娘に『わがままで、ごめん』と言われて、涙が出た。|パパの子育て|子育ての悩み|育児エッセイ|父親目線|共働き家庭|
娘の言葉で泣いたことは、
たぶんなかったと思います。
「パパ、大好き。」
「ありがとう。」
そんな言葉は何度ももらいました。
うれしかった。
でも、涙は出ませんでした。
あの日までは。
我が家は夫婦共働きです。
長女が一歳になる頃から保育園へ預け、
妻も時短勤務で仕事を続けてきました。
私も妻も土日や大型連休が
仕事になることが普通にあります。
保育園や学童へ迎えに行くのが
夕方6時近くになるのは当たり前です。
「ごめんね。」
そんな気持ちは何度もありました。
でも3人とも、
保育園も学校も楽しそうに通ってくれました。
だから私は、
その姿に甘えていたのかもしれません。
家族で出かける回数も、
世間の平均より少ないと思います。
外食もたまに。
その代わり、
誕生日や旅行、イベントでは、
なるべく我慢させたくない。
そんなふうに決めていました。
長女は昔から慎重な子です。
祖父母が
「何か買ってあげようか。」
と言っても、
欲しいものがなければ
「大丈夫。」
と断ります。
一方、次女は正反対。
「せっかくだから。」
と嬉しそうに選びます。
同じ家で育っても、
本当に性格は違うものです。
私は長女のことを、
「ちゃんと考えて判断する。」
くらいに思っていました。
先日、長女からLINEが届きました。
内容は本当に些細なことでした。
「友達と夏祭りへ行きたい。」
「スマホのアプリで欲しいものがある。」
ただ、それだけ。
でも最後に書かれていた一文で、
私は画面を見たまま動けなくなりました。
『わがままで、ごめん。』
私の心を動かしたのは、
そのひと言でした。
私は今まで、
娘にそんなふうに思わせていたんだ。
お願いすることを、
自分で『わがまま』だと思うくらい、
気を遣わせていたんだ。
そう思った瞬間、
涙が出ました。
私はすぐ返信しました。
「わがままだなんて、一度も思ったことないよ。」
でも、
本当に伝えたかった言葉は違いました。
「ごめんね。」
謝るべきなのは、
私の方でした。
優しい子なんです。
本当に優しい。
だからこそ心配になります。
優しいままでいてほしい。
でも、
優しさが「遠慮」になってほしくない。
人に甘えることを
悪いことだと思わないでほしい。
そして何より、
自分に対して、
「私はわがままだから。」
「私は迷惑をかけるから。」
そんな言葉を使ってほしくありません。
誰かに否定されるより、
自分で自分を否定する方が本当は苦しいから。
その夜、
隣で眠る長女の手をそっと握りました。
細くて長い指。
いつの間にか、
子どもの手じゃなくなっていました。
でも、
「わがままで、ごめん。」
と言える心は、
長女の成長の証でもある反面、
環境も影響していると感じ、
心が苦しくなりました。
思春期も、
もしかしたら反抗期も、
これから始まります。
親に腹を立てる日も来るでしょう。
言い返す日も来るでしょう。
でも、それでいい。
そのくらいがいい。
もっと甘えていい。
もっと頼っていい。
もっと、
わがままを言っていい。
子どもは、
親にわがままを言うのが仕事なんだから。
だから私は、
娘に伝えたい。
「わがままで、ごめん。」
じゃなくて、
「パパ、お願い。」
そう言ってくれる子でいてほしい。
その時はきっと私は、
「もちろん。」
そう笑って答えたいと思います。
育児や夫婦関係など
家族の日常の『切り取り方』で
変わる景色を綴っています。
