[コラム] 骨折娘の奮闘記 - モンテジア骨折(前腕骨折&肘脱臼):手術の記録
誰かの役にたつと思い記します。
◎ことの発端
去年の11月中旬のことです。
土曜日の夕方でした。
いつものように娘は家の前で遊んでいました。
すると、娘が「転んだ~」とメソメソしながら家に入って来たので、また膝でも擦りむいたかと思ってみたところ、どこにも外傷がありません。
「どこ痛いの?」と聞くと、「ここ…」と左の肘を指さします。
袖をまくってみて、ぎょっとなりました。
娘の肘は、見るからにありえない形状に…。
ん?
んんーーーー???
ひ、肘が外れてるーー????
ぎゃー!! たいへんだ~!!!
みるみるうちに娘は真っ青になっていきます。
力なく「痛い~」と言う娘。
人間、あまりに痛いときは泣き叫ぶ元気も出ないんですね。
これまで自分も子供も脱臼などしたことなかったので、こういう時どこに行ったらいいのかわからない。
ダメだったら救急車呼ぼうと考えつつ、ひとまず近所の接骨院に電話してみました。
状況を説明すると「すぐ来てください」と言ってもらえて、ぐったりしてる娘を連れて向かいました。
夫も仕事が休みの日で家にいたので、息子とお留守番できて不幸中の幸いでした。これが息子も同伴となったらかなりカオスだったことでしょう。
接骨院に向かいながら、どうやって転んだのか娘に確認をすると、縄跳びしながら走っていて転んだとのことでした。
たぶん左腕で全体重を支えてしまったのでしょう。
利き手が右なので左でひとまずよかったけどもよ…。
で、接骨院の場所を確認しながら向かっていたはずなのですが、いつのまにかめっちゃ通りすぎていて、痛がる娘を余計に歩かせるはめになってしまったりしました…。
どんなに簡単な場所でもだいたい間違える…、自分のこういうところを呪います…。
◎接骨院にて
やっとのことで接骨院に到着すると、スタッフのお姉さんが待ち構えていてすぐに診てくれました。
変形している肘を見て、すぐに「脱臼してますね…」と教えてくれて、その周りのいろいろなところを触ってどこが痛いか丁寧に娘に聞いていました。
そして彼女の下した判断は…。
「これは…脱臼もしていますが、骨もやっちゃってる可能性があります。すぐにレントゲンの設備がある整形外科を受診した方がいいです」
こ、骨折ってことすか???
このときは私は単純に脱臼しただけと思ってたので、びっくりでした。
最初に書きましたが、娘がこけたのが土曜日の夕方。この時点で時刻は16:30になっていました。
一番近い整形外科は土曜午後はお休み…。
あわあわしていると、接骨院の人が自転車で5分くらいのところの整形外科ならまだやってることを教えてくれました。
パニくる母の強い味方。
電話し状況を説明すると、すぐ来てください…ということになりました。
私たちは接骨院にお礼を言って整形外科に向かいました。
◎整形外科 1
整形外科に到着すると、話を聞いていた受付の人が、なるべく待たずに診てもらえるように準備してるので待合室で待機しててと言ってくれました。
それで私はこれが結構な緊急事態なのだと改めて悟るのでした。
病院につくと、娘は疲れ切ってウトウトしてました。おそらく激痛は続いているのです。
これは人間の防衛本能なのかなと思いました。
ちょっと待っていると呼ばれたので診察室に行きました。
「これは痛いね~。痛いけど頑張ってまずはレントゲン撮ってこよう」
と先生に言われてレントゲンへ。娘は一人でがんばってレントゲン室に入り、写真を撮ってきました。
ビビりで甘えん坊な割にはこういう時にやたらと強い娘です。
こちらが実際のレントゲン写真。

これを見て先生は「うん、骨折してるね…」と言いました。
ぎゃふん。やっぱり。
↓こちらは同じ写真に私が印をつけたものです。
大きい方の上の〇が肘の脱臼。小さい方の下の〇の黒い筋が骨折部分です。

これを触っただけで予測した接骨院のお姉さんすごいです。
・神の手
先生は娘を寝かせると、腕に触りながら「どうやって転んだの?」など話をはじめました。
「うんとね…縄跳びしながら走ってて…ぎゃっ」
喋っている途中で娘が変な声を出しました。
「痛い」と言う娘。語尾を強めに言って先生を攻めているような口調でした。
当の先生はしれっとした顔で、「今、はめましたんで」と言いました。
娘の気をそらせながら、一瞬で肘の脱臼を戻したようでした。
私は整形外科すげ…と、これからお馴染みになる畏敬の念を抱くのでした。
看護師さんがすぐさま集まってきて、シーネと言う腕を固定する添え木のようなものを娘の腕にはめ、包帯でぐるぐる巻きにしました。
腕はずっと90度で、これを取らないように、と言われました。
・今後の治療について
「今、脱臼を戻して固定しましたが、これは応急処置です。じん帯が外れている可能性があるので、もっと大きい病院で診てもらって、場合によっては手術になるかも…」
という診断でした。
手術すんのか~!!!!
ここで私は腹をくくりました。
うちから二駅ほどのところに手術もやってる整形外科があるので、そこに紹介状を書いてもらいました。
しかし、この時もう土曜の夜でしたので、月曜まで待つことになります。
◎整形外科 2
脱臼を戻してもらってからは痛みはそれほどでもなくなり、痛み止めは飲みましたが、月曜までなんとか苦しまずに過ごすことができました。
娘の様子を見ていると、なぜか私の左肘も痛くなってきました。
ファントムペイン。
いや、ファントムペインって言いたいだけww
そんで、月曜の朝イチで紹介してもらった病院に電話し状況を説明すると、今すぐ来てくださいとのこと。
うむ…これやっぱり緊急事態なんだ…。
この日は夫も休みが取れたので一緒に行きました。
(息子は学校)
予約がいっぱいのところに無理やりねじ込むので、ちょっと待つかもしれないと言われ、覚悟していきました。
そこの病院は総合病院なので、いろいろな患者さんでごったがえしていました。
病院って、いつ行ってもどこも激混みだよね…。
子どもが生まれてから、病院のお世話になりっぱなのでだいぶ慣れてはいるのですが、病院のシステムってどうしてこう分かりにくいんでしようねww
各病院で受付方法とか手順とかバラバラで、患者はわりと放置プレイで次何していいのかよくわらなくなります。
・レントゲン
受付をすると、まずはレントゲン撮ってきてと言われ。
レントゲンにもたくさんの人が待っていました。
比較的すぐ呼ばれたので優先してくれたみたいです。
レントゲン室に娘は一人で入って行きました。
出てきたらげっそりしてたのでどうしたのか聞いたら、骨が見えるように腕の角度を調整するのが痛かった…とのこと。
よくがんばりました。
技師さんにご褒美のシールを貰って少し持ち直していました。
CTも撮ったと記憶。CTを取るときには同意書にサインがあります。
・採血
すごい勢いで記憶が忘却の彼方へ消え去っていますが、どこかのタイミングで採血もしたかもです。
血液型の確認に加えて、B型肝炎、C型肝炎、HIV、梅毒の検査があります。手術する場合は、これはどの病院でも同じだと思います。
こちらも検査同意書のサインがあります。
娘は採血は初体験でしたが、そこまで怖がらずにできました。
なお、最近では子供の血液検査しないんですよね。
今回の採血で初めて娘の血液型を知りました。
・診断
さて、レントゲンを取り終わってそこそこ待って、診察の順番になりました。
見せてもらったレントゲン写真はこちら。
※プリントしたのをスキャンしたので画像荒くてすみません。

脱臼はもどっていますが、左側の骨が骨折していて曲がっている状態。
この骨折には名称があって、モンテジア骨折と言うそうです。
子どもがよくやる骨折だそうで。前腕骨折&肘脱臼がセットになります。
「この状態をしっかり戻すために手術が必要です」
そうして先生は手術内容の詳しい説明をはじめました。
◎手術の説明
子どもが手術となると、大変ビビるものですが、ここで、先に明記しておきますが、我々夫婦は感覚が少々バグっています。
何しろこれを経験していますので…。心臓に剛毛が生えてしまっている…。
手術で心配なのは変わらないのですが、なんかノリが軽いのはご了承ください。
で、今回の手術の説明です。
やることは二つあります。
1) 骨折して曲がっている骨にワイヤーを入れてまっすぐにする。
ワイヤーは1か月くらいで抜く予定です。
骨がくっつくと同時に曲がってるのも治していくって感じかな。
2) 外れている靭帯を修復する。
一度脱臼して靭帯が外れて、それが正常に戻らずクシャってなってる可能性があると先生は言いました。
本来は↓この図の点線の位置に靭帯があって骨をくくって繋ぎとめているんだけど、それが一度はずれてしまったので、赤い部分にクシャっとなっている…。

これを正常な位置に戻すのに切開する必要もあるかも…とのことでした。
先生は、娘の指1本1本に触れて感覚があるか動くか確かめて、神経には異常はなさそうと判断していました。
肘っていろいろな神経も通っているので傷つくと危険な場所でもあるのです。
「ここまでで質問はありますか?」
すばらしい明確な説明で、私たちは安心してお任せできる気持ちになっていました。それを先生に伝えました。
治療を受けるときに一番大切なのは、医師と患者のコミュニケーションです。お互い信頼し合えることがとっても大事なのです。
・麻酔について
この手術は3時間ほどで終わるのですが、子供にとっては地獄のように長い時間だしトラウマになってしまうので、全身麻酔で行いますと説明をうけました。
全麻っすね…ですよね~。
全身麻酔は怖いですが、この規模の手術だったらしかたないです。やるしかない。
娘も一緒に話を聞いていましたが、手術になるかもと事前に言われていたのでさほどビビってはいませんでした。
手術の日は、前の日から入院して、翌日手術、さらに一泊して3日目に退院という段取りとなりました。
つまり二泊三日の入院です。
おお、手術の次の日にもう帰れるんだ~。
・麻酔科受診
続いて麻酔科の先生のお話しです。
麻酔科と聞いて緊張する私たち。息子の手術のときの麻酔科の説明とかめっちゃ怖かったので…。先生も怖かったし…。
で、やってきたのは若くてかわいらしい女性の先生でした。私の麻酔科の先生のイメージが崩れ去ります。
先生は優しく説明してくれました。
「ご家族で全身麻酔を受けた方、いますか?」
「あはい、お兄ちゃんが…」
「あ、じゃあだいたいご存じですね。その時、問題はおきませんでしたか?」
「いえ…特に」
こうしてスムーズに説明は続きます。話をきくうちに、これは息子がやった麻酔と娘の麻酔は全くの別物であると知りました。
息子の場合、詳しくは記憶していませんが、モルヒネレベルの麻酔が使われていたと思います。3日くらい起きなかったし。
娘は数時間の手術で、終わった後は数時間で起きるということなので、そこまで強い麻酔ではないのでした。
すぐ起きると聞いてちょっと安心。実はですね、手術より麻酔が怖いんですよ。いろいろ。
こうして私たちはすべての説明をうけて、麻酔に関する同意書、手術に関する同意書にサインをしました。
このように、手術するときはたくさんの書類にサインをします。
◎入院の段取り
全ての診察が終わると、受付に戻って詳しい入院の段取りの説明を受けました。
入院する当日にまずは受付で “入院預り金” として数万円が必要になります。
これ、忘れてましたが息子の時もあったので、だいたいの病院であると思います。退院するときに差額を払うって感じですね。
私の暮らしている地域では小学生の医療費は全額免除なので、入院でかかる費用は食事代だけです。
食事代は1食500円程度なので預けたお金はほとんど戻ってきます。
・付き添い入院について
それから、付き添い入院について説明がありました。
これは病院により決まりが異なります。
今回入院した病院では、付き添い入院した場合は個室のベッド代が免除になるとのことでした。
もとから付き添いする予定でしたので、これはラッキーって感じです。
病院によっては、付き添い入院ができなかったり、反対に必須だったり、どちらか選べたり、個室は別料金だったり、などなどいろいろです。
事前によく確認しとくとよいです。
それから、この病院では付き添いの食事も頼めるということでした。
これはめっちゃ助かります。
子どもがある程度大きいと買い物に出れますけど、赤ちゃんとかだとベッドを離れられないので自分の食事を用意するの大変なんですよ。
娘はもう病室にひとりにしても大丈夫ではありますが、買いに行くのめんどいな~と思っていたので助かりました。
・病院のWi-Fi事情
あとは、有料(1日500円)ですが病室でWi-Fiも使えるとのことで、私はリモートワークなのでWi-Fiがあれば入院中も仕事ができて万々歳です。
…個室でしかも食事とWi-Fi付とか、ホテルなみ?? と私と娘は入院をワクワクして待つことができました。
いよいよ入院は3日後です。
◎入院初日
入院は午後からなのですが、午前中にコロナの検査をしなくてはならず。娘が必死に出した唾を持って一度病院に行きました。
それから近くのファミレスでお昼を食べ、時間をつぶしてからまた病院へ戻りました。
この入院初日は夫が仕事を休めましたが、それ以降は休めず、息子の面倒をみないといけないので、面会には来れません。
・入院時の持ち物
というわけで、初日に必要なもの(着替えとか)を全部持って病院へ行きました。と言っても3日分なので大した荷物ではありません。
ちなみに入浴はなしです。
小学生が3日入院する程度だったら、こんな持ち物でよいでしょう。
・着替え
・寝巻
・歯ブラシ
・コップ
・タオル
・タブレット(娘が使う用)
そんで、私は仕事もするのでパソコンも持ち込みました。
・病室へ
入院の受付を済ませて、預かり金を払い、生活面でのいろいろ説明をうけてスタッフの人に病室まで案内してもらいました。
整形外科の病棟なので、なんとなく空気はゆるい感じでした。
おじいちゃんおばあちゃんが主に入院していて、子供は娘だけのようでした。
部屋は6畳あるかないかくらいですが、個室最高です。
私は大部屋でも全く平気な方ですが、何かとデリケートな娘なので個室に入れてとても助かりました。
部屋にはトイレや冷蔵庫もあって素晴らしかったです。
・病院のベッド事情
娘は自動で起き上がるベッドが気に入って「最高じゃん…寝心地いい~」とか言っていました。
このベッドに私は一緒に寝れないので、付き添い用の簡易ベッドを用意してもらいました。
これにお金がかかる病院もありますが、私たちが入院した病院では個室が無料になる分に含まれているのか…よくわかりませんが付き添いベッド代はかかりませんでした。
しばらくすると看護師さんが来てこれからの段取りを詳しく説明してくれました。
・排泄の管理
入院すると、排泄の管理をきっちりされます。
尿や便の回数を記入する表をもらいました。そこに正の字で回数を書いていくのですが、最近この漢字を習ったばかりの娘は自分で書いていました。
娘はまだ手術の実感がないのか、そんなにビビッてはおらず、なんだか楽しそうでした。
お母さんとお泊り~くらいに思ってたようです。
・リハビリについて
続いてリハビリの先生も来ました。
手術後は、腕がこれまで通りに動かせるようになるまでリハビリがあります。
この日は挨拶程度で、娘の指がどれくらい動くかなどチェックして終わりました。
・手術の再確認
そのあと先生も来て、手術の内容をもう一度説明してくれました。
その際に、切る方の手に印をつけるということで、娘の左手にハートマークを書いてくれました。

これは息子の手術の時にもやってたように思います。
間違えて切らないように何重にもチェックをいれるんですね。
これで今日のやることは終了。
・病院の夕食
ちょうど夕食の時間になりました。
娘は病院のごはんをとても楽しみにしていたので、わくわくして食事が運ばれてくるのを待っていました。
いや…普通の病院食だぜ…と私は心の中で思っていました。
この娘を産むときに切迫早産になって(別の病院で)一ヶ月入院してたので、嫌というほど病院食を食べた私です。
特別感があったのか、娘はおいしーと言いながら食べていました。

私と娘の食事は内容は同じですが、娘のはおにぎりになっていたり、細かく切ってあったりして、いちおう子供用の食事になっているようでした。
・病院の夜
食事が終わるとスタッフの人が私の簡易ベッドを運んできてくれました。折り畳み式のベッドです。
これを広げると部屋はいっぱいになりました。
いつも添い寝してるので、別々に寝るのは娘にとってもレアな体験だったと思います。
寝る前はタブレットでゲームをしたりYoutubeを見たり、ひとりの時間を満喫する娘でした。
こうして、入院初日は平和に過ぎていきました。
◎いざ手術へ
翌日。午後イチから手術ですが朝食は食べられません。
お腹がすくと情緒が不安定になる娘なので心配でしたが、事前に説明もされてたのでとりあえず我慢してくれました。
午前中に看護師さん点滴の針を入れに来ました。
子どもの点滴は手の甲に針を入れます。
2回くらい針を刺しなおしましたが、なんとか無事入り…。しばらくこれで辛抱です。

私も息子が点滴の針が全然入らなくて看護師さん泣かせだったので、娘もそうだったらどうしよう…と思いましたが、そこは受け継がれていないようでした。
・手術のお時間
Youtubeなど見て空腹を紛らわせて待つこと数時間。
いよいよ手術の時間となりました。
ここで娘がちょっと怖がり始めました。
「大丈夫、寝て起きたらもう終わっているから」
昔、私の弟が手術したときに、瞬きして目をあけたと思ったらもう終わってた…的なことを言っていたのを思い出してそんな話を娘にしたりしました。
手術室は別の階にあるのでエレベーターで向かいます。腕の怪我なので普通に歩いて行きました。
手術室へは私も同行し、私たちはヘアキャップとジャンバーみたいな上着を着ました。
娘は病室で手術用のガウンに着替えています。
手術室まで入ると思ってなかったので、貴重な体験でした。
手術室は機械や器具がたくさん置いてありましたが、普通の部屋って感じです。
手術室の中に入ってから、娘の氏名・生年月日・手術する箇所・手術内容を質問されたので私が答えました。
患者が大人の場合は本人が答えるやつと思います。
認識違いがないか最終チェックですね。
そして、私は娘に「がんばって!」伝えて手術室を後にしました。
手術が終わるまでは数時間。私は病室で待つことになります。
食事ができない娘につきあって私も絶食してたのでお腹が空いてました。
売店でおにぎりを買い、娘が夕食も食べれなかった場合、夜に食べていいって言われるかも…と看護師さんが言っていたのを思い出してパンも買っておきました。
部屋に戻っておにぎりを食べながら仕事をしまたが、まったくはかどりませんでした。
整形外科の手術はゆるいな~とか思いながらもやっぱり心配だったのです。
それで、なんとなく今夜はあまり眠れなさそうな予感がしたので、昼寝をしていました。
そして、二時間半くらいたったころ、娘の手術が終わったとの連絡が来ました。
手術室のドアの前で待つように言われ、どんな状態で出てくるんだろうか…とドキドキしながら待っていると、ベッドですやすや眠る娘が出てきました。
酸素は吸ってましたが、点滴がひとつしかついてなくて、すごく軽装備の娘を見てちょっとほっとしたりしました。
ええ、だって私の手術後の記憶ってこれですから…
で、他の患者さんたちと一緒にエレベーターに乗って病室のあるフロアへと行きました。
エレベーターの中で娘の寝息が、スピ~スピ~と響いて、居合わせたみんながほっこりクスクス笑ってしまう眠りぷりです。
病室に入ると酸素と点滴は起きるまでそのままで…と説明をうけました。
と言っても心電図やサチュレーションを測定する機器などはついてなかったので、なんかおかしくなったら自己申告せねばなりません。

全身麻酔は目覚めるまで気を抜けない…。
念のため、この点滴は水分補給用ですか? と聞いたらそうでした。
つまり痛み止めは今は入ってないということです。
手術中に脇から痛み止めを入れたので今日の夜くらいまではそれが効くはず…とのことで、夜痛くなるということね…と私は察しました。
やはり昼寝しててよかったようです。
・術後の説明
手術を終えた先生が病室まで来て、状況を説明してくれました。
骨をまっすぐにするためのワイヤーはすんなり入り、予定どおり成功。
靭帯はやはりぐちゃっとなっていた(切れてはいない)ので、中をあけて、元に戻したとのことでした。
引き続き腕を90度に曲げるギプスは装着したままで。
なるべく傷を残さないようにやりたかったのですが…傷跡が残ると思います。
と先生は申し訳なさそうに言いました。
いやいや、とてんでもござーせん!!!
この先生、若い女性の先生なんだけど、一日に何人もの診察をして、合間に手術して、めっちゃすごい人なのです。
この世には神がたくさんいる…。
娘は寝ている間にすごいことやってきたんだな…と改めて思いました。
しばらく眠っている娘を横目で見ながら仕事をしていると、彼女の目がぼんやりと開きました。
「おはよう…」と声をかけても反応がありません。
またすーっと眠ってしまいました。
そういうのが何度かあり、ゆっくりと娘は目を覚ましました。
「…もう終わったの?」
と娘。
「終わったよ。どこか痛い?」
「痛くなーい」
という会話をしたと思います。
娘が目を覚ましたので看護師さんを呼ぶと口からの水分補給は2時間後、その後、夕食も食べてOKをいただきました。
これ、夕食なしだったら地獄だったわ…と思い私はほっとしました。
しかし、2時間水飲めないのはつらい。
・のど乾いた地獄
娘はこの2時間、のど乾いた…と言い続けました。
口をゆすぐのはよいと言われてたので、起き上がってくちゅくちゅぺするか? と聞いても、起き上がるのが怖いといって寝たきりの娘…。
じゃあ、ベッドを起こす? と言っても「こわい…」とのこと。
これまで勇敢にしてきましたが、ビビりの甘えんぼモードが発動しました。
しかたない。
こうして、「のど乾いた」「口ゆすぐ?」「こわい」を延々に繰り返し、発狂しそうになったところで、ようやく水を飲んでよい時間に。
身体を起こしたくないようだったので、ストローで飲ませました。
何となく砂漠で水にありついた人を思い出して「ちょっとずつ飲みな!」と言いながら、乾いた娘がごくごく水を飲むのを見守りました。
そこから、夕食まであと1時間くらい…。
・おなかすいた地獄
今度は「おなかすいた」攻撃が始まりました。
娘はぐったりしてて顔色も悪い。時々看護師さんが血圧を測りに来ましたが、上が80とかで血圧めっちゃ低い…。
だいじょうぶか?? 気絶すんじゃないか??
と思っていると、やっと夕食が運ばれてきました。
・今まで一番おいしい
さすがにこれは寝たまま食べられないので、がんばって身体を起こすことに。
娘もごはんを食べたい一心で起き上がりました。
その日は娘の好きな鮭。おなかすいた~と言いながらバクバク食べました。

そして食べているそばからみるみる顔色がよくなり、元気も出てきました。
腹減ってただけwwww
娘は何の変哲もない病院食を「今まで食べた中で一番おいしい~」と言いながら食べていました。
とりあえず元気そうでなにより。
未だ麻酔が効いていて、痛みもない様子でした。
それで、夕食後はタブレットを見ながら平和に過ごしていたのですが、消灯時間になっても全く眠くない…と。
それはそうだ。昼間がっつり寝ていたので。
しかたないので、眠くなるまで見てていいよとYoutubeを見せていました。
で、やっとうつらうつらしてきたので私も寝たのですが、そこから数十分後、「いたい~」と言って娘が起きてしまいました。
はい、麻酔が切れました。
・地獄の夜
我慢できないほど痛いと言うのでナースコールをし、痛み止めを入れてもらうことにしました。
点滴で入れるのですぐ効くはず。
点滴をしてしばらくすると、娘はすーっと眠りました。
よかった…とほっとしたのもつかの間…数十分後…また「痛い~」と言って起きてしまいました。
まだ点滴入れ途中なので「薬が効いてくるから」となだめますが寝れません。
しかたないので今日は特別…ということでYoutubeを見せて気を紛らせることにしました。
そしてしばらく放置していたら寝ていたのでそっとYoutubeを消して私も横になりました。
…で数時間後…。また「いたい~」と言って娘は起きてしまいました。
ナースコールをして看護師さんを呼びましたが、さっき点滴を入れたので数時間は痛み止めをできない…とのこと。
しばらくちょっと我慢してもらって、違う種類の痛み止めなど使ったりして朝までがんばりましょう…という感じになった。
娘は眠気と痛みの板挟みで、数十分おきに起きては「いたい~」と言いました。
私は横になれずにずっと娘のベッドのわきに座って彼女をなだめていました。
…この感じ…。既視感が…。
思い出しました。娘が新生児のころこんなだったな…と。とにかく眠らせてくれない子だったのです。
大きくなっても変わってなくておもろww
昼寝しておいて正解だったけど、地獄だったわ…。
こうしてようやく朝になり…。
娘の痛みも少しはましになったようでした。
・朝ごはん
朝ごはんの時間になって、ごはんを目の前にして娘の機嫌もよくなりました。

すっかり病院食はおいしい…と刷り込まれたようです。
午前中に先生の診察もして、特に問題ないようなので、点滴も抜いて無事退院となりました。
◎術後の経過
退院するころにはもう痛みはさほどないようでした。
ただ、痛くなった記憶が若干トラウマになっているようで、痛み止めは処方されたとおりに飲んでいました。3日くらいで痛み止めは不要になりました。
・骨折時のシャワー事情
退院後、その日はお風呂はダメ。翌日からシャワーはOKと言われました。
ギプスは濡らさないようにと念を押されました。濡れるとばい菌が入りやすくなるそうです。
翌日からのシャワー時は、水が入らないようにタオルを巻き、ラップしてビニールで包んで、ビビりの娘にシャワーするのが超絶面倒でした。
・退院後の受診
しばらくは毎週受診になりました。
ワイヤーが入っている状態のレントゲンを見せてもらいました。
はいこちら。

右は手術前の図です。左がワイヤー入り。しっかり骨がまっすぐになっているのがわかります。
整形外科…すご。
ワイヤーがどこにどう入っているのかよくわかってないのですが、たぶん、骨に刺しているんだと思います。

で、このワイヤーの先っぽが、少し曲がっていますが、この部分が外に出ていて、抜くときはここを引っ張って抜くそうです。
え、…出てるんですか?
「はい。今から一度ギプスを開けるので見ますか?」
言いながら先生はでっかいハサミでギプスをジャキジャキ切り始めました。
「傷の確認をしますので」
骨折の種類や部位によるのかもですが、石こうのギプスではなくて、娘がしているのは、シーネで固定した上から、綿をぐるぐる巻く感じのギプスでした。
そしてあらわになった娘の肘…。
肘からワイヤーが飛び出していました。
こんな感じ。

ぬお!! なにこれ!! サイボーグみたい!!!
かっこよ!!
SF脳発動…。こんな母ですみません。
これを引っ張って抜くとは…? これはあまり考えないようにしました。
それから、靭帯をなおすために切った傷は↑図のような感じで。
こちらの傷の抜糸は一週間後だそうです。
傷もキレイで問題ないとのことで、娘の腕はまたグルグル巻にされました。
・抜糸
術後2週間で靭帯を治した方の傷痕の抜糸となりましたが、糸がだいぶ体内に取り込まれていて抜けず…。
出ているところだけ切って終わりになりました。
糸をひっぱると娘が痛がったのですが先生は「変な感じするよね、ごめんね…」という言い方をしていました。
これは、息子の障がい者専用の歯医者さんもする言い方だわ…と気が付きました。
「痛いよね」とは言わないのです。痛いって言われると痛くなってしまうからなか…と勝手に思いました。
なるほどなー。
◎抜釘
こうして娘の骨は順調に修復されていきました。
人間の身体ってすごいですね。
毎度のレントゲンで、骨折した箇所に小さなふくらみができ、骨が修復される様子を見ることができました。
そのふくらみもいつのまにかなくなり、骨はまっすぐになりました。
で、1か月ほどたち、いよいと抜釘の日となりました。
関係ないけど、抜釘ってなんかかっこよくないですか?
抜刀みたいで。
いやいや、そんなこと言っている場合ではありません。
あの肘から出ている針金を抜くって言っていたけど…そのまま抜くの?
麻酔なしで? 麻酔するの?? どんすんの??
とあわてていると、娘は診察室のベッドに寝かされて、ギプスを外され、「じゃあ抜くね~」と先生がでっかいペンチを持ってきました。
あ、麻酔なしで行くのね??
これにはさすがの娘も怖がりましたが「ダイジョブ、すぐ終わる」と押さえられてしまいました。
ここでものすごく暴れる子もいるかもですが、うちの娘は急に勇敢になるタイプです。
「できる?」
「できる…」
と勇気を振り絞ります。
私の方が焦っていいます…と言うのは嘘で、興味津々。ガン見です。
先生は娘の肘から出ている針金のさきっぽをペンチ掴むと、ググっと力を入れて、一気に抜き出しました。
娘は「ぬぎゃっ」と一瞬変な声を出しましたが、その後はケロっとしていました。
娘の肘からはポタポタと血が滴っていましたが、抜かれた針金には一滴も血が付いていませんでした。
レントゲン写真を見てわかると思いますが、そこそこ太くて長い針金です。
整形外科…すげ…。と私はもう何度目かわからない感情を胸に抱くのでした。
「痛かった?」と娘に聞くと首をかしげていました。
針金を抜いた穴は絆創膏をしておけば閉じるとのことで…。
これで、万年固定のギプスともおさらばです。
◎リハビリ
さあ、これで本格的にリハビリが始まります。
同じ病院内にリハビリ施設があるので診察後にそちらへ向かいました。
無事、抜釘が終わったことを告げると、まずはギプスに変わる脱着可能なカバーを作りましょう、ということになりました。
これは腕の形にあわせて作る、ガードみたいなやつです。
実際使っていたものがこれ。

温めると柔らかくなる素材で、腕の型をとってはめるものです。
まずはこれをつけて生活をします。
型を取るときに娘が痛がってちょっと大変でしたが、なんとかできました。
腕の筋肉がこわばっているので、腕の上げ下ろしや、指先を動かすなど、少しずつリハビリを始めていくことになりました。
※このガードは徐々にはずす時間を増やして最終的になしにします。
◎垢が取れない…
上記のガードは脱着可能なのでお風呂の時は取って入れます。
いちいちあの面倒な防水をしなくてよくなったことに喜びを感じていました。
それから、冬とはいえ、ずっとギプスをしていたので、娘の腕はそこそこ臭くなっていました。それから垢もすごいので、早く洗いたい気持ちでいっぱいだったのです…。
ギプスが外れてやっと腕が洗える…!!! と思ったのもつかのま…。
約一ヶ月間封印されてこびり付いた垢の強情さを私は知らなかったのです。
息子はもっと長期間シーネをしてましたが、こんなに垢はつかなかった!!臭かったけど!!
やはり赤子と小学生では違うのです。
こすっても取れない垢…。痛がるので強くこすれないし…。
これは地道に落としていくしかないのです…。
こういうところで、娘はやたらビビるので、私は腕を洗うのを諦めました。
そのうち自然にきれいになるかしら…。
※いまだ完全にきれいにはなっていませんww
◎医療保険について
娘は医療保険に入っていました。
今回、入院&手術したので、そこそこの額が給付されました。
あとは、通院分も出るのですが、まだ通院が終わっていないので終了したら申請する予定です。
子どもって何があるかわからないので、医療保険には入っておいて損はないです。おすすめします。保険料も安いですし。
ちなみに、持病がある子でも入れる保険もあります。
まだ入ってない人はぜひ。
◎ビビりの娘が学校に復帰できるまで…
ビビりの娘はなかなか学校へ行ってくれませんでした。
まず、ランドセルが背負えないので、荷物が片手で持てない…と泣きます。
靴を履き替えるのもできない…と泣きます。
トイレも一人でできない…と泣きます。
こわい…の一点張りでなかなか学校へ行ってくれませんでした。
・アームフォルダーについて
最初に受診してから、ずっと布製の三角巾を使って腕を吊っていたのですが、それがほどけたら誰もなおせない…とか心配しているので、子供用のアームフォルダーも買いました。
こういうやつ。これ脱着が簡単で便利です。
それでも、怖がって行けません。
朝、一緒に行ければいいのですが、お父さんは朝早いし、娘が家を出るタイミングと息子のスクールバスの時間がかぶっていて、なかなかいけません。
いつも一緒に行ってるお友達が迎えにきてくれますが、勇気が出ません。
学校の先生や学童の先生も心配して電話をしてくれました。
先生が「大丈夫、トイレは先生が手伝ってあげるし、みんな手伝ってくれるよ」と励ましてくれました。
※女性の先生です。
・なんとか学校へ…待っていたお友達
ちょうど私が一緒に登校できるタイミングがあったので、ようやく学校へ行くことができました。
骨折してから3週間ほどが経っていました。
学校に着くと、お友達がわーっと集まってきて荷物を全部持ってくれて、靴も履き替えさせてくれました。
…大丈夫じゃないか…。みんなやさしい…。
帰りはお迎えに行く形で、何とか登校を再開することができました。
で、しばらくランドセルは無理なので、ショルダーバックで登校することになりました。
荷物が重くてかわいそうでした…。
タブレットが重いんだよね…。
学童クラブはまだ怖いとのことで、学童クラブに行けるようになるのはさらに1週間後になりました。
たまたま、他に足を骨折してる子がいて、学童クラブでも骨折児童の対応がスムーズで助かりました。
こうして徐々に娘は日常に戻って行きました。
◎これから
今現在、骨折から約二か月が経過し、上記で作ったカバーも取れてランドセルも背負えるようになりました。
身の回りの動作やゲームとかでは左手もどんどん使っていく段階です。
ただ、まだ手を突いたり引っ張ったりはできない状況。それから腕の筋力が落ちているし、本人もビビっているので、体育はまだしばらくお休みかなという状況です。
次の受診とリハビリは1カ月後。
来月の中旬くらいで完治と言える状況かも…という雰囲気です。
縄跳びして転ぶというどこにでもある状況から、なんと全治三か月の怪我です…。
子どもって身体が柔らかい分、意外と無傷で済むこともあれば、思わぬ骨折もするんですよね…。
今回娘がやったモンテジア骨折って子供に多い骨折だと聞きました。
偶発的に起こった骨折にもちゃんと名前があるのも驚きです。
それから、肘が明らかに変な形状になっていたのでただ事ではないと気が付きましたが、骨折だけだったら気が付かないこともあるかもと思いました。
みなさん…どうぞ気を付けてね…。
それから、この体験談が誰かの役にたつといいな…と思うのであります。
ちなみに、娘に何が一番痛かった? と聞いたら、最初に肘の脱臼を戻したときだと言いました。
私は経験したことない痛み…ひーー💦
