超群青 短歌二十選
たったひとりぼく見上げる宙の超群青
吠え面負け面 夕暮れにぶっかけられた群青
ため息か唸り声か それとも風の音か
低い空 のたり雨粒 口で受く
花翳り鳥の唄 風立ちぬ 月ふたつぼくの修羅 ちりぬるを
きみ想ってうつつ 打ってフリスクふたつ
きみの恋は他人事 泣いてる横顔 ぼくのやけっぱちのマリア
春は平然と花を散らし きみは冷然とその上を踏む
春の雨は慰め 涙の痕を踏んでは落ちる
YouTubeの総再生回数ぶん この宇宙の孤独
笑う核猿に命綱預けて踊る僕たちの淡い影絵
一日の終わりに米炊いて句点打つ
哀しさも 雲は流れて 明日の空
掌てのひらに しみの数だけ 愛しい文庫
雨垂れ奏でる 紫陽花求む 鮮やかな転調を
新夏白光この世界を漂白する
きみと駆け抜けて商店街 真夏の角かどまで
夏空に薫り立つはきみ真白 茉莉花
きみが笑う時 世界の闇に光
きみ笑うだけで 世界の隙間に風
きみ笑えば きみ笑う ぼくは満ちて月
だって夕日が赤いから
僕ら明けても暮れても夢のなか
