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サイレントリーダーの経営戦略ノート(第35回)なぜ優秀な上司ほど組織を壊してしまうのか

― 統治を飛ばした管理の末路 ―

仕事ができる上司ほど、
組織を壊してしまうことがあります。

皮肉ですが、これは珍しい話ではありません。

むしろ多くの組織で起きています。

理由はシンプルです。

統治を飛ばして、管理を始めてしまうからです。


1. 優秀な上司は、管理が得意

優秀な上司は、

  • 数字を見る

  • 行動を見る

  • 改善点を見つける

  • 目標を上げる

管理能力が高い。

だから組織を良くしようとして、

  • KPIを増やす

  • 目標を上げる

  • 管理を細かくする

しかしここに、
一つの落とし穴があります。


2. 統治がない組織では管理が「圧力」になる

統治とは

位置関係を整えること

でした。

  • 挨拶をする

  • 時間を守る

  • 約束を守る

  • 報告をする

スタンスルールが守られる組織では、

上司の言葉は
指示として届きます。

しかし統治がない組織では、

上司の言葉は
圧力になります。


3. 組織崩壊の始まり

統治が整っていない状態で管理を強めると、
組織は次の順番で崩れていきます。

① 報告が減る

② 問題が隠れる

③ 数字が歪む

④ 上司がさらに管理を強める

⑤ 組織が疲弊する

この循環が始まると、
多くの上司はこう言います。

「最近の若い人は…」

しかし問題は世代ではありません。

構造です。


4. よくある3つの崩壊パターン

パターン①

統治がないのに管理だけ厳しい

結果

  • 反発

  • 隠蔽

  • 指示不履行


パターン②

行動未達を姿勢で叱る

未達の原因は

  • 行動不足

  • 能力不足

  • 戦略不足

なのに、

「やる気が足りない」

と言ってしまう。

すると部下は

思考を止めます。


パターン③

姿勢違反に理由を聞く

遅刻

期限遅れ

報告遅れ

ここで理由を聞くと、
組織はこう学びます。

ルールは交渉できる。

統治は静かに崩れます。


5. 管理が悪いわけではない

ここで誤解してはいけません。

管理は必要です。

むしろ組織にとって
不可欠です。

しかし順序があります。

統治 → 管理

この順序が崩れると、

管理は育成ではなく
圧力装置になります。


6. サイレントリーダーの順序

サイレントリーダーは、

まず統治を整えます。

スタンスルールを徹底する。

位置関係を整える。

そしてその上で、

管理を始める。

未達を叱らない。
未達を設計する。


7. 組織は構造で決まる

人が悪いわけではありません。

能力の問題でもありません。

組織は、

構造で決まります。

統治がない組織では、

誰が上司になっても苦労します。

統治が整った組織では、

普通の上司でも
組織は動きます。


次回予告(第36回)

このシリーズの最後です。

ルールは“冷たい仕組み”ではない

統治とは支配ではありません。

組織を守るための
静かな仕組みです。

サイレントリーダーの思想として、
ここまでの話を回収します。


結び

優秀な上司ほど、
管理を強めようとします。

しかし忘れてはいけないことがあります。

組織を動かすのは、
能力ではありません。

構造です。

統治が整った組織では、
管理は成長の仕組みになります。

統治がない組織では、
管理は圧力になります。

サイレントリーダーは、

怒鳴らない。
だが、順序を間違えない。

それが静かな強さです。

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