【浄土真宗の葬儀の「なぜ?」】第2弾 【儀礼の流れ】お通夜・お葬式で「聞法」するということ
臨終からお通夜へ:阿弥陀如来への「お礼参り」
前回公開した第1弾はいかがだったでしょうか?
本日は続編第2弾を現役の住職がお届けしますね。
故人がご臨終を迎えてから、お通夜やお葬式へと進む浄土真宗の儀礼にも、独特の名称や意味がありますよ。
臨終勤行(りんじゅうごんぎょう):一般的に「枕経」と呼ばれる儀式にあたりますが、浄土真宗では、亡くなった方が阿弥陀如来さまの救いによって仏さまになられたことへの**最後のお礼の勤行(ごんぎょう・おつとめ)という意味を持ちます。ご遺族や親族も、このお勤めに参加し、仏さまの教えを聞きましょう。
昔はご自宅でお亡くなりになるのが多かったので、終末期の状態の方の枕もとで家族そろって最後のお勤めをしたと先人から聞いたこともありましたよ。通夜(つや):夜を徹して故人をしのぶ儀式ですが、浄土真宗では故人の霊を慰めるという意味合いはなく、皆で集まって**阿弥陀さまの教えを聞く「聞法(もんぽう)の場」であり、故人の生前の人柄やエピソードなどを親族や友人などとともに夜通し語り合う場でもありましょう。
このとき、「正信偈(しょうしんげ)」などのお勤めを参列者そろって行ったり、仏さまの教えを分かりやすく伝える**法話(ほうわ)が行われます。
葬儀式(そうぎしき):仏さまの教えを聞く大切な場
他の宗派で「告別式」と呼ばれる儀式は、浄土真宗では**「葬儀式」**と呼びます。これは、故人と「永遠に別れを告げる」のではなく、後に浄土で再会できるという教え(倶会一処)があるためです。
葬儀式もまた、阿弥陀さまのご本願に感謝し、教えを深く聞くための勤行が中心となります。特に大切なのは、以下の作法です。
焼香の作法:回数と「おしいただく」
参列者が最も迷う作法の一つが**焼香(しょうこう)**です。浄土真宗では、作法が宗派(派)によって異なりますが、共通している大切なポイントがあります。
額に「おしいただかない」:他の宗派では、香をつまんで額の高さまで持ち上げる作法がありますが、浄土真宗ではこの「おしいただく」という行為はしません。仏さまの教えは、私たちの考えを超えたところにあるため、自分の思いを介さずに、そのまま受け入れるという謙虚な気持ちを表すためとされます。
焼香の回数:
浄土真宗本願寺派(お西) :1回
真宗大谷派(お東) :2回

いずれの宗派でも、抹香(まっこう)をつまんだら、そのまま香炉に静かにくべます。その後、合掌し**「南無阿弥陀仏」**とお念仏を称えます。
儀礼の最後に:出棺と還骨勤行
葬儀式が終わると、故人を火葬場へとお送りする出棺(しゅっかん)に移ります。地域で異なりますが炉前で出棺勤行をお勤めなされます。そして、火葬後にご遺骨をご自宅にお迎える際にも還骨勤行(かんこつごんぎょう)というお勤めがなされます。お勤めの後、白骨の御文章(蓮如上人の御文)と法話を聴聞します。
これらの儀式を通して、私たちは仏さまの教えを聞き、**「私の命にも終わりがある」**という真実に改めて向き合う機会をいただくのですね。

