『母さん、ソロキャンプ行ってくる!』―家族という名の“関所”を超えて―
女性が一人でキャンプに行く。それも母親が、主婦が、家族を抱えながら――。
そんな日常の“突破口”を見つけるために動いた私の体験記です。
キャンプとの出会い、そしてソロへ
私がキャンプを始めたきっかけは――
そう、「ヒロシのぼっちキャンプ」。
最初からキャンプがしたかったわけではない。
でも、毎週見ていたら“焚火”がしたくなってしまった。
あの炎の揺らめきを見ていると、なんだか原始的な安らぎを感じたり、癒されるような気持ちになる。
ほんとに、焚き火がしたい!
そこで買ってみたのが、中華ブランドの小型ウッドストーブ。
決め手は、「2000円からおつりが出る価格」と、「二次燃焼でほとんど煙が出ない」という触れ込み。
届いたその日、さっそく庭で小枝に火をつけてみた。
……煙、出るじゃないか!
確かに、炎が安定してくると煙は少なくなる。
でも、着火直後はしっかり煙い。これじゃ近所迷惑になるし、最悪通報されるかもしれない。
もし赤色灯をつけた真っ赤な車が家の前に止まったりしたら
―― 私は一躍、有名人である。
「ならば、キャンプをしようではないか!」
そうして、私は焚火をしにキャンプ場へ行くことを決意した。
やるなら徹底的にやりたい性格の私。
若かりし頃、自分で買ったヴィトンのバッグを売った。買取価格、4万円。
それを元手に、小さなテントとテーブルと椅子を揃えた。
初めてのデイキャンプ。テントを張って、例のウッドストーブで焚火をした。
……つ、つまらない。
何が?
そう、炎は「夜」愛でるものだった。
「そうだ!!本格的にキャンプを始めよう!!」
「家族という名の関所」をどう越えるか
【登場人物紹介】
キャンプに行くためには、まず彼らという“関所”をクリアせねばならぬ。
──我が家の愛すべきメンバーたち:
夫:自営業。自由そうで実は休みが取りづらく、連休はほとんど無い。忙しさや体調で、ときに“無言の関所”に。お酒を飲むと突破口が開く。毎日お弁当必要。
長女:ひとり暮らし中。基本ノータッチだが、帰省すると急に“関所”に加わる。
次女:基本は土日祝休み。でも時々、謎の当番で突然「送って」コール。毎日お弁当ほしい。
三女:高校生。雨の日は送迎必須。もちろん毎日お弁当…無いと困る。
母:80代。通院サポート必須。季節の変わり目は特に要注意。
私:妻で母でキャンパー。自由に行きたいが、自由ではない。

🔥 キャンプに行きたいと言う前にすること三箇条
其の一: 2週間天気予報を網羅すべし
→ 雨キャンプも覚悟の上。でも、雨なら送迎必須=出発不能。天気とにらめっこする日々の始まり。
其の二: 家族全員の予定を把握すべし(母の通院も忘れるな)
→ 弁当要員は誰か? 学校行事は? 病院の付き添いは?「行く」ということは、「家を空ける」こと。つまり、全員の予定を背負うということ。
其の三: 夫の機嫌のバイオリズムを読むべし
→ 「行ってきたら?」が自然に出る日と、地雷になる日がある。観察力・気配り・そしてタイミング…すべてが鍵。
🚗 出発前日──準備だけで、もうひと山
前日にもなると、気持ちはほぼ現地にいるのに、現実は「まだ出られない」地味なミッションの連続。
今日の夕飯、弁当3人分、私のキャンプ飯と家族の作り置き飯を作るための材料を買いに走り、台所に強制合宿。
万が一雨だった場合に備え三女に交通費の仮払い。
翌日の昼食代を全員に支給。
夜のうちにすべて洗濯機に放り込んだのに、まさかの洗濯物増殖。
出発の高揚感と、名もなき家事の波状攻撃。まだ、家を出ていないのに、すでに疲れている自分がいる。
それでも、準備する手は止まらない。なぜなら──「キャンプに行く」と決めたから。
22時、ようやく静かになった台所で、
心はもう山の上。
でも、身体はシンク前でまだ玉ねぎを刻んでいる。
明日の朝、ほんとうに出発できるのか──
いや、出発するのだ。
弁当という最後の関所を通り抜けて。
がんばれ、わたし!

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📌第2話
母さん、朝のルーティンをこなして無事に(?)出発!
ちょっとうっかり、ちょっとドタバタ…。
そんな母さんの姿、ぜひ読んで&応援してください🙌
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