さよならシガレット
吾輩は愛煙家である。
違う、、、愛してなんかいない。
ホントだよ。もう嫌いになったから別れてほしい。
、、、嘘。嫌いになんてなれない。
好きだよ。だけど、、、好きだから辛い。
一緒にいると苦しいの!
広辞苑の角で頭をゴツゴツゴツゴツされてるみたいに心が痛くて堪んないのよぉぉぉぉ!
そんな具合で、吾輩はズブズブの喫煙家である。
やめたいんですよね、実際。
良い事ないから。
私と煙草の関係性に明るい未来などないし、それを夢見る事すらできない。
なんだか、絵に描いたような不倫の如しで恥ずかしい。
金はかかるし、身体は蝕まれるし。
最近じゃ、喫煙できる場所を探して時間も食うし。
それでストレスを感じていたら目も当てられないし。
学校ないし、家庭もないし、ヒマじゃないし、カーテンもないし、花を入れる花ビンもないし、嫌じゃないし、カッコつかないし。
頭ではわかっている。
俺たちの関係はもう潮時であると。
終わりにしよう。
今更って笑われるかもしれないけどさ、、、俺、明日から“丁寧な暮らし”ってやつを始めてみるよ。
名前も石田ゆり郎に改名する。
このドブ川みたいな肺と心を洗浄して、本当の豊かさを感じて生きていくんだ。
そう言って、男は咥えた煙草に火を点けた。
煙をくゆらすその横顔は、まるでハーヴェイ・カイテルのよう。
これ、ンマイなあああッ!!
何それ、コワい。
いや、恐ろしいのはMr.カイテルのキャラ崩壊ではない。
気がついたら吸いたくなってしまっている、その事実である。
「依存、カッコ悪い」と、あの頃の前園なら叱ってくれるだろう。
だが、正直なところ『依存』は厄介だ。
勝手に登場させておいて本当に申し訳ないが、前園の一言で勝てるほど甘い相手ではない。
実際、これまでにも禁煙を試みた事はある。
結果は惨敗続き。なんなら、既に負け癖がついてしまっている。
人にはあまり執着しない私が、葉っぱに翻弄されるとは実に面白いではないか。
葉ーっ葉っ葉っ葉っぱ!
すまない、面白くなくて自分でもビックリした。
ヌルっとスベったのは、私が煙草を吸っているせい。
さっき自販機でホットコーヒーを買ったら、ヌルっとした常温コーヒーが出てきたのも煙草のせいに違いない。
三月に痛めた左肘が未だに治らない事も!
風呂に湯を張ったつもりが水だった事も!
高校生の時、オジサンに痴漢された事も!
1994年W杯でバッジョがPK外したのも!
近江屋で坂本龍馬が暗殺されたのも!
余計な一言で傷つけてしまったあの日も!
言葉足らずで不安にさせてしまった翌日も!
いつまでも世界はクソったれで、Imagineが想像の域を出ないままという現実も!!
それもこれも全部。
今、私が煙草を吸っているせいだ。
よくわかった。
もうたくさんだ!
よって、ここに宣言させてほしい。
私はこの記事を投稿した瞬間、煙草をゴミ箱にスラムダンクする。
猫志郎くん。煙草は•••お好きですか?
大嫌いです。今度は嘘じゃないっす。
了
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