第8回 お金よりも人を残す
【プロパン産業新聞 2020年7月28日】-石田三成と島左近
「三成に 過ぎたるものが二つあり 島の左近と 佐和山の城」
筒井家の侍大将として当時から猛将として名を馳せていた島左近勝猛。筒井家を辞去し隠棲していた彼に、石田三成は所領の半分にあたる1万8千石を与えると申し出た。
その熱意にほだされ、ついに家臣となった左近、関ヶ原の前哨戦となる杭瀬川の戦いでは、5百の兵を持って大勝利を得、西軍の士気を大いに揚げた。
そして本戦ではさんざんに暴れ回り、鬼気迫る戦いぶりで東軍先鋒・黒田勢を恐怖のどん底に陥れた。
「誠に身の毛も立ちて汗の出るなり」と『常山起談』に残っているように、黒田の武士たちは島左近の壮絶な戦いぶりが頭から離れず、数年にわたり夢に出て悩まされたと言われている。
自分を高く買ってくれた主のため、負け戦の中で壮絶な討ち死にを遂げた猛将。彼にとってそれは本望の死と言ってよかったのかもしれない。
社長の本名(ほんな)が「お金よりも人を残したい」と常々、言っている。お金は無くなるが人は無くならない、創業のDNAを次の世代にも繋げていく。
本名自身の哲学もあるが、大企業のサラリーマン経営者と創業者との最大の違いの一つに、この「人」への、「社員」への想いがあると思っている。
自分が創り上げたものを、共に苦難を乗り越えてきた同志に、手塩に掛けて育ててきた社員に託したい、つなげたい、その想いは雇われたサラリーマンでは持つことは難しい。
三成は左近を欲した。石田家に足りない「武」を補うために、所領の半分までを割いて彼を招いた。
高額な給料を払えと言っているのではない。高い能力のある社員は正当に高く評価し、より豊かな「経験」という場を与える。認められたと感じる社員は、自分を認めてくれた者のために尽くし、社内外で獅子奮迅の活躍を見せ、社を更に大きくしていくことだろう。
オーナーの皆様、どうか高い能力を持つ社員は正当に評価し、育てていって欲しいと思います。
上にお世辞を言う社員ではなく、本気で意見をぶつける社員を。中ばかり見ている社員ではなく、外でたくさん褒められる社員を。そして仲間を大切にする社員を。会社を良くするのはお金ではなく人なのだから-。
イーレックスの創業者、本名均(ひとし)氏。「よかったらウチに来ないか」と誘って頂いた。この人からも多くを学んだが、やはり企業は「人」なんだなとつくつぐ思う。三成も左近に何度も頭を下げ、左近も心意気に打たれて三成を支えた。こういう人間関係でありたいですね。
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