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物流ニュースなび【26年6月10日号】10月末の中長期計画提出、あなたの会社は間に合いますか?

みなさん、こんにちは。
今日の東京は朝から雲が多かったものの、午後になって青空が顔を出してきました。4月並みのひんやりした空気の中に、梅雨の晴れ間のありがたさを感じる一日です。

今日取り上げるのは、改正物流効率化法で義務付けられた中長期計画策定の支援を巡る動きです。物流DXベンチャーのHacobuが9日に発表したサービス強化をきっかけに、10月末に迫る提出期限と現場の実態について考えてみます。
■ トピック
 Hacobu、バース管理データを使った中長期計画策定支援機能を追加
(出典:Hacobuプレスリリース、2026年6月9日)

AIで計画案を自動生成
Hacobuは6月9日、同社のトラック予約受付サービス「MOVO Berth(ムーボ・バース)」に付帯する「データ分析エージェント for MOVO Berth」において、中長期計画策定支援機能の提供を開始したと発表しました。MOVO Berthに蓄積された荷待ち時間、荷役時間、入退場データをもとに、AIがチャット形式で課題分析や施策立案を支援し、施策、目標、達成時期を含む計画案を自動生成するというものです。担当者がその内容を確認、調整しながら計画書のベースとして使うことを想定しています。

このサービスが成り立つのは、MOVO Berthの導入先ではすでに実運用データが蓄積されているからです。計画書の素材となるデータがある企業にとっては、新機能は有効な入口になりうるでしょう。

改正物流効率化法の中長期計画とは・・・
改正物流効率化法は26年4月に本格施行されました。この改正法では、新たなルールとして、年間取扱貨物重量が9万トン以上の「特定荷主」に、物流効率化に向けた中長期計画の策定・提出を法的義務として課しています。提出期限は26年10月末に設定されています。

計画に盛り込むべき内容は、荷待ち・荷役時間の短縮と積載効率の向上が中心的な柱です。「現状〇〇分を3年以内に〇〇分に短縮する」といった数値目標と、そこに至る具体的な施策や実施時期を記載することが求められます。共同輸配送や輸送モードの転換なども計画に含めることができ、計画期間はおおむね5年程度を想定しています。国土交通省、経済産業省、農林水産省の共同所管のもとで、計画の実効性も問われる仕組みです。

「自社が特定荷主に該当するかどうかもわからない」
提出期限が迫る中、取材を通じて見えてくる現場の実態は、楽観を許しません。まず、自社が特定荷主に該当するかどうかを正確に把握できていない企業が少なくありません。複数拠点を持つ中堅荷主では拠点ごとの集計方法がばらばらで、「おそらく該当するとは思うが、確信が持てない」という担当者の声を複数聞いています。計画の中身を考える前に、自分が対象かどうかの確認から始めなければならないというのが、現場の実態です。

共同輸配送やモーダルシフトから入ろうとする動き
計画の策定に頭を悩ませているCLO(物流統括管理者)や物流実務担当者も多いようです。こうした状況下で、共同輸配送や共同保管(共同物流)、モーダルシフトなどは「計画書に書きやすい」施策として注目されており、複数の荷主がほぼ横並びでこの方向性を検討しているという話を取材でもよく耳にします。

ただ、計画書への記載と実行は別の問題です。共同輸配送であれば相手先の選定と運用調整に時間がかかり、モーダルシフトには輸送ロットや納期条件の見直しが伴います。「計画には書いた、でも実行は未定」という状態が10月末以降に広がることを、私は少し懸念しています。

データがなければ、計画は書けない
Hacobuの今回の新機能が照らし出しているのは、裏を返せばデータのない企業の問題です。まだアナログで荷待ち管理をしている荷主や、拠点ごとに記録がばらばらな企業には、蓄積データを前提としたAI支援がそもそも使えません。

改正物流効率化法の中長期計画は、書類上の義務履行を求めているのではありません。自社の物流・ロジスティクスの現状を正確に把握し、改善の道筋を立てることが本来の目的のはずです。荷待ち・荷役時間のデータを取得できているか。拠点や車両ごとの積載率を把握できているか。輸送ルート別のコスト構造を分解できているか。これらの問いに答えられる状態を作ることが、計画策定の前提条件です。DXやAI活用を「見える化」の手段として真剣に考えるべき局面を迎えていると言えるでしょう。

支援ソリューションは増えるが、時間は残っていない
中長期計画の立案支援、CLOの業務効率化、物流データの可視化・分析、といった領域に対応したソリューションは、今後さまざまなベンダーから次々と登場してくると目されています。物流DXの文脈で長年語られてきたテーマが、法制度という外圧を受けて一気に製品化・サービス化される流れは、より加速していくでしょう。

もっとも、ツールが増えることと、自社の準備が整うことは別の話です。「計画書を作る前に、まず自社の物流実態の棚卸しから」なのですが、そこに思いのほか時間がかかることを、多くの担当者はまだ実感していないかもしれません。10月末は、あっという間にやってきます。そろそろ提出に向けた準備に本腰を入れなければなりません。

今日はここまでとなります。次回もよろしくお願いします。

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