社長が教えてくれたこと11:前のめりで学ぶ
※この物語は、半分フィクションです。実在の人物・団体とは一切関係ありません。
新入社員研修も5日目になり、今日から、塾部門に配属になる者と、本社勤務になる者に分かれて研修を受ける。
私は本社勤務の新入社員3名(男性1名、女性2名)の研修講師を担当することになった。
なお、本社ではまず人事で3ヶ月、その後に経理または総務で3ヶ月の研修を行い、最終的な配属が決まる。
来週からの人事部での研修に向けて、人事の業務内容や社会保険制度の基礎について講義を行う。
研修会場には教卓と大型ディスプレイを設置。
「人事部のスタッフでも興味があれば参加してよい」と伝えていたため、新入社員3名のほか、スタッフ7名も参加していた。
時間になり会場に入ると、新入社員たちは一番後ろの列に固まって座っていた。
司会の石田に「なんで新入社員が後ろに座っているの?」と尋ねると、「自分たちで選んだんです。前に座ったら?と声をかけたのですが」と困ったように答えた。
「なるほど」と言って、私は研修を始めた。
スライドを映しながら、人事部の役割や社会保険制度の基礎について説明する。
残り15分。質疑応答に入る前に、私は新入社員たちに話しかけた。
「私は昨年、江川社長と一緒に、あるセミナーに参加しました。
有名な講師が登壇するので、会場に到着した時には、すでにたくさんの方が座っていましたが、前方の席はガラガラでした。
社長は迷わず最前列の中央に座ると、『セミナーや研修に参加するなら、前のめりで学ぶ。前に座るだけで、得られるものがあります』と、教えてくれました。
確かに前に座ると、講師の声がよく聞こえる。表情も見える。そして何より、「学ぶ姿勢」が自然と整うように感じました。
セミナー終了後、講師と名刺交換をする機会があり、江川社長が名刺を出すと、講師から『一番前で聞いてくださっていた方ですよね』と、声をかけられていました。
うなづきながら、熱心に話を聞いている江川社長のことを、講師も壇上から見ていたそうです。
後で社長は「会社の代表として参加している。1つでも多くのことを学び、会社に持ち帰りたい。だから前に座れるなんてラッキーだ」と話してくれました。
『前のめりで学ぶ』を実践する江川社長の姿勢を、私も見習っています」
研修後、私は新入社員たちに声をかけた。
「今後も研修や会議に参加することがあると思います。その時は、前の席に座ってみてください。それだけで、学びの質が変わると思いますよ」
「はい!」と元気よく答える新入社員たち。
彼らがこれからどんな姿勢で学び、働いていくのか。
その小さな選択の積み重ねが、きっと、10年後に大きな違いを生むのだと思う。
続きはこちら▼
いいなと思ったら応援しよう!
褒められて伸びるタイプです。よろしければ応援お願いします!