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【吉安】木の葉天目の郷・江西省吉安県の吉州窯訪問記 その1 豪華な先制パンチ

マガジン「中国100のやりたいこと」No. 番外編
達成日: 2025年3月5日
場所: 中国・江西省吉安县永和镇
お薦め度: ★★★★★

 東京都世田谷区の五島美術館に所蔵されている木の葉天目をご存じだろうか?南宋時代(12~13世紀)に中国の吉州窯で作成されたものである。この碗の底に見える木の葉は、本物の木の葉である。こんな葉を入れたまま窯で焼くという高度な技術を既に南宋時代に確立していた吉州窯だが、その後、一旦途絶えてしまったそうである。その復興に尽力した伍映山氏に北京出身日本在住の中国人のお茶の先生Jさんが会いに行くというので、おこがましくもくっついて行ってみた。これは素敵な事が起こる予感しかしない。

五島美術館所蔵品。他に東京国立博物館、永青文庫、東洋陶磁美術館で見られる。

 先ずは場所を確認しておこう。
吉安県とは江西省吉安市配下の県で、こんな位置関係。
上海からも広州からもそこそこ遠い感じ。
なお、江西省の省都は南昌、同じ江西省内に焼き物で最も有名な景徳鎮もある。

 Wikipediaの地図をお借りすると、吉安市全体はこんな感じで、黄色い部分が今回の吉州窯の話のメインとなる吉安県。市を南北に流れる川は贛江で南から北に向かって流れていて、この先、省都の南昌に至る。

 吉安県を拡大してみよう。ここに至る公共交通の窓口は主として高速鉄道の吉安西駅吉安井岡山空港にである事が判る。先生は北京市、私は重慶市にいて、ここで2025年3月5日に落ち合う事となっていた。1枚目の図には北京も重慶も載っていない。つまり、吉安県はどちらからもかなり離れている。特に北京からはかなり遠い場所である。さて、我々はどう移動したか。

 私はもちろん重慶江北空港から吉安井岡山空港へ。空路の所要時間は1時間40分。この後、空港から吉安県まで陸路で凡そ1時間なので合計2時間40分です。結構遠いなー。
と・こ・ろ・が!J先生の選んだルートには何と「高速鉄道」(@@;
下記の図を見て頂きたい。北京からの直通は1日1便しかなく、所要時間は10時間45分…じゅ、10時間越え Σ( ̄□ ̄|||)
どういうタイパなんじゃ。こりゃあ日本人は絶対選ばないわ。
「だって北京も吉安も駅からすぐなんですよ、乗り換えなし。」
い、いや、、、だ・と・し・て・も、、、!
空路を選んだなら、北京首都空港→吉安井岡山空港は2時間45分、空港から市内を合わせても3時間45分と鉄路の半分以下です。
これが大陸人の時間感覚というものなのでしょうか?
この選択に度肝を抜かれました。

ここ緑が私、青が先生です。普通、青の方が寧ろ空路選ぶだろ…

 井岡山空港は小さい空港で、勿論国内線しか飛んでいない。しかも便数も少なく、私は旅程のここに来る前の都市を成都にするか重慶にするかをここに航空便のある都市で決めた。即ち、成都からはここに空路で来ることは出来ず、重慶なら便があったので先に成都、後に重慶という順にしたのである。 伍先生の計らいで空港にはお弟子さんが迎えに来てくれていた。

 お弟子さんは20代の若い男女で、現代の若者風に見えて実は日本で言う芸大クラスの大学を出ている人達だそうである。ホテルまで送って頂き、一休みしているとJ先生も到着。その後いきなりレストランでの夕食にご招待頂いたが、いきなり豪華!お野菜を多様する、中国らしい美味しいものが並んだ。江西省の料理とはこういう感じなのか…確かに昨年12月に景徳鎮に行った時にも似た雰囲気の料理だった。野菜分多めで、しかも辛さを除けば日本人の口に合う、日本と同じ美味しさの方向性の料理。
 しかし、この後、もっとびっくりな豪華な事が。

食事後に、伍先生の奥様の劉恵美先生の工房に立ち寄る事になった。

沢山の賞品が並ぶ

 日本人の感覚では、ちょっと寄り道して私はこんなものを作っているのですと作品を見せてくれるのだと思っていた。
ところが、工房の中でそこから劉先生の器を使ってのお茶会が始まる。
こ、こんな夜遅くに😲?
先生作の貴重な器で有り難くお茶を頂く。右は木の葉天目、左は日本では「禾目天目(のぎめてんもく)」という名称で呼ばれているものだが、中国ではうさぎ(兎)の細くしなやかな毛にたとえ「兎毫盞(とごうさん)」と呼ばれているそう。これでお茶とはまた豪華な話。

 劉先生とJ先生は中国語で会話。私はJ先生に通訳してもらった一部分しか解らなかったけれども、話では、伍先生は芸術肌で、そもそも売るための器は作らないとか、国から研究費をもらっているので商売は出来ないだとかいうこともあり、劉先生は売るための器を作っているだとか言う話。話は延々と続く。

お茶を淹れているのは劉先生。

 話も漸く一段落し(といっても結構な時間)、ホテルに戻る段になったが、ここで劉先生からとんでもないサプライズ。
「お好きなのをどうぞ」
木の葉天目と禾目天目を1つづつくださるのだそう…
ええ!そ、それは、、、素人かつ今日初めて会った私がこんな豪華なものもらっていいのか…
逆に断る訳にも行かず頂いたが、あまりの想定外と知識不足でかなりの混乱。今飲むのに使っていたものと手前に置かれたものを頂くことにしたが、冷製になれば違う選択肢もあったかも知れない。いや、これびっくり。ありがたや🥹家宝にしまする… 

こんな豪華なものが私の家に…😲

 明日は吉州窯博物館へ案内してくださるそう。その時間を約束してホテルへ。私は何が何だかわからないまま、最後は豪華プレゼントという先制パンチをくらってふらふらになったな気分で部屋に戻った。中国人の行動、いろいろ解らな過ぎる!ホテルは最近ここに開業した中国一大ビジネスホテルチェーンの全季酒店。ここにも開業なんて、また勢いあるなあ。

翌日に続く。


こちらご参考です。私がいつ行った事を基に書いているのかの一覧表です。

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