「わしはずっと、死者との約束を守っている」|葬送のフリーレン
アニメ『葬送のフリーレン』では、
歴史を学ぶことの重要性について
さまざまな場面で言及されている。
フリーレンたち魔法使いは戦いの歴史から学び、
魔族の魔法を解析・習得し、勉強と修練を積むことで、
魔族という「力による支配」に対抗してきた。
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一方で、「歴史を未来につないでいく」ことの大切さについては
異なるアプローチで描かれているように思う。
これをよく表しているのが
「記憶を未来に連れて行く」という言葉だ。
S1E16『長寿友達』の中で、象徴的に繰り返される。
とある小さな村でフリーレン一行は
彼女の古くからの友人である、老戦士・フォル爺に再会する。
フォル爺との最初の出会いは、
何十年も前に、フリーレンがヒンメルたちと魔王討伐に
向かう旅路の途中だった。
フォル爺はその際、フリーレンがヒンメルたちを
より深く知る機会をもたらした。
当時からフォル爺は、長い間、
その村を魔物や魔族から守り続けていた。
回想シーンでヒンメルは、フォル爺にその理由を聞く。
フォル爺は、ずっと昔に死んでしまった
自分の妻が愛した村を守っているだけだ、と答える。
滑稽な話だろう。
わしはずっと、死者との約束を守っている。
滑稽だ、と自分で話すフォル爺に対し、ヒンメルは笑わない。
まっすぐにフォル爺を見て、こう答える。
そうだね。でもきっとその人は、
あなたが約束を守ってくれていることを、
嬉しく思っているはずだ。
ここで、私は思う。
歴史をつないでいくこととは
死者との約束を守り続けること、
そのものではないだろうか。
そうやって死者の記憶を、
未来につないでいくことなのではないか。
そして回想シーンのヒンメルは、
フリーレンに視線を移しながら、こう続ける。
ぼくたちの記憶は、彼女が未来に連れて行ってくれる。
そうだろう?
この言葉に対しフリーレンは「べつに、いいけど」と
ぶっきらぼうに返答する。
しかしこのエピソードこそが
フリーレンがヒンメルの死後、彼を、そして人間を知ろうとし、
彼らの記憶を、未来につなごうとするきっかけとなった。
フリーレンもまたフォル爺のように、
ヒンメルとの約束を、彼の死後も守り続けるのだ。
死者との約束を守り続けることで
彼らの生きた証や記憶を未来へつなぎ、
それが歴史を作っていく。
ヒンメルを知るきっかけをくれたフォル爺に対して
エピソードの後半で、フリーレンはこう語りかける。
フォル爺の記憶も、
私が未来に連れて行ってあげるからね。
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