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秒速5センチメートル--母として、成人期として--

特に何の映画かも知らずに
子どもと観れて大人にも良さそうな映画かと
思い、観始めたら、想像とは全く違った。

新海誠監督の作品で
鬱映画とも呼ばれることで有名な映画らしい。

普段はアニメをほとんど観ないし
映画のレビューも読まない・書かない人間が
自分の人生と照らし合わせて
シンプルに思った下記、感想である。


第1話「桜花抄」

スローペースだからこそ
明里に会い行く道中の貴樹くんの不安の描写がリアルに感じた。

その反面、中学生がこんな遅くまで外出していて
大丈夫なのだろうか
翌日、再び電車で帰る貴樹くんだが
帰りは両親怒れるという別の不安で
押しつぶされていないだろうかとこちらが不安になった。

そこら辺はやっぱりアニメだしと思うと同時に
親都合の引っ越しに抗えない2人
それに対して
無力、絶望、許容しているとも思える2人の会話は
転勤族で母親の私の胸にチクリと刺さる。


第2話「コスモナウト」
高校生になった貴樹くんは頑張っていた。
引っ越し前にはサッカー部だったが
引っ越し後には弓道部だった。

部分を変えた貴樹くんは
新しいことに挑戦している様に思えて
「良かった。環境変えるのも悪くない」と思ってしまう自分がいた。
中学校から高校に変わるのだから、部活が変わるのは不思議ではない。

ここに「引っ越し」というイベントを加え
「良い変化」として見たいのは、避けられない引っ越しをネガティブな事ではなく
乗り越えて欲しいと思っている親のエゴである。

ずっと遠くを見ている貴樹くんは
明里に想いを募らせ
明里の所まで行ける自立・自由
自らの人生のコントロール

そんな様な物を追っていた様に思える。

自分も学生の時は
留学したい、バイリンガルになりたい
マルチリンガルになりたい
それだけを考えていた。がむしゃらにではなく、ひたむきに頑張っていた。

種子島のロケットが発射する様に
いつか自分も留学へと発射準備をしていた。

そんなことを思い出した。


第3話「秒速5センチメートル」
社会人になった貴樹くんはがむしゃらだった。
目的が分からなくなって、絶望していた。

第2話「コスモナウト」期の自分だったら
なぜ貴樹くんががむしゃらで鬱なのか分からなかっただろう。
貴樹くんの気持ちが分かってしまう自分が少し虚しかった。

このnoteでも触れたが

貴樹くんにとって頑張って手に入れたい物は
明里と自由だったと思うが、私にとっては留学や言語だった。

貴樹くんはあれだけ切実に欲しがっていた
自由、経済力、行動力を身につけたのに
明里には会いに行かない。
それはもう桜花抄・コスモナウト期の気持ちで
ないことに彼自身気付いているからだろう。

気持ちはあるが、心はもうそこにない。

しかし、現実を受け止めるほど成熟はしておらず
初恋の残像を求め、苦しんでいるように思える。

貴樹くんに共感と
大丈夫、大人になるとはそういう事と思う自分もいた。

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映画の感想を書くというのは初めだった。
書いてみて、こんなにも自分と重ねられる部分を重ね観ていたのかと思わされた。

第2話のコスモナウトについては花苗の成長に即した一途な恋心がポイントであるが
そこには思考がいかなかったのが、ちょっとした驚きである。

引っ越しおける子どもへの影響
自立に向けての青年期

子どもとして親として、観ていた。

「忘れられない初恋」がテーマだが
恋ではなく、「青春」として変換していた。

「秒速5センチメートル」
桜の花びらが舞い落ちる速度

かつて同じ速度で同じで
同じ青春を生きていた人たちが
高さやタイミングを変え、
花びらを落とし始めるのが成人期なのだろう。

同時にひらひらと落ちていたものが
まばらに散り始め、話が合わなくなり
友人関係や自分自身疑問が生じ始める。

確実にゆっくりとズレていくそのズレに
貴樹くんの様に縛りや苦しみを感じる人は多いのではないだろうか。

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