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オリジナルアニメ「アレック」挿入歌2「マディエの花」

この曲も無精をしまして、DTMに入力しないまま、若干のミスタッチを承知で生収録しました。

伴奏はギターソロ一発を想定しています。

雰囲気としては、シューベルトの歌曲集「冬の旅」のラストソング、「ライアーまわし(辻音楽師)」のように、ポツリポツリとした伴奏で始まる。

それが中盤でメジャーキーに転調してからの性急なまでに急激な盛り上げ方こそが、私のメロディーメーカーとしての神髄と自負しています。

最初の部分の陰鬱な孤独感とはあまりにコントラストが「どきつい」。むしろそれが狙いです!!

ライムスリップしてナオミが飛ばされて来たのは現代の渋谷。

「第3部」という表示と共に、近未来の核爆発で荒廃した地球の原野の戦場から、何の前触れもなく、新海誠の「天気の子」か、押井守が劇場版「パトレイバー」で描くような、リアルタッチの現代東京のシーンに飛び、ギターの爪弾きが、断片的に聞こえ出す、という、衝撃的な場面転換の趣向。

ナオミと契ったヒロシはナオミがまだ眠っている間に、原爆の爆発を止めるべくナオミの元を離れていた。

イヌたちと退化したニンゲンたちの最終戦争凄惨を極めるが、ヒロシの尽力も空しく、トムの作った原爆のスイッチは入ってしまった。

火山の噴火口で空しく高笑いを上げるヒロシ。

ここでナオミの時空が歪む。

その先が渋谷だったというわけ。

この歌は、すでにご紹介している「Alec」と対となる歌として構想しました。

「Alec」が、ナオミとアレック(犬)とヒロシが、ニンゲンたちの虜囚から解放されて、いかだでの急流下り(このシーンはワーグナー楽劇「二―ベルングの指輪」の第4夜「神々の黄昏」の「夜明けとジークフリートのラインの旅」をそのままBGMとして使いますが、

映像描写としては完全に、マリリン・モンロー主演の「帰らざる河」へのオマージュ

を経て流れ着いた花園で、アレックとなおみが遊び戯れる、それを見守るヒロシ、という、映画のド真ん中に置かれる挿入歌で、ひらすら明るく幸福感に満ちているわけです。

それに対して、この渋谷での「マディエの花」は、あまりにも孤独で暗い。
しかも、ギターをつまびくナオミは、なかなか歌を前に進められず、冒頭からやり直すという設定にしています。

だからメロディの最初は音符が少ない。それがだんだん音符が多いメロディになっていくように意識的に作っています。

街を行きかう人々は、誰も彼女の前に立ち止まらない。

中間部のメジャーは、ヒロシとの、アレックとの、戦場の中ではあったがすばらしい交流の日々への回想のはじまりであり、特にヒロシとの契りを経た切ない女心の爆発という側面があり、美しいというのを通り越した「狂おしさ」の次元に唐突に飛ぶ、という感覚です。ピアノ伴奏ふうの分散和音が美しく似合うことは想像がつくでしょう。

しかし、その愛の光景は、今や「幻想」の彼方。

だから、唐突なまでのぶっきらぼうさで断ち切られ、冒頭の寂しいメロディに回帰するわけです。

この3部構成は、すでに述べた、シューベルトの歌曲集「冬の旅」で、「菩提樹」と並ぶ例外的な長調の、「春の夢」という、超残酷な曲(私がほんとうに落ち込んだ時は、この曲にいつも思いが至るのですが)の3部構成にヒントを得ています。

そろそろ、フルオーケストラの「序曲」の骨格を、これはさすがに少し長いからDAW打ち込みで公表することから、今度こそ逃れられなくなってきたかな・・・


この曲については、「対旋律との掛け合い」まで最低2声部載せて、はじめて意味があるからな・・・


・・・冒頭のファンファーレだけで皆様のけぞる、マジ、かっこいい、フルオケのための「序曲」ですので、お楽しみに!!


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