「俺は魔物が好きだ」─魔物オタクのリーダーが導く冒険譚(1/2) | ダンジョン飯
ファンタジー物語の主役が、まさかのオタク、というアニメに出会った。
『ダンジョン飯』である。
ファンタジーの世界にあまり明るくない私が言っても説得力に欠けるが(今日この日にいたるまで、ほぼ『葬送のフリーレン』と『ダンジョン飯』しか見たことがない)、これはかなり珍しいのではないだろうか。
見始めてすぐに興味を持ち、楽しく3周もしてしまった。
『ダンジョン飯』は、冒険者パーティが出会う魔物たちを倒し、倒した魔物たちを食べながらダンジョン攻略をしていく物語だ。
剣と魔法で魔物を倒す、という王道ファンタジーの構造はそのままだが、特徴的なのは、その魔物を食べ、文字通り「自分たちの一部」として取り込みながら旅を進めていく点だ。
パーティーメンバーは魔物に対し、「食べても安全か」「何を栄養源にしているのか」「なぜこんな性質なのか」と問いながら冒険を進め、魔物やダンジョン全体を生態系として解釈していく。
そしてこの冒険者パーティーのリーダーが、主人公のライオスaka 魔物オタク、なのである。
魔物に対する強い憧れ、執着や興味があり、その生態に異常に詳しいのだ。
ライオスの愛でるべきオタクっぷりについて語りたいのだが、その前に冒険者パーティーのメンバー構成を簡単に説明しておこう。
⚫︎冒険者パーティー(4名)
・ライオス(トールマン):パーティーのリーダー。前衛で剣を扱う戦士。
・マルシル(エルフ):後衛の魔法使い。攻撃・補助魔法を担う。
・チルチャック(ハーフフット):罠解除や鍵開けを担当する探索役。
・センシ(ドワーフ):S1E1の途中から参加。前衛の戦士であり、料理担当。
物語は、ライオスの妹がダンジョン内でレッドドラゴンに食べられてしまうシーンから始まる。
それ単体でもなかなか重いテーマのはずだが、どこかコミカルな調子で、ストーリーは軽快に進んでいく。
レッドドラゴンの体内から妹を助け出すべく、ライオスたちはダンジョンに戻る。
その際、予算も食料もないため、ダンジョン内で魔物を狩り、食べながら進んでいくことになるのだ。
この旅路の序盤で、ライオスは年季の入った『迷宮グルメガイド』なる本をパーティーメンバーに披露する。
そして、その本をかなり読み込み、迷宮内の食物連鎖に精通していることが露呈する。
ライオスは、ドン引きするメンバーたちに向かって、打ち明ける。
ずっと黙っていたが、俺は魔物が好きだ。
姿や鳴き声、どんな生態をしているのか。
そのうち味も知りたくなった。
この後も繰り返し、ライオスは自分が好きな魔物について唐突に語り出したり、魔物をつぶさに観察して喜んだり、1人でブツブツ言いながら考え込んだり、というシーンが出てくる。
見事なオタクっぷりである。
ライオスは、戦士だ。
彼が魔物の特徴や生態をよく把握していることは、戦う際に(もちろん食べる際にも)役立つ場面が多い。
一方でライオスは、初見の魔物と出会うと「かっこいい」と目を奪われて初動が遅れたり、好奇心に勝てず生で魔物を食べてひどい食中毒になったりすることもある。
彼のオタク性は彼の最強の武器であると同時に、最大の弱点にもなっている。
この描かれ方が非常に面白いので、次回また、具体例を挙げて書いていきたいと思う。
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