サッカー・ワールドカップ(Malicia)
ワールドカップを見ていると、毎回、同じことを思います。
「あの選手、また倒されてる」 「日本、ファウルもらってばっかりじゃないか?」「日本人は小柄だからな…」
ユニフォームを引っ張る。 時間を使う。 審判の死角でこっそり足を踏む。 痛がるフリで流れを止める。
子どもの頃なら、「ずるい!」で終わっていました。 でも大人になって見直すと、そこには、もっと深い話が隠れています。
それは──
学校では、本当に大事なことを教えてくれていなかった
という事実です。
「フェアプレーが大切」は、半分しか本当じゃない。
私たちは小さい頃から、こう教わってきました。
「ルールを守りましょう」 「正直でいましょう」 「人に優しくしましょう」「フェアプレーをしましょう」「ラフプレーをしたらダメ」
どれも、間違っていません。 むしろ、世界が成り立つために絶対に必要な価値観です。しかし、フェアプレーを大切にして皆が守れるのであれば、そもそも反則に対してのルールもペナルティもいらない。
そして、世界最高峰の勝負の舞台を見ていると、それだけでは足りない瞬間があることに全員が気づきます。
延長戦の120分。 ワールドカップ決勝。 PK戦の直前。
その一瞬で、相手はあらゆる手を使ってきます。 ユニフォームをつかむ。 体を入れる。 時間を稼ぐ。 心理戦を仕掛ける。 審判に見えないギリギリの線を、徹底的に研究して攻めてくる。
これはワールドカップで世界最多の優勝を誇るブラジル人が最も得意な
マリーシア(Malicia)で、ポルトガル語で「ずる賢さ」「狡猾さ」を意味する言葉です。
そして、ここが一番大事なところなのですが──
これはサッカーだけの話ではありません。
ビジネス、交渉、投資、受験、恋愛、契約、法律
世の中の勝負ごとは、たいてい「ルールを守るだけの人」ではなく、「ルールを理解して使いこなす人」が勝ち上がっていきます。
学校は、ルールの「守り方」は教えてくれます。 でも、ルールの「使い方」は、誰もほとんど教えてくれないのです。
ここで一人の天才の話をさせてください。
リオネル・メッシ
ペレを超えた歴代最高のサッカー選手。
身長は170cmに届きません。 体も、決して大きくない。
サッカーは、屈強な大男たちが本気でぶつかり合うスポーツです。 普通に考えれば、彼のような選手は真っ先に潰されていくはずでした。
実際、若い頃のメッシは「怪我が多い天才」と言われました。 10代の終わりから20歳すぎまで、太ももの筋肉系の故障を何度も繰り返していたのです。
実際に競技をやっていたからこそ分かりますが、体は大きいに越したことはないです。サッカーは身長や体格的な大きさがある方が有利です。
ところが、20代に入ってからの彼は、まるで別人でした。 ラフプレーを浴び続けながら、靭帯断裂もアキレス腱断裂もなく、20年以上にわたって世界の頂点に立ち続けた。
これは、ちょっと信じられないことです。
なぜ、彼は壊れなかったのか。
答えは、「強かったから」ではありません。
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