AIを「使う」から、AIの仕事を「見える化する」へ|個人で作った3つのAI管理システム――Progress Dashboard、ChatGPT知識アーカイブ、ローカルAI処理モニター
生成AIを使い始めた頃は、ChatGPTに質問をして答えをもらうだけでも十分に面白かった。
ところが使い続けているうちに、状況は少しずつ変わってきた。
ChatGPTで企画を考え、Codexでプログラムを書き、AntigravityでWebサイトを作り、OllamaでローカルLLMを動かし、Hermes Agentに常駐処理を任せる。
Webサイトも一つではない。X、YouTube、note、ブログもある。
さらに、ChatGPTとの会話そのものが膨大な知識資産として蓄積していく。
ここまで来ると、問題は「AIで何ができるか」ではなくなってくる。
むしろ、
いま何が動いているのか。
何が終わっているのか。
どこで止まっているのか。
過去に何を話したのか。
ローカルAIはいま何を処理しているのか。
これらが分からなくなることの方が問題になる。
そこで私は、このところ「AIそのもの」だけでなく、AIを管理するための仕組みを作り始めている。
現在形になってきたのが、次の3つだ。
AI|WEB|SNS Progress Dashboard
ChatGPT 知識アーカイブ
ローカルAI処理モニター
一見すると別々のシステムだが、実はこの3つはかなり密接につながっている。
言ってみれば、
「現在を見る画面」
「過去を探す画面」
「裏側で働いているAIを見る画面」
である。

1.AI|WEB|SNS Progress Dashboard――いま何が起きているかを見る司令塔
最初のシステムが、
AI|WEB|SNS Progress Dashboard
だ。

これは、AIの作業だけを見るDashboardではない。
Webサイト、X、YouTube、note、ブログ、プロジェクトの進捗などを、一つの画面から確認するための「司令塔」に近い。
私の場合、AIを使った活動とWeb運営とSNS発信がかなり混ざり合っている。
たとえばChatGPTで記事を書く。
CodexでWebサイトを更新する。
その内容をnoteへ掲載する。
YouTube動画にする。
Xでも告知する。
そのWebサイトが正常に公開されているか確認する。
こうなると、「AI」「Web」「SNS」を別々に管理する方が、むしろ不自然になってくる。
だから最初から、
AI|WEB|SNS
を横断して見る画面にした。
Dashboardでは、Xの各アカウントの更新状況、YouTube、note、ブログ、管理しているWebサイト、プロジェクトの状態などをまとめて確認できる。
重要なのは、細かい数字をたくさん並べることではない。
私が本当に知りたいのは、
「何か止まっていないか」
「更新されていないものはないか」
「いま優先すべきものは何か」
ということだ。
正常なものは静かに表示され、異常や長期間更新されていないものだけが目に入る。
最終的には、そういうDashboardにしたいと思っている。
現在のUIそのものは、かなり良いところまで来ている。
むしろ今の課題は、その上流にある。
X、YouTube、note、Webサイト、AI処理などから情報を取得し、それをJSON化してDashboardまで安定して届ける部分だ。
つまり、
画面を作ることより、正しい情報を継続的に流すことの方が難しい。
これはDashboardを実際に作ってみて分かったことの一つだった。
見栄えの良いDashboardを作るだけならAIで比較的簡単にできる。
しかし、その画面に「本当に現在の状態」を表示させ続けるとなると、データ取得、更新時刻、キャッシュ、失敗時のフォールバック、公開用JSONなど、裏側の仕組みが必要になる。
このあたりは現在も改善中だ。

2.ChatGPT 知識アーカイブ――978件の会話を「外部記憶」に変える
二つ目は、
ChatGPT 知識アーカイブ
である。

ChatGPTを長期間使っていると、とんでもない量の会話が蓄積する。
私の現在の解析対象だけでも、978会話ある。
その中には、
AIエージェントの話、
Webサイト制作、
MacやiPhone、
ローカルLLM、
書籍制作、
SNS、
イベント、
地域プロジェクト、
過去のアイデア、
途中で止まった企画、
すでに完成した仕事など、
かなり多くの情報が眠っている。
問題は、ChatGPTの履歴画面だけでは、それを「知識庫」として再利用するのが難しいことだ。
「あの話、どのチャットだったかな」
ということが増えてくる。
そこでChatGPTのアーカイブを書き出し、ローカルで解析し、Webブラウザから検索できる仕組みを作っている。
現在は978件すべてについて、タイトル、日付、分類などをブラウザから見るところまで進んでいる。
分類も、
7分野 → 21大分類 → 121小分類
という階層まで整理している。
AI、IT、Mac、Web、活動、研究、生活などから辿っていけば、過去の会話を探せる。
タイトル検索もできる。
分類の変更もできる。
その修正結果も共通JSONとして保存できる。
ここまではかなりできている。
ただし、まだ完成ではない。
現在の大きな課題は、
「会話を見つけることはできるが、その場で全文を快適に読むところまで出来ていない」
ことだ。
つまり今は、「図書館の蔵書検索システム」はあるが、「本を開いて読む閲覧室」が弱い。
今後は、
会話をクリックする。
ユーザーの発言とChatGPTの回答が順番に表示される。
Markdownやコードも読める。
長文でも快適にスクロールできる。
本文そのものを全文検索できる。
というところまで作る予定だ。
ここまで完成すると、ChatGPTとの過去の会話が単なる履歴ではなくなる。
自分専用の外部記憶になる。
これはかなり大きい。
人間の場合、何年も前に考えたことを正確には覚えていない。
ところがChatGPTとの会話には、その時点での考え方や迷い、判断、試行錯誤まで残っている。
後から読むと、
「こんなことを考えていたのか」
「このアイデア、今なら実現できる」
「途中で止まっているけど、もう技術的には完成できる」
という発見がある。
AI時代には、新しい情報を作るだけでなく、
自分がすでに持っている情報を再発見する能力
も重要になると思う。

3.ローカルAI処理モニター――見えないAIの仕事を見えるようにする
三つ目が、
ローカルAI処理モニター
である。

ローカルLLMを使い始めると、クラウドAIとはまた違う問題が出てくる。
ChatGPTなら、質問を送れば返事が返ってくる。
しかしローカルAIで数百件、数千件のデータを処理すると、数時間から十数時間動き続けることもある。
そうなると、
「本当に動いているのか」
「何件終わったのか」
「あとどれくらい残っているのか」
「CPUやメモリは大丈夫か」
「Ollamaは落ちていないか」
「エラーが出ていないか」
ということが気になる。
そこで作ったのがローカルAI処理モニターだ。
現在実行中のジョブ、処理件数、進捗率、モデル、CPU、メモリ、SSD使用状況、ログ、稼働中プロセスなどをブラウザで確認できる。
これは派手なAI機能ではない。
しかし実際にローカルLLMを長時間運用するようになると、とても便利だ。
特にMac Studioなどを使って、外出中に何時間も処理させる場合、
「帰ってきたら途中で止まっていた」
というのが一番困る。
進捗とログが見えれば、
正常に動いているのか、
止まっているのか、
処理速度が落ちているのか、
メモリが苦しくなっているのか、
かなり判断しやすくなる。
ローカルAIは、API利用料をほとんど気にせず大量処理できるのが魅力だ。
電気代だけで何百件もの文章を要約・分類できる。
その一方で、クラウドサービスのような立派な管理画面は最初から用意されていない。
ならば、自分で作ればいい。
そういう発想である。
この3つは、実は一つのシステムになっていく
この3つを並べてみると、それぞれの役割が分かりやすい。
AI|WEB|SNS Progress Dashboardは、
「今」を見る。
ChatGPT知識アーカイブは、
「過去」を探す。
ローカルAI処理モニターは、
「裏側で進んでいる仕事」を見る。
これらがつながると、かなり面白い。
ChatGPTとの会話アーカイブをローカルAIが解析する。
その処理状況はローカルAI処理モニターで見る。
解析結果から、現在のプロジェクトや作業状態を抽出する。
その結果がProgress Dashboardへ反映される。
イメージとしてはこうだ。
ChatGPT会話アーカイブ
↓
ChatGPT 知識アーカイブ
↓
ローカルLLMで大量解析
↓
ローカルAI処理モニター
↓
整理・集計
↓
AI|WEB|SNS Progress Dashboard
この先には、AI_HEADQUARTERSというさらに上位の仕組みも考えている。
そこでは、
人間+ChatGPTが司令部。
Codexが実装と統合。
AntigravityがWeb・UI制作。
Ollama+ローカルLLMが大量処理。
Hermes Agentが常駐監視や定期実行。
という役割分担を考えている。
ただし、最初から完全自動化するつもりはない。
むしろ今回の3システムを作っている理由の一つは、
自動化する前に、人間から見えるようにするため
でもある。
AIエージェント時代に必要なのは「管理画面」なのかもしれない
最近は「AIエージェント」という言葉をよく見る。
AIが自動で調査する。
AIがコードを書く。
AIがWebサイトを作る。
AIが文章を書く。
確かに便利だ。
しかしAIが増えれば増えるほど、
誰が何をしているのか分からない
という新しい問題が起きる。
人間の会社でも同じだ。
社員が一人なら、頭の中だけで仕事を管理できる。
十人になれば、進捗表が必要になる。
百人になれば、組織や管理システムが必要になる。
AIも同じなのではないかと思う。
ChatGPT一つだけを使っている間は、管理システムなど必要ない。
しかし、
ChatGPT、
Codex、
Antigravity、
Hermes、
Ollama、
複数のローカルLLM、
複数のWebサイト、
複数のSNS、
複数の自動処理、
という状態になれば、
AIを使うシステムではなく、AIを管理するシステム
が必要になってくる。
今回紹介した3つは、その入り口なのだと思っている。
しかも、かなりの部分をAI自身に作らせられる
面白いのは、こうした管理システムそのものもAIに作らせられることだ。
私はプログラマーとして何年もコードを書いてきたわけではない。
ChatGPTと相談しながら仕様を考える。
Codexに実装してもらう。
AntigravityにUIを作ってもらう。
必要な大量解析はローカルLLMへ渡す。
問題があれば、またChatGPTへ戻す。
この繰り返しで、少しずつ形になっていく。
昔なら、こういうシステムを個人で作ろうとすれば、それなりの開発費が必要だったと思う。
今はMacとAIがあれば、かなりのところまで一人で作れる。
ここが本当に面白い。
AIを大量に使う時代だからこそ、「見える化」が重要になる
生成AIが進化すると、AIができる仕事は増えていく。
そしてAIエージェントが一般化すれば、人間が直接操作しない仕事も増える。
そうなるほど重要になるのが、
現在地を知ること
だと思う。
何が動いている。
何が止まっている。
何が終わった。
何を過去に考えた。
何を次にやる。
この当たり前のことを、ちゃんと人間が確認できるようにする。
AIを信用する、しないという話ではない。
人間が状況を理解できる状態を維持したまま、AIの能力を使う。
そのための仕組みが、
Progress Dashboardであり、
ChatGPT知識アーカイブであり、
ローカルAI処理モニターなのだと思う。
まだどれも完成形ではない。
むしろ運用しながら改善している途中だ。
でも、AIを「便利なチャット」から「自分のために働くチーム」へ変えていくなら、こういう地味な管理システムの方が、意外と重要なのかもしれない。
そして最終的には、
AIが働く。
AIが記録する。
AIが整理する。
人間はDashboardを見て判断する。
そんな形へ少しずつ近づいていくのだと思う。
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