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【第3回】ゴールは揃っていたのに、途中ですり替わった— 静かに崩れる方針変更の正体

【第3回】シリーズ「静かに失敗するプロジェクトの原因ログ」

はじめに:第3回の位置づけ

第1回では、
ゴールを言語化・具体化しないまま始めてしまう失敗を扱いました。

第2回では、
ゴールは共有している「つもり」でも、
人によって意味が違っていたケースを見ました。

今回は、さらに厄介な失敗です。

最初は、確かにゴールは揃っていた。
誰も異論はなかった。
それなのに――
気づかないうちに、別のゴールにすり替わっていた。

このタイプの失敗は、
途中まで「順調」に見えるため、発見が遅れます。

よくある現象:いつの間にか「別の目的」で動いている

プロジェクト中盤、
こんな変化が起きていなかったでしょうか。

・当初より資料の完成度ばかりが評価される
・「本来の目的」が会話に出てこなくなる
・進捗報告が作業量中心になる
・判断理由が「前回こう言われたから」になる

誰も「ゴールを変えよう」とは言っていない。
それでも実態は、
進めること自体が目的化しています。

なぜ起きるのか:ゴールが「管理指標」に負ける

このズレが起きる最大の理由は、
ゴールよりも分かりやすいものが前に出てくるからです。

例えば、
・スケジュール
・進捗率
・レビュー回数
・資料の体裁
・指摘対応件数

これらは本来、
ゴールに向かうための手段です。

しかし忙しくなると、
人は「測りやすいもの=正解」と錯覚します。

結果として、
「ゴールに近づいているか」ではなく、
「予定通り消化しているか」が判断軸になります。

放置するとどう壊れるか

ゴールのすり替わりを放置すると、
プロジェクトは次の形で壊れていきます。

・誰も全体価値を語らなくなる
・判断が前例や空気に依存する
・本来不要な作業が増える
・後半で「やってきたことが違った」と気づく
・修正できないタイミングで立ち止まる

最も厄介なのは、
誰も間違っていないように見えることです。

最低限、どう防げたか

必要なのは、
大きな方針転換ではありません。

最低限、次のことを定期的にやるだけで防げました。

・ゴール文を定期的に読み返す
・今の判断がゴールにどう効くかを言語化する
・「それは目的か、手段か?」を問い直す
・進捗報告に価値への影響を1行入れる

特に有効なのは、
「この作業は、ゴールにどう貢献していますか?」
という問いです。

PM・リーダーへの一言

ゴールは、
決めた瞬間より、維持する方が難しい。

忙しくなるほど、
人は管理できるものに引っ張られます。

だからこそ、
意識的にゴールを言葉に戻してください。

ゴールを見失うプロジェクトは、
静かに、しかし確実に失敗へ向かいます。

次回予告(第4回)

次回は、
ゴールも方針も正しかったのに、
「決める人」が曖昧だったために迷走したケースを扱います。

誰が、どこで、何を決めるのか。
それを決めていなかった代償を整理します。


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