川のほとりで
川のほとりを歩く
川のほとりに座る
川のほとりで耽る
川のほとりで詠う
あの日と変わらない川のほとりで
変わったもの変わらないもの
未来のかたちを思い浮かべる

*
学生時代のわたしは、毎日バイトに明け暮れていた。部活やサークルにも入っていなかったし、これといった趣味もなかった。とくに夢もなかったし、未来のことも考えてなかった。バイトだって何か目的があったわけじゃなかった。この川のように、川面に浮かぶ木の葉のように、ただ流れるままに生きていた。
こうして言葉にすると、なんだかとても味気ない。
二十歳だった年の今日は、バイト先の友達とこの町を歩いていた。
友達は少ないほうだと思うけれど、その彼女とは数十年経った今でも変わらずに友達でいる。
お互いの環境はそれぞれ大きく変わってきたけれど、わたしたちの関係はこの先もきっと変わらないだろうなと思う。
味気ない生活のなかにも宝物を見つけていた。

*
時間は流れて、時代は移って、いろんなものが加速度的に変化し続ける。
変わらない
変われない
変わった
変わってしまった
変わりたくない
変わってほしくない
……
変化のなかで残ったもの、増えたもの、消えたものもあって、喜びもあれば、悲しみもあった。

この川はあの頃と変わらない。
ここに来ればちゃんとあって、穏やかに静かに流れている。
今日も変わってなくてよかったとほっとする。
おかえり。
ただいま。
そういう場所や存在は、これからもずっと変わらないでいてほしいなと思う。

二十歳のわたしも、三十歳のわたしも、四十歳のわたしも、自分が夢を持つことも短歌を詠むことも少しも想像していなかった。これもきっと宝物なんだな。
変化は突然やってきたりするから、消えないように大事に抱えてあたためていたいなと思う。
京都、鴨川のほとりにて。
#228. 『 鴨川 』
⭐︎点と点をつないで線を描きゆく 鴨川等間隔の法則
⭐︎11月23日晴れの日の今日の落ち葉を今日のページへ
ー ちる ー


