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アメリカも地獄!フランスも!?そして日本は…

 タントリスの本音ってYouTube番組知ってる!?何回かご紹介しているのだけど、そのタントリスくんが、もぎせか先生と対談本を出版した。

 アメリカでの地獄(彼自身の生い立ち)を語り、コロナ禍での就職難を語り、米国の分断された現状を語った後、語学に堪能な彼は、フランスに渡る。その時の話に移る。高校で「本校始まって以来のフランス語の秀才!」みたいな評価を受けてた。だけど仏滞在はあくまで短期留学でしかなくて、就職難の青年タントリスはなんとか日本で職を得る。小学校の英語教師。
 それから再度、今度は休暇で、フランスに渡る。旧友との再会。
 彼がフランスに期待していたこと。

フランス人は知的に生きることを尊重する。…僕は一瞬、そんな未来が近づいたと錯覚した。文学、哲学、芸術の中で生きることーー趣味としてではなく、日々の糧として。それ以上に望ものはなかった。

リベラル地獄・アメリカ p189-p190


 だけどね、あれほど憧れて、あれほど彼の目も耳もそれから舌も喜ばせたフランスは、日本での生活の後では、何かが決定的に違って見えた。見えなかったものが見えるようになった。あるいは、以前はぼんやりとしていて言葉にすらならなかったものが、はっきりとした形をとって見え始める。それをアーティストの彼は、下記のような言葉で表現する。

…多くのフランス人が、こうした内的な態度を抱えていた。
私たちの時代はあった。美しかった。でも、もう終わった
 それは悲嘆ではない。もっと穏やかで、より不安を誘うもの。品位ある降伏、とでもいうべきか。
…説明はさまざまだったが、空気は同じだった。全てが諦めの中にあった
…非物質的な信念にこだわって生きられない世の中になれば、生は生存へと縮小する。文化は装飾になる。守るべきものではなく、観賞用のものになる。…最も偉大な歴史の一つが、自らを遺物として見なし、乗り越えられるのを静かに待っている守る価値のある魂が存在するなどと、もはや信じていない

リベラル地獄・アメリカ p192

 フランスとフランス人たちは「自らを遺物として見なし、乗り越えられるのを静かに待っている」と表現するアメリカ人=タントリス。

 「若い白人男性がポリコレに耐えきれずに難民として日本にやってきた」ともぎせかさんはタントリスのことを表現する。

 3年前にはいなかったライフル銃を手にした兵士が、パリの高速鉄道の駅内を巡回している。ライフルでなければ対処できない事態に備えている。つまり、国内がもう、戦闘状態でもあるわけだ。
 「フランスのはずなのに、民族的にフランス人に見える人が、あまりにも少なく思えた」。

 その彼が次のように続ける。

 正直に言えば問題は山ほどあると思いますが、それでも日本は僕にとっての国なのかもしれません。
 今でも、日本が僕を受け入れてくれることを願っています。
 楽に息ができ、常にパニックに陥らずに存在できる生活水準を与えてくれたことに感謝しているんです。僕のような不安を抱えやすい人間にとって、それだけでも決して小さな贈り物ではないのです。

リベラル地獄・アメリカ p198

 ノートルダム寺院が燃えても、1週間も経てば「ただの建物でしょ?」というパリ市民。そういうマインドがパリ五輪の開会式の醜悪さに現れていた。

 比べても仕方ないのかもだけど、タントリスは「日本にも問題あるけど、まだ間に合う」「あそこまでの(米や仏ほどの)崩れ方はしていない」と。

 こりゃ、読んでおく方が良さそうだZO。いや、必読っすよ!!



改めて。
amazonの本書の紹介はセンセーショナル。だけど、本書を読めば、決して大袈裟ではないとわかる。ただ、感じやすくて、正直な若者が決定的に傷ついたんだ。ポリコレに染まった大学の中で。いえ、それまでの生い立ちも、友人たちも(彼らの絶望も)、読み応え抜群です!


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