パパ育休がくれた"見えない給付金"夫が出会った、3人の忘れられない師の話
前回は、夫が育休復帰で経験した「次元上昇」の話をお伝えしました。
収入減・パタハラ・浦島太郎。世のパパが怯える3つの不安を、夫はなぜ笑い飛ばせたのか。
その答えのひとつが、今回お伝えする「人との出会い」でした。
▼ 前回の記事はこちら
会社員として生きていると、出会う人の幅は意外と狭い。
職場の同僚、取引先、家族、ご近所さん。
そのほとんどは、自分の業界・年代・所得層に近い人たち。
でも、夫が2年間のパパ育休を取った瞬間、その世界が一気に広がりました。
長女の小学校受験を全面的に担うことになった夫が、その過程で出会った
忘れられない師たち。
今日は、その出会いの物語をお伝えします。
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1. 「出会いの広がり」こそ、パパ育休の隠れた最大効果
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夫が2年間の育休中に、何が一番変わったか。
復帰後、夫に直接聞いてみたことがあります。
「2年の育休で、一番大きかったのは何やった?」
返ってきた答えは、想像と違いました。
「お金や時間じゃなくて、出会った人たちやな」
……
え、ちょっと待って。
私、心の中で叫びました。
「うそでも"子どもとの時間が増えたこと"って言うてほしかったわ(笑)」
2年間、3時間おきの授乳に付き合い、夜泣きで一緒に寝不足になり、保育園の送迎で雨の日も雪の日も自転車をこいだ夫。
そのトップアンサーが「人脈」って、なんかちょっとビジネスマンに戻ってきたな?(笑)
……と思ったけれど、よくよく話を聞いてみると、これが意外と深かったんです。
「子どもとの時間が増えたんは、当たり前やん。育休やねんから」
「でも、出会った人たちは、育休やなかったら絶対に出会えへんかった」
確かに、それはそう。
夫の言葉を聞いて、「ああ、そういうことか」と腑に落ちました。
会社員として働いているとき、出会う人はほぼ固定されています。
・同じ業界の人
・同じ年代の人
・同じ所得層の人
・同じ価値観の人
職場と家を往復するだけの生活では、自分の世界を広げてくれる出会いは、なかなか生まれません。
でも、育休に入って、「一人の父親」として子育ての世界に飛び込んだ瞬間、出会う人が一変したんです。
幼児教育の現場に立つプロフェッショナルたち。
わが子の人生を本気で考えている、他の家庭のパパ・ママ。
職場の延長線上では、絶対に出会えなかった人たち。
その出会いが、夫の人生観を、まるごと書き換えていきました。
(ちなみに、後日「子どもとの時間が一番じゃなかったん?」と聞いたら、「それは大前提や」と返されました。つまり、比較対象にすらならんレベルで当たり前やったみたい。それはそれで嬉しい……ような、ちょっと拍子抜けしたような(笑))
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2. 神様は二物を与えたのか。障害を持つ算盤の先生が、3割増しで教えてくれた「才能の伸ばし方」
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「3歳から算盤なんて、まだ早いかな?」
そんな親の不安をよそに、娘を温かく迎え入れてくれたのは、30代の若き算盤の先生でした。
(余談ですが、3歳の娘を算盤教室に連れて行くって決めた時、ママ友からは「えっ、もうそんなん始めるの!? お受験ママ、ここに極まれり……」みたいな反応をもらいました(笑)。
正直、私も最初は「ちょっと早すぎるかな」って迷ってたんです。でも、夫が「やってみんとわからんやろ」って背中を押してくれて、思い切って始めました。今思えば、あの時の判断が大正解でした。)
その先生には、体に障害がありました。
よく「障害がある方は、何かに特化した異能や、人並み外れた才能を持っていることが多い」なんて話を聞きますが、私はその先生との出会いを通じて、ひとつの真実に触れた気がしています。
娘が通ったのは、週に4回。
先生は、まだ幼い娘の性格、小さな指の動き、ふとした時の集中力の波。それらを驚くほど事細かに、まるでお手本のような精密さで分析してくれました。
「今日はここが伸びましたよ」
「今はこういう時期だから、こう接してあげてください」
いただく報告は、単なる進捗管理を超えていました。
それは、娘という一人の人間に対する「深い洞察」と「溢れるような愛情」そのものだったのです。
世間ではよく「天は二物を与えず」なんて言います。
でも、目の前の先生を見ていると、ふと思うのです。
神様は先生に、不自由な体を与えたのかもしれない。
けれど同時に、他人の心の機微を誰よりも敏感に読み取り、才能の芽を見つけ出すという、あまりにも美しい「二物目」を授けたのではないか、と。
いや、もしかしたらそれは、先生がこれまでの人生でご自身の体と向き合う中で、自らの手で掴み取ってきた「努力という名の才能」だったのかもしれません。
娘は今、算盤の技術以上に、大切なものを先生から受け取っています。
「自分のことを、ここまで深く理解してくれる大人がいる」という、揺るぎない安心感。
そんな先生に出会えた娘は、本当に幸せ者です。
そして、その奇跡のような指導を間近で見せてもらっている私たち親もまた、同じように幸せなのです。
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3. 「私は、何もしておりません」世界へ羽ばたく棋士を育てる、究極の「信じる力」
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「私は特に、何もしておりません。子どもたちが自分たちで決めて、行動した。その結果が実績に繋がっただけなんです」
かつて社会現象を巻き起こした漫画『ヒカルの碁』にもその名が登場し、世界で活躍する棋士を送り出してきた、ある囲碁の先生。
それほどの功績を目の前にしてなお、先生はさらりと、そうおっしゃいます。
(私、心の中で「いやいや、絶対なんかしてはるやん……!」ってツッコみましたよ(笑)。
だって普通、子育てしてると「ちゃんとさせなきゃ」「教えてあげなきゃ」って、つい先回りしちゃいません?
わが家でも、長男が積み木を変な順番で積んでたら「そっちじゃなくて、こうやで〜」って口出ししちゃって、夫から「ちょっと黙っとき」って言われるあるある。先生のような境地には、まだまだ程遠いです……)
けれど、その「何もしない」という言葉の裏側には、血の通った、妥協のない「教育の礎」がありました。
先生が何より大切にされているのは、技術以前の「基礎基本」です。
道場に足を踏み入れた瞬間の挨拶、対局に臨むマナー、そして碁石の持ち方ひとつに至るまで。
そこには、背筋が伸びるような厳しさがあります。
「碁を打つ前に、一人の人間としてどうあるべきか」
この揺るぎない土台があるからこそ、子どもたちは自律し、自分の足で考え、勝負の世界という荒波へ漕ぎ出していくことができるのです。
そして、その厳しさのすぐ隣には、子どもたちが思わず駆け寄ってしまうような、温かな親しみやすさが共存しています。
厳格な師匠でありながら、誰よりも自分たちの可能性を認めてくれる存在。
その絶妙なバランスが、子どもたちの「自分で決める力」を、じっくりと、力強く引き出していくのでしょう。
「何もしない」という境地は、子どもたちを100%信じ抜き、そのための土壌を丁寧に、厳しく耕し続けてきた人だけがたどり着ける、教育のゴールなのかもしれません。
先生の背中を見て育つ子どもたちは、今日も自分たちの意志で石を打ち、世界という広い盤面を力強く見つめています。
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4. 孤独な受験期に現れた、唯一無二の"戦友"夫に届いた「あなたは一人じゃない」という光
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小学校受験の世界。
そこは、どうしてもお母さんたちが主役になりがちな場所です。
送迎、情報交換、子どものメンタルケア……。
「父親」という存在は、どこか一歩引いた場所にいるような、そんな空気感が漂うことも少なくありません。
(実際、お受験ママの集まりでパパの話題になると、「うちの旦那、休日は寝てるかゴルフ行ってるかで、まったく戦力にならへんのよ〜」って嘆きが、毎回必ず1人や2人から出てきます。みんな「わかる、わかる」ってうなずく光景は、もはやお決まり(笑)。
我が家は夫が育休中で、家族みんなで受験に向き合えたのは、本当にありがたい環境でした。
その輪に入りながらも「自分は恵まれてるな」とこっそり感謝していたのを覚えています。)
そんな中で、私の夫は、たった一人の「パパ友」に出会いました。
そのパパは、誰よりもまっすぐに、子どもの成長を一番に願っている方でした。
お仕事でも、一人ひとりの顧客に徹底して親身になり、全力で向き合う。
その誠実さは、そのまま子育ての姿勢にも現れていました。
「子育てに、ここまで真剣に、情熱を持って向き合っている父親が、他にもいるんだ」
その存在を知ったことは、夫にとってどれほどの救いになったでしょう。
孤独を感じがちな受験期に、同じ熱量で語り合える"戦友"がいる。
その背中を見ることが、何よりの励みになったのです。
今では受験という枠を超え、家族ぐるみで大切なお付き合いをさせていただいています。
仕事も、父親としての役割も、一切妥協しない。
そんな彼との出会いは、私たち家族にとって、合格という結果以上に価値のある「一生ものの宝物」になりました。
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5. 幼児教育にこそ、パパの力が必要だった。三人の師から教わった、父親が参画する本当の意味
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夫が2年間の育休中に目にした景色。
そこには、私の想像を超えた「教育の真髄」がありました。
・娘を3歳から受け入れ、緻密な分析で支えてくれた算盤の先生。
・「自分は何もしていない」と微笑み、子どもの自律を信じ抜いた囲碁の先生。
・仕事にも育児にも一切の妥協なく情熱を注ぐ、かけがえのないパパ友。
彼らに共通していたのは、皆「男性」であり、幼児教育の現場や子育ての最前線で、圧倒的な熱量を持って子どもたちと向き合っていたことでした。
それまで「幼児教育はママがメイン」という空気をどこかで感じていた夫にとって、彼らとの出会いは目から鱗が落ちるような体験だったといいます。
「幼児教育には、ママの優しさだけでなく、パパという要素も必要不可欠なんだ」
実際に、父としての視点で教育に関わってみて気づいたことがあります。
それは、家庭においてパパが子育てや教育に深く関与することは、子どもにとって良い影響があるのはもちろん、実は「パパ自身の成長」に凄まじい恩恵をもたらすということです。
一筋縄ではいかない子どもの成長を見守り、個性を引き出すプロセスは、ビジネスにおける「人材育成」そのもの。
むしろ、言葉が通じない、理屈が通用しない幼児期の子どもと向き合う経験は、どんな管理職研修よりも深く、鋭く、人を育てる本質を教えてくれます。
「パパも子育てに関わった方がいい」
それは単なる役割分担の話ではありません。
一人の人間として、リーダーとして、そして父として、自分自身をアップデートさせてくれる最高にエキサイティングな経験なのです。
私たち家族が三人の師から受け取ったバトン。
それは「父親が教育に関わることで、家族の未来はもっと面白くなる」という、確信に満ちたメッセージでした。
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6. 出会いは、私自身の人生も変えていた
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ここまで、夫の出会いの話をしてきました。
でも、これは夫だけの話ではありません。
私自身も、こうしたコミュニティからお仕事につながったり、日々たくさんの刺激をいただいたりしています。
教育熱心な保護者の方々との交流。
それぞれの分野でプロフェッショナルとして活躍する先生方。
受験を通じて知り合った、同じ価値観を持つ家庭。
職場と家庭を往復するだけでは、絶対に出会えなかった人たち。
そういう方々と関わるうちに、自分自身も成長させてもらった実感があります。
不思議なもので、人との出会いが、自分の人生に与える影響は、どんな自己投資よりも大きいんです。
本を100冊読むより、自分の世界を広げてくれる人と1人出会うほうが、何倍も人生は変わる。
それを、この数年で身に染みて感じています。
そして気づいたんです。
夫がパパ育休を取らなければ、私もこれらの出会いには恵まれなかった。ということに。
夫が育児を全面的に担ってくれたから、私は仕事に集中でき、その先で広がる縁を掴むことができた。
夫が幼児教育の現場に立ってくれたから、家族として共有できる価値観の幅が広がった。
パパ育休は、夫の人生だけでなく、ママの人生も、家族全体の人生も書き換える力を持っているんです。
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7. パパ育休を迷っているご家庭へ。出会いという、見えない給付金
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ここまで読んでくださった方の中には、こう感じている方もいるかもしれません。
「うちの夫は、子どもの習い事に深く関わるタイプじゃない」
「お受験なんて、うちには関係ない世界」
「そんな素敵な出会いが、自分にあるとは思えない」
その気持ち、よくわかります。
でも、1つだけお伝えしたいことがあります。
出会いは、特別な人にだけ訪れるものではありません。
パパ育休を取ること。
それ自体が、新しい世界への扉を開ける鍵になります。
公園で会うパパ、保育園のママ友のご主人、地域の子育てサークルの参加者
会社員のままでは絶対にすれ違わなかった人たちと、必ずどこかで縁が生まれます。
その中の誰かが、あなたの人生観を変えてくれる可能性があります。
経済的な給付金は、目に見える形で家計を支えてくれます。
でも、「出会い」という見えない給付金は、家計どころか人生そのものを豊かにしてくれる。
私たち家族は、この「見えない給付金」を、2年間で受け取り続けました。
そして、その効果は、復帰から数年経った今も、確実に続いています。
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📌 読者のみなさんへ
「子育て中、本当に素敵な出会いってあるの?」
「お受験以外の場面でも、こういう出会いはある?」
「うちの夫を、子育ての世界に引き込むには?」
どんな些細なことでも構いません。
みなさんの悩みや疑問をぜひ聞かせてください。
いただいた声は今後の記事作成にも活かしていきます。
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次回は、再びお金の話に戻ります。
「夫の手取りは5万円減った。でも家族の時間は1日2時間増えた」
——税理士ママが、夫婦ダブル育休の家計を全公開します。
減ったお金、増えた時間、そして増えた売上。
「減ったもの」と「増えたもの」を、両方並べてお見せします。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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