交渉力・要件定義力が武器に、クラウド人材バンクで広がるキャリアと成長
採用支援サービス“ツクチム”を運営する株式会社C(以下、C社)に本記事をインタビューしていただきました。
以下はインタビュー記事です。
クラウド人材バンクは「人材の流動化によって、日本の競争力を強化する」を企業理念に掲げ2021年に設立されました。
同社は、フリーランスのデジタル人材と企業のDX案件をマッチングするプラットフォーム「デジタル人材バンク」を運営しています。
今回のインタビューでは、「マッチングのプロ」として企業のDX推進の最前線で活躍するプロジェクト・コーディネーター(以下、PC職)について、金居代表に語っていただきました。やりがいや困難な場面、どのような方に向いているかなど、幅広い観点でお伝えします。

金居 宗久| 代表取締役
千葉県出身。早稲田大学人間科学部卒業後、朝日アーサーアンダーセン株式会社(現PwCコンサルティング合同会社)に入社。大規模システム開発や戦略案件に計4年間参画。その後、教育系ベンチャー勤務や連続起業を経験。2021年に株式会社クラウド人材バンクを設立。フリーランスのデジタル人材と企業を繋ぐマッチングプラットフォームを開発・運営。人材の流動化を通じて、日本の競争力強化に挑戦中。
マッチングを超えた価値提供、企業と登録者の成功を支える仕事
ー まずはじめに、PC職について教えてください。
金居:プロジェクト・コーディネーターは、当社のマッチング事業の中核を担うポジションです。一言でいうならば、フリーランスの登録者と企業をつなぐ“マッチングのプロ”であり、その後も伴走する“支援者”でもあります。人材紹介会社におけるRA(リクルーティング・アドバイザー)とCA(キャリア・アドバイザー)の両方を担当する役割に近いです。
しかし、我々のビジネスは正社員雇用ではなくフリーランスの業務委託なので、マッチングして終了ではありません。フリーランスの登録者が案件に参画して、パフォーマンスをしっかり出し続けられるように、契約中はずっと伴走します。その理由は、当社とクライアントが業務委託契約を締結し、その再委託としてフリーランスの登録者に参画いただいているスキームだからです。よって、当社は代理人であるエージェントでも、仲介会社でもありません。
当社はクライアントに価値を届ける責任があり、万が一の場合は損害賠償責任を問われる立場にもあります。だからこそ、私たちは伴走者として、「どうしたらその登録者がより活躍できるか」、「どうしたらクライアントへの成果を最大化できるか」を常に考え、プロジェクトが円滑に進むように支援し続けているのです。
ー 伴走者としての責任感が強く伝わってきます。PC職は、日々どのような業務に取り組んでいますか?
金居:まずは、フリーランスの登録者の皆様とオンライン面談をして、スキルやケイパビリティ・キャリア志向・人柄といった側面を深くインタビューします。一方で企業からは、求める人物像やプロジェクト状況、チーム体制をヒアリングして、人材要件を定義します。
そして、登録者/企業の双方のニーズや条件がより合致するように交渉/調整し、案件参画へと繋げていくことが主要ミッションのひとつです。
さらに、PC職は登録者/企業のマッチングのみならず、クライアント企業のプロジェクトの成功まで視野に入れてサポートします。
フリーランスの参画者が参画した1ヶ月間は、特に厚めにフォローして、参画者がしっかり立ち上がれるように支援します。
2か月目以降は、参画者/クライアントと定期的にコンタクトを取りながら、プロジェクト状況を確認します。
プロジェクト参画期間としては、平均1年以上であり、長いケースですと3年以上を超える方もいます。このように、当社からの参画者がクライアントに価値を提供できているかを継続的に伴走するまでがPC職の役割です。中長期的な信頼構築と伴走が求められる、まさに“クラウド人材バンクらしい”仕事だと思います。

ー 継続的な支援で強く意識していることはありますか?
金居:当社からの参画者とクライアントのプロジェクトメンバー間の関係性において、成果のみならず、コミュニケーションがしっかり取れているか、相性や働き方はマッチしているかなど、両者との綿密なコミュニケーションを通して細心の注意を払っています。参画者が仕事に集中できるような環境を整え、クライアントの期待以上の成果を届ける。このような状態を実現するために、PC職が継続的にサポートしていきます。
ー 具体的に、どのような案件が多いのでしょうか?
金居:やはりDX案件が大半です。単純なシステム導入やデジタル化ではなく、AIを始めとしたテクノロジーによって、ビジネスモデルやサービスモデルの変革といったDX案件が増えています。これらの案件は難易度が非常に高く、事業成長の要でもあるので、PC職としてフリーランスの紹介を超えた、日本企業のDXの最前線に携われるエキサイティングな仕事だと思います。
取引先企業も誰もが知るグローバルの事業会社から外資系コンサルティングファーム、東証プライム企業といった大企業が8割以上ですが、AI系スタートアップなどもいます。
一気通貫の責任感と、高度な交渉力が求められる現場
ー PC職として働くやりがいを教えてください。
金居:最大のやりがいは、フリーランスと企業とのマッチングから参画終了まで一気通貫で携われることです。
正社員の人材紹介業では、RA/CAの分業体制であったり、マッチングして成約までが仕事となります。
しかし、当社が展開するフリーランスのDX人材のマッチング事業では、マッチングからプロジェクト参画後の活躍まで、全工程を担当します。参画した登録者のパフォーマンスや成果までを最後まで支援します。フリーランスの参画者が期待以上に活躍している時の喜びはもちろん、期待通りの成果が出ていない場合には、どのようにサポートして改善していくかという課題解決にも取り組みます。人材マッチングを超えた、人材と企業双方の成功に責任を持って関わることができる。これは非常に大きなやりがいだと感じています。
さらに、経験を積んでいくと、企業のDX体制構築について、CIOや執行役員、DX推進部長に助言する機会もあります。例えば、「ある領域のDX体制を構築する際、外部コンサル会社やSIerではなく、フリーランスのプロ人材を活用して、全体のROIを最適化してはどうか。」といった助言もします。フリーランスのマッチングに限らず、企業のDX推進における戦略的パートナーとして価値を提供できるといったやりがいもあります。
ー 困難に感じる場面についても教えていただけますか?
金居:登録者と企業とのマッチングにおいて、契約直前のクロージングです。当社の登録者はハイスキル層のデジタル人材に特化しており、いわゆる市場価値の高い、売れっ子の方ばかりです。よって、様々なプラットフォームや企業からオファーを受けており、当社以外にも魅力的なオファーを複数持っています。そのような中で、当社案件を選んでいただくための調整/交渉が極めて重要です。
経済条件といった短期的な観点ではなく、登録者と案件との相性や希望する働き方、また、今後のキャリア形成などの中長期的な観点からもご提案します。1日過ぎると他決してしまうケースもあるので、スピード感を持ちながら、相手の立場に立って考えることが肝要です。
ー 困難さを乗り越えるために、会社としてどのようなサポート体制を整えていますか?
金居:入社後の数ヶ月は、代表の私が二人三脚でOJTを行います。特に成約直前の交渉場面では、私が隣にいて、実際の調整/交渉を体感してもらいます。個人差はありますが、3~4ヶ月ほど伴走することもありますね。交渉タイミングや相手の反応の読み方、条件交渉の方法などは実際の案件を通じて学んでもらうしかありません。なぜなら、すべての調整/交渉はナマモノで、個別性が高いためです。
「この登録者はこういう傾向があるので、このタイミングでこの条件を提示した方がよい」、「クライアントのこの発言は、実はこういう意味合いがある」といった、経験に基づく判断力や交渉力も伝授していくのです。
また、日々の営業会議では、案件の進捗状況や課題について、チーム全体で情報を共有します。個人が抱える難しい案件について、他のメンバーからアドバイスをもらったり、過去の類似事例を参考にすることで、チームとして、より良い解決策を見つけることができます。
そして、月次では必ず締め会や1on1の振り返りを通じて、営業支援チームメンバーにも参加してもらい、多角的な視点から改善点を見つけていきます。一人で悩むのではなく、チーム全体でサポートしながら成長していけるような体制を整えているのが特徴です。
そのために、会社としての5つの行動指針である「チームワークを大切にする」を掲げています。

営業力+交渉力+要件定義力、PC職に向いている人材像
ー PC職の成果指標として「月間稼働人数10名」という目標があるとお聞きしました。この数字の意味を教えてください。
金居:月に10名の登録者がプロジェクトに参画している状態、つまり登録者10名が契約中であることが、PC職における“一人前”の基準です。常に10名を稼働させる状況を維持するということです。例えば、現時点で10名の登録者が稼働しているが2人の契約終了が今月決まっているならば、翌月は8人の稼働人数となります。そのため、マイナス2名を確保するために、2名以上の新規契約を目指します。
また、契約期間は平均1年以上なので、安定的な収益基盤を構築しながら、同時に新規開拓もします。“10名”という数字は、PC職としての営業力やサポート力も問われます。新規契約だけを追うのではなく、参画者がクライアントに成果を安定して提供し続ける環境を構築します。
ー PC職で活躍している方々には、どのような共通点がありますか?
金居:“交渉力に長けている人”が活躍しています。もちろん営業としての基本的なスキルは前提ですが、特に重要なのは“交渉力”です。言い換えれば、企業/登録者の要望や制約条件を踏まえ、双方が納得する"最適な着地点を見つける"力です。
例えば、登録者側は「フルリモート・月額200万円以上」といった希望を提示します。一方で企業側は「週2日出社・月180万円以内」という制約があったとします。このような条件のギャップに対して、相互が納得して妥結する条件を導き出します。この例で言えば、「週1日出社・月額190万円」を条件としたり、初回契約時には企業側の希望に応じながら、契約更新時には登録者側の希望を交渉するといったことがあります。
ー 他にも重要なスキルはありますか。
金居:“要件定義力”も非常に重要です。そもそもクライアントが求めている人材像を具体的に言語化しなければ、最適なマッチングはできません。クライアントの「こんな人が欲しい」という人材要件を正確に定義する能力が必要です。
例えば、ある企業担当が「優秀な人が欲しい」と言っても、担当者の数だけ「優秀」の定義も存在します。新規事業開発を例とした場合、アジャイルのようにプロトタイプを開発して、PoC(概念実証)を推進する人を優秀とする人もいますし、逆に事業開発の計画策定におけるドキュメントの正確さや緻密さに優秀さを求める企業担当もいます。
ーどのような経験を持つ方がPC職に向いているのでしょうか?
金居:“営業として成果を出してきた経験者”ですね。特に無形商材の営業経験がある人は相性が良いと考えます。有形商材の場合、商品そのものを見てお客様に判断いただく部分が大きいですが、無形商材では相手のニーズを深く理解して提案する力がより求められると考えます。
“目に見えないものの価値を伝える”という経験が、PC職の業務と非常に近いんです。さらに求める経験は、同業他社とのコンペにおいて、自社サービスの強みや特徴を自分の頭で考えて訴求しながら契約をいただいた方ですね。
ー 入社前における、ITやDXの技術的な理解はどのくらい必要でしょうか?
金居:当社の案件の大半は、 IT/DX領域のプロジェクトですが、PC職に高度な技術的理解が事前に必要かというと、そこまでではないと考えます。ITやDXの知識をキャッチアップできる学習能力があれば大丈夫です。
ウォーターフォール/アジャイル開発の工程や、各種言語/フレームワークの概念、生成AIやブロックチェーンといった分野について、独学だけでは大変なので、オンボーディング時に要点を伝えがら学んでいただければ十分です。
重要なのは技術の専門性よりも、技術的な概念を理解して、それらを踏まえてクライアントと登録者の双方のニーズを的確に把握する能力です。
また、技術トレンドの変化についても、知識として日々キャッチアップし続けるスタンスが重要です。
PC職から広がる未来と、ベンチャー環境で身につく起業スキル
ー PC職として入社された方は、将来的にどのようなキャリアパスを歩むことができるのでしょうか?
金居:キャリアパスは大きく2つあると考えています。
1つ目は、PC職からマネージャーや部長、役員といった管理職/経営層に上がっていくケースです。マネジメントの管掌範囲を段階的に広げていき、組織全体を統括する役割を目指していくキャリアです。
そして、2つ目は、PC職の経験を活かして、経営管理領域のマネジメント層に進むキャリアです。PC職で培った事業理解や顧客との関係性を活かしながら、会社の基盤を支える経営管理業務を管掌します。具体的には人事総務や法務、財務/経理、マーケティングといったバックオフィスです。
この2つのどちらを選ぶかは個人の適性やキャリア志向にもよりますが、PC職で身につけた顧客との関係構築力や、事業全体を徹底管理するKPIマネジメント力は、どちらに進んでも活かせます。重要なのは、PC職は、その後のキャリア形成において中核となる経験だということです。
ー 現在のPC職のチーム体制について教えてください。また、今後の採用や事業拡大に向けた展望があればお聞かせください。
金居:現在、PCを含めた営業組織は6名で構成されています。6名の中には、PC職以外に、営業支援チームがいます。
私たちは「2030年までに、フリーランスのハイスキル層のDX人材領域のNo.1プラットフォーム」を目指しています。市場としてはDX人材の需要が年々高まっており、私たちのようなフリーランスのマッチングビジネスは追い風です。
また、日本のDX投資は年平均成長率20~30%に比べて、日本の経済成長率は1%にも満たない状況です。この差がリニアになっていくためには、DX投資のROIを精査する必要があります。外部コンサルやSIerに丸投げしている企業はDX投資のROIをさらに改善して、企業の事業成長に直結させる必要があります。そのような発注者側のリテラシーを当社のプロフェッショナルなDX人材がサポートする機会も増えています。
現在、「デジタル人材バンク」の登録者は3,700人ですが、これからは5,000人、1万人を目指します。そのために、今後は事業拡大とともにこのチームを拡張していく予定です。

ー どのような方がクラウド人材バンクに向いていると思いますか?
金居:フリーランスのデジタル人材の流動化を通して、日本の競争力強化肉貢献したいといった理念に共鳴する方が大前提です。
その上で、まずは営業スキルを磨きたい方に向いています。ハイスキルなフリーのデジタル人材と、大企業のDX組織の間で高い交渉力や要件定義力を磨くことができます。
次に、スタートアップや起業に興味がある方にも推奨します。経営陣は連続起業家やIPO経験者で構成されているので、事業をどうやって仕組み化して、KPIマネジメントで日々の業務に落とし込み、スケーラビリティを追求していくかという観点を、実際の事業運営を通じて学ぶことができます。
また、SES業界出身者にとっても魅力的だと思います。
SES業界の出身者は下流の開発工程で培った知見を、DX戦略や構想策定といった上流工程の案件に活用する機会が増えます。
また、HR領域の人材紹介事業に関わる方にも向いています。採用といった入口のプロセスのみならず、プロジェクト参画後のサポートまで幅広く対応できます。また、フリーランスの登録者と企業側とのCA/RA業務を双方体験できます。
ー 最後に、PC職への応募を検討されている方へのメッセージをお願いします。
金居:PC職は人材マッチングの枠を超えて、日本企業のDX推進の最前線で価値創造に携わることができる、非常にやりがいのある職種です。世界や日本を代表する企業のCIOや部長といったマネジメント層との対話から、優秀なフリーランス人材のキャリア支援まで、幅広い領域で自分のスキルやケイパビリティを研鑽できます。
また、スタートアップ企業の経営に興味があったり、より大きな裁量を持って圧倒的に成長したい方は絶好の機会だと思います。
さらに、PC職で培うスキルは汎用性が高く、将来どのような道に進むにしても大きな価値になります。要件定義力、交渉力、事業全体を俯瞰する視点、そして継続的な関係構築力は、どの業界でも求められる普遍的なスキルです。こうしたスキルセットを持つことで、将来どのような環境に身を置いても活躍できる人材になれるはずです。
私たちは「2030年までに、フリーランスのハイスキル層のDX人材領域で登録者数No.1のプラットフォーム」という目標を掲げ、一緒に事業を作り上げていける仲間を求めています。
ぜひ、私たちと一緒に日本のDXを通じた競争力強化に貢献し、自分自身も大きく成長できる環境で挑戦してみませんか。
人材の流動化によって、日本の競争力を強化する
クラウド人材バンクでは、人材の流動化によって社会の可能性を広げる仲間を募集しています。あなたの想いや経験が社会をつくる原動力になるかもしれません。キャリア相談だけでもOKです。あなたの想いを、ぜひ聞かせてください。
取材:井端裕輝 / 編集・文:木全彩花 / サムネイル制作:Reika
