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ストーカー対策”やってはいけない”・5選【ストーカー犯罪の闇②】

こんにちは、元警視庁警部補、治安戦略アナリスト・小比類巻文隆です。

「もしかして、あの人、まだ私のことを……?」

恐怖は、突然襲ってくるわけではありません。
ほんの小さな違和感。連続する偶然。言葉にできない息苦しさ。

前編では、川崎で起きたストーカー殺人事件をもとに、
「民事不介入」という言葉がどれだけ危うい盾になっているかをお伝えしました。

今回は、そこからもう一歩踏み込んで、
被害を深刻化させてしまう“NG行動”に焦点を当てます。
ストーカー被害を防ぎ、命を守るには、
「やってはならないこと」を知っておくことが、実は非常に重要なのです。


〇個人におけるストーカー対策

民事不介入の原則が、必ずしも男女間のトラブルに当てはまるものではないということを前回お伝えしましたが、それでは、本稿のテーマでもありますストーカー被害に対してどのような対策を取るべきなのか、詳しく説明します。

その前に、大原則として申し上げたいことがあります。

それは、ストーカー被害に絶対に遭わないようにすることは不可能だということです。

出会った男女が恋愛関係に発展するということは極めて自然な私たち人間の営みである以上、価値観の違いや互いの人間関係をめぐって意見の対立が起きてしまうこと、これもある意味、自然な人間の営みであると言えます。

ストーカー行為に至る根本原因に、そう言った人間の自然な営みが存在している以上、それは一線を画して区別することではできません。

何が言いたいのかというと、単なる痴話げんかだと当事者や周囲が認識していることでも、収拾がつかないのであれば、周囲の人や警察に相談しても全然かまわないのだ、ということです。

それは恥ずかしいことでもなんでもない、極めて自然なことなのです。
それを踏まえた上で、それでは次に具体的な対策方法の説明に移りましょう。 

まずは、“してはならないこと”5選です。

【1】一人で悩まない

交際相手と上手くいかない。別れたいのに別れられない。また、交際・復縁を執拗に迫られる、そう言ったことが起きたなら、一人で悩まないで、友人や親、職場の同僚、そして警察に相談しましょう。

先ほど挙げた大原則にあるように、恋愛感情のもつれや、誰かに好意を寄せられるといったことは極めて自然なことです。故に、それについて悩んでしまうということも、やはり極めて自然なことであり、それは一人で悶々と悩むべきことではありません。

躊躇しないで誰かに相談してみましょう。

そして、相談を受けた周囲の人も、それが発展して重大事件が起きている前例があるということを忘れず、親身に相談にのってあげて下さい。更に最終的に警察への相談を促してあげて下さい。

【2】夜に、自宅で会わない

別れ話や、交際を迫られるような話をする機会を求められたら、仕事終わりなどの夜間に、そして自分や相手の自宅で会うのはやめましょう。

それが過去の友人であれ誰であれ、また、過去にその人の家に行ったことがあったとしても、過去に自分の家に招き入れたことがあったとしても、あなたに対して理不尽な要求をしてくる人物とは、絶対に夜間に、そして互いの自宅で会ってはいけません。

これは、もし何かあったら、という理由ももちろんありますが、昼間と違って暗くなってしまった夜間帯というのは、人の心理にいろんな影響を与えます。

昼間と違って夜は、私たちにとってプライベートな時間であり、その時間帯に会うということは、相手にとても親近感を抱かせる効果があります。

思い返してみて下さい。少し照明を落とした静かなレストランやバーでデートをしたことはありませんか?そこでデートを楽しむ相手は、少なからず親近感を抱かせる存在だったはずです。

故に、トラブルに発展してしまった相手とは、夜に会うことを避けるべきです。

どうしても会わなければならないのなら、昼間の時間帯で、明るく人の多いファミリーレストランなどを選びましょう。

【3】警察に嘘をつかない

周囲の人や警察に相談するにあたり、嘘をつく人がいます。

例えば自分が浮気をしてしまったとか、単に相手への愛情が薄れてしまったとか、好意を寄せられる原因に覚えがあるとか、どこか自分にも非があるという心理があるために自己防衛の本能が働き、自分を擁護するための嘘を思わずついてしまうのです。結果、被害の状況を過大に説明したり、実際にはなかった被害を作り出してしまったりします。

特に警察に相談する際には、絶対に嘘をついてはいけません。

擬律判断といって、被害者の供述内容に基づき、警察は適応すべき法律や今後の対応、捜査方針などを判断するのですが、嘘をつかれると、それが非常に難しくなります。

なので、たとえあなたが負い目を感じていたとしても、それはあなたに対してストーカー行為をしてもいいという理由には絶対にならないので、恥ずかしがらずに正直に警察に相談しましょう。

また、もしこれを、警察官の方が読んで下さっているとしたら、やはりお伝えしたいのは、たとえ相談者が嘘をついたとしても、そこには前述したような心理が働いていることを良く理解した上で、決してそれを非難するのではく、相談者は間違っていないこと、嘘をつく必要がないことなどを丁寧に説明し、相談者の心を解きほぐすように心がけてあげて下さい。

【4】被害を取り下げない

ストーカー行為に遭ってしまい、警察に被害届を出したなら、その被害届を取り下げてはいけません。

交際からトラブルに発展した被害の場合、過去に二人には蜜月が存在しました。蜜月とは英語の「Honeymoon」つまりハネムーンの訳語で、親密な関係にあった期間のことを指します。

蜜月の記憶があるために、かつてのお相手のことをストーカー扱いしてしまうことに抵抗を感じ、思わず被害を取り下げてしまう人がいます。

その結果何が起こるのかというと、かつてのお相手であり今のストーカーに、「自分のこと許してくれた」「自分を受け入れてくれた」と、あらぬ誤解を生じさせることになってしまうのです。

理不尽なストーカー被害を一度でも受けたら、あなたはその者と別れる覚悟を持たなければなりません。

【5】二度と会わない・連絡しない

一度警察に被害届を出したなら、その後の処理の一切を警察にまかせ、自分で対処してはいけません。

警察に被害届を出した後も、相手のストーカーから執拗に連絡があり、根負けして電話に出たり、LINEを返信してしまったり、終いには直接会ってしまったりする人がいます。

その行為は、先に述べたように、やはり相手のストーカーに対して、「まだ付き合える可能性がある」とか、「自分のことを今も想ってくれているのではないか」などといった誤解を生じさせます。

メールも電話も着信拒否にし、それでも相手のストーカーが何かしらの方法で連絡を取ってくるようであれば、その都度警察に連絡し、対処を任せましょう。

次回は最終章です。
またお会いしましょう!

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