく変わりました。
【変わったこと】
・家事の負担がほぼゼロになった
・長女の習い事送迎が不要になった
・夕食の準備も夫が担当
・保育園関係の連絡も夫がメイン
その結果、何が起きたか。
私の実労働時間が、大幅に増えたんです。
(これ、世のワーママさんにはぜひ伝えたい本音なんですが——
「ご飯のことを考えなくていい」って、こんなに頭がスッキリするんや……!って、感動しました(笑)。
仕事中も「今日の夕飯どうしよう」「冷蔵庫に何があったっけ」って、頭の片隅で常に家事のタスクが回ってるじゃないですか。
それが消えるだけで、仕事への集中力が体感3割アップします。本当に。)
具体的には、以下のような変化がありました。
・朝の時間を仕事に使える
・昼休みを長めに取って、集中作業ができる
・夕方の送迎時間も仕事に回せる
・夜の時間も、少し仕事を詰められる
この「ママの稼働時間の増加」が、売上の増加に直結しました。
結果として、夫の手取りが減ったその分を、私の売上の伸びが埋める以上の形でカバーできたんです。
これが、我が家の「育休中の家計のカラクリ」です。
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◆ 個人的に伝えたい「時間の代替効果」という発想
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ここで、大事なことをお伝えします。
「夫の手取りが減っても、妻の売上が増えるからトントン」
この話を、単なる損得計算として聞いてほしくないんです。
本当の価値は、もっと大きい。
・子どもとの時間が増える
・夫婦の会話が増える
・ママが仕事に集中できる
・家族全員が穏やかになれる
こうした「時間という余白」が生まれる効果は、お金には換算できません。
我が家の場合、夫の手取りが減ったという表面的な事実の裏に、家族全員の人生を変えるほどの時間の代替効果が隠れていました。
この代替効果を、個人的に言葉にするならこうです。
「育休は、家計から"時間"を買っている期間」
我が家の場合、減った手取りと引き換えに、家族で過ごす"濃い時間"を手に入れました。
朝の食卓、夕方の公園、寝る前の絵本、どれも、夫が会社員のままだったら絶対に手に入らなかった日常です。
それで得られるのは、家族との時間、夫の心の余裕、妻のキャリアの成長。
費用対効果で言えば、圧倒的に安い買い物でした。
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5. 賃貸住まいの方へ"もう1つの減額"を正直に
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ここで、賃貸にお住まいの方にだけ、正直にお伝えしておきたいことがあります。
我が家は賃貸だったので、夫の育休中、住宅手当も支給されなくなりました。
つまり、我が家の実際の収入減は
・残業代
・住宅手当(賃貸)
このダブル減額だったのです。
ただ、住宅手当は会社によって制度が大きく異なります。
・「賃貸補助あり・持ち家補助なし」の会社
・「持ち家の住宅ローン補助あり」の会社
・「そもそも住宅手当がない」会社
ご自身の会社の就業規則を、育休前に一度確認しておくことをおすすめします。
賃貸の方は、「残業代+住宅手当」のダブル減額を前提に家計を組む必要があります。
持ち家の方は、住宅手当の影響はほぼないので、残業代のぶんだけの減額で済むケースが多いはずです。
我が家の場合、この追加の減少があっても、時間が生み出してくれた余白と売上の伸びで十分に吸収できました。
でも、それぞれのご家庭で状況は違います。
自分の会社の手当制度を事前に把握することが、育休中の家計設計の第一歩です。
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6. ボーナスはどうなった?一番大きな"見えない減額"の話
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ここまで、月収の話をしてきました。
でも、もう1つ気になる項目があるはずです。
「ボーナスは、どうなるの?」
正直にお伝えします。
ボーナスの減額は、月収の減額よりも、はるかに家計へのインパクトが大きかったです。
ボーナスは「査定期間にどれだけ働いたか」で支給額が決まる仕組みです。
育休でその査定期間が丸ごと抜ければ、当然、ボーナスは大きく減ります。
我が家のケースを、正直にお伝えします。
【長男の育休時】
有給消化を組み合わせたことで、12月のボーナスのみ満額支給を受けることができました。
6月のボーナスはゼロ。
【次男の育休時】
育休期間が完全に査定期間外でした。
そのため、夏も冬も、ボーナスは支給ゼロ。
つまり、2人目の育休年は、年間ボーナス完全ゼロだったということです。
(育休前は「ボーナスなくても大丈夫やろ」って軽く考えてたんです。
でも、通帳に振り込まれない6月や12月って、なんとも言えない「あ、世の中は今ボーナス時期なんやな……」っていう寂しさがありますよね(笑)。
ニュースで「夏のボーナス平均◯◯円」とか聞くと、ちょっと耳をふさぎたくなる。
あれは、たぶん育休あるあるです。)
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◆ それでも知っておいてほしい「見えない節税」のこと
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長男育休時に支給された12月のボーナス、実は知っておきたい制度の恩恵を受けています。
【2022年10月改正のポイント】
1ヶ月超の育休中に支給されたボーナスは、社会保険料が全額免除になります。
通常、ボーナスから引かれる社会保険料はおおよそ15%前後。
満額支給されたボーナスから本来引かれるはずだった社会保険料が、まるごと免除になりました。
さらに、育休中は所得税の天引きが軽くなり、翌年の住民税の課税対象も下がります。
つまり、ボーナスは「もらえる分」が減るけれど、「もらえた分」の手取り効率は通常時より明らかに上がる——これが、一番伝えたいポイントです。
そして、もう1つ。
この制度を知らずに月の途中で復帰してしまうと、ボーナスの社会保険料免除の恩恵がゼロになることもあります。
復帰のタイミング設計だけで、家計への影響は大きく変わる。これが、もう1つの大事なポイントです
(育休の始まり方・終わり方一つで、家計が大きく変わる。
だから私は、夫の育休を「制度を熟知した上で、戦略的に設計」しました。
このあたりの詳細は、また別の機会にお伝えしますね。)
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◆ 大事なお知らせ:ボーナス払いをしているご家庭へ
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ここまでの話は、「制度の効率」の話でした。
でも、本当に大事なのは、「目の前の生活が回るかどうか」ですよね。
特に、ボーナス払い併用の住宅ローンを組んでいるご家庭は、要注意です。
ボーナスが消えるということは、ボーナス払いの返済資金そのものが消えるということ。
月々の返済は給付金でカバーできても、年に2回の大きな支払いが用意できない、という危機的状況になる可能性があります。
我が家の場合、長男育休の時は12月のボーナスが満額出たので何とかなりましたが、次男育休の時(ボーナス完全ゼロ)は、事前にしっかり準備していなければ厳しかったと思います。
ボーナス払い分を別口座に取り分けておく、金融機関に育休前に相談する。
こうした事前準備の具体策は、近日公開予定の有料記事で詳しくお伝えします。
なお、2026年の金利上昇局面における住宅ローン対策(変動金利の落とし穴・5年ルールなど)については、次回の記事でお伝えします。
住宅ローンを抱えているご家庭は、ぜひそちらもチェックしてください。
「自分の家計はちっくんさんと違う」と感じた方は、ぜひそちらもチェックしてください。
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7. 2025年4月改正の衝撃 夫婦ダブル育休で実質手取り10割
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ここで、最新の制度の話も少しだけさせてください。
2025年4月から、「出生後休業支援給付」という新しい制度が始まりました。
ざっくり言うと、こんな制度です。
「夫婦両方が14日以上育休を取得した場合、育児休業給付金に13%が上乗せされる」
これにより、最大28日間の給付金が、以下のように変わります。
・通常の育休給付金: 67%
・出生後休業支援給付: +13%
・合計: 80%
しかもこの給付金は非課税。
社会保険料も免除。
住民税も翌年から軽減。
すべての要素を合わせると、こうなります。
「実質、手取り10割相当」
夫婦ダブル育休を取れば、給付金だけで普段の手取りとほぼ同じ水準が維持できる時代になったんです。
この制度、恐ろしく大きい改正なのに、意外と知られていません。
知らないだけで、数十万円の差が生まれます。
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8. お金の不安は、数字で消せる
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育休中のお金の不安。
それは、「不安」のままでは消えません。
でも、紙1枚で家計を書き出してみると、不安は具体的な数字に変わります。
・育休中に減る収入はいくらか
・育休給付金や免除でカバーされる分はいくらか
・残る差額は、どう埋めるか
ここを夫婦で話し合って、「数字」にしてしまえば、漠然とした不安は具体的な課題になります。
課題になれば、対策が立てられる。
対策が立てば、行動できる。
お金の不安は、情報と数字で、必ず消せます。
(我が家が実際にやった「家計シミュレーションの具体的な手順」と「夫婦の話し合いテンプレート」は、近日公開予定の有料記事で全公開します。
「うちの家計でも試算してみたい」という方は、お楽しみに。)
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◆ 最後に——育休中の家計、本当の見方
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「見える給付金」のリアル。
このタイトルに込めた意味を、最後にお伝えします。
10日目の記事では、夫がパパ育休で受け取った「見えない給付金」出会いや人生観の変化、についてお伝えしました。
そして今回は、その対の話としての「見える給付金」お金の話。
両方を並べて見ると、見えてくることがあります。
育休は、お金を失う期間ではありません。
お金と時間を"交換"する期間です。
失うものだけを見ていたら、絶対に踏み出せない。
得られるものを見た瞬間、景色が変わります。
我が家は、この2年間で、家族の関係も、夫婦のキャリアも、生き方そのものが変わりました。
それは、紙1枚の試算から始まった選択でした。
育休を検討している方は、ぜひ一度、ご自身の家計で試算をしてみてください。
想像しているより、ずっと現実的で、ずっと希望のある数字が見えてくるはずです。
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📌 読者のみなさんへ
「うちの家計で試算したらどうなる?」
「うちの夫、残業代に頼ってる。どうすればいい?」
「給付金の計算、具体的にどうやる?」
どんな些細なことでも構いません。
みなさんの悩みや疑問をぜひ聞かせてください。
いただいた声は今後の記事作成にも活かしていきます。
noteのメッセージ機能からお気軽にご連絡ください。
次回は、ちっくん家の暮らしのリアルをお届けします。
子どもの進路に合わせて家を選び、車は持たずに月1.5万円のカーシェアで。
そして、子育てをする中で「もう1つの大事な選択」として向き合ってきたこと。
わが家が育休を乗り越えた暮らし方の話をお伝えします。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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