『ホラーが書けない』21.5話 四方山話(5)【Web小説】
第21.5話 心霊写真に写るアヤカシはカメラを意識している?
世の中には「心霊写真」というものがある。
先に言っておくが、本物なのか偽物なのかの真偽については議論しない。ここでは『心霊写真の本物はある』という前提で進めていくぞ。
写真を撮ったときには存在しなかったモノがなぜか写りこんでいる――。どうしてだろうと不思議に思ったことはないか?
零感の俺は心霊写真を撮ったことはないけど、霊感のある友人はたまに不可解な写真を撮るんだ。でも当人は心霊写真ではなく、光の反射とか、手ぶれして偶然こうなったレアな写真と言っている。……俺には心霊写真に見えるから勝手に心霊写真扱いにしてるけどな。
例えばモニュメントの写真。
公園などに設置されている人物の銅像とか彫刻があるだろう? その台座を撮った写真なんだ。
モニュメントなどの台座は、石の表面が磨かれて鏡面になっていたりする。そして台座にはモニュメントの説明などが彫りこんでいることが多い。写真は台座の説明を撮ったものだけど、明らかに変なモノが写りこんでいた。
写真は周囲にだれもいないことを確認して撮影したという。それなのに鏡面になっている台座にはヒトが写りこんでいた。
写りこんだ幽霊と思われるヒトは、白い足袋を履いて立っている。膝から下は鮮明だけど、ほかは透けているのか判別できない。履物が時代に合っていなくて、むかしのヒトのような印象を受けた。
友人がこの写真を見せたときに、奇妙なことを言ったんだ。
「写真のやつが妖なら、妖は自分から写りに来ている気がする」
突拍子もない発言に、なぜそう思うのか理由を聞くと――
「写真の構図を見ると、撮ってる自分から少し離れた所に立っているだろう?
通りすがりの妖ではなく、わざわざ足を止めている。これって意識しているからだよ」
そう言われて、もう一度写真を見てみた。
鏡面となっている台座の左側に写真を撮っている友人が写っている。右側にいる幽霊は、斜め後方から友人のようすを見ているかのような位置に立っていた。
これまで雑誌や動画など、いろんな媒体を通して心霊写真を見たことがある。思い返してみれば、写っている幽霊は静止した状態で、視線をこちらへ向けていた構図が多かった気がする……。
ぞわゎっと鳥肌が立ったと同時に、ふとある考えがよぎった。
俺の友人は、姿の見えないナニカに腕を引っぱられたり背中に乗っかられたりと、妖の類いからなぜか好かれる。あの幽霊がたまたま写ったのではなく、足を止めて見ていたのなら……。
▼ 第22話 へ ▼
▼Web小説『ホラーが書けない』をまとめているマガジン
