私が思う、オンライン日本語教師に向いている人【才能よりも「待てる力」】
「オンライン日本語教師に向いている人」と聞くと、どんな人を思い浮かべますか?
明るい人。
英語が話せる人。
説明が上手な人。
国際的な感覚がある人。
そんなイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。
もちろん、それは間違いではありません。
でも、学習者にはさまざまなタイプがいます。国籍や性別も違えば、年齢もさまざまです。相性もありますし、「どんな先生が良いか」は人それぞれです。
だから私は、オンライン日本語教師に向いているかどうかは、
性格よりも、その人が置かれている状況や仕事への向き合い方のほうが大切だと思っています。
私が思う「向いている人」は、すばり、
・結果が出るまで焦らずに続けられる環境にある人
・自分を信じられる人
です。
先にお伝えすると、この記事は「やめた方がいい」という話ではありません。
読み進めていただければわかると思いますが、オンライン日本語教師を始めたい方や、今頑張っている方を応援したいという気持ちで、私が5年間経験してきたことを書いています。
私はまだまだベテランとは言えませんが、競争の激しいこの世界で活動を続け、大人気・高リピート率などのバッジをいただき、新規予約をストップする時期も経験しました。
今日は、私自身が実際に経験し、感じてきたことをもとに、なぜこの2つがオンライン日本語教師にとって大切だと思うのかを書いてみたいと思います。
才能よりも大切な「待てる力」
オンライン日本語教師は会社員ではなく自営業です。
レッスンをすることが仕事の中心ですが、それだけではありません。
生徒に見つけてもらうこと。
プロフィールを作成すること。
プロフィール写真や紹介動画を準備すること。
レッスン内容を考えること。
教材を作ること。
料金を決めること。
スケジュールを管理すること。
などなど。
すべて自分で考え、自分で行動する必要があります。
そして、ほとんどの新人オンライン日本語教師が最初にぶつかる壁があります。
それは、最初から生徒は来ないということです。
始めたばかりの頃は、レビューもありません。
完了レッスン数もありません。
もちろん、リピーターもいません。
生徒側の立場で考えてみると分かります。
現在、オンラインレッスンのプラットフォームには多くの日本語教師が登録しています。
あなたが生徒だったら、何を見て先生を選びますか。
レビューがあること。
レッスン経験があること。
自分の予算に合うこと。
多くの人は、そうした情報を参考に先生を選ぶと思います。
そのため、始めたばかりの先生は、どうしても選ばれにくい状況からスタートします。
でも、それは決してあなたの能力が低いからではありません。
新しく始めた先生には、まだ「信頼の証」が少ないだけなのです。
生徒が来ない時期に、焦ってしまう気持ちはよく分かります。
「もっと安くした方がいいのかな」
「もっと時間枠を広げた方がいいのかな」
「他のプラットホームにした方がいいのかな」
予約が入らない時、そんな不安が出てくることもあります。
でも、焦って行動してしまうと、最初に大切にしたかった自分の信念や理想から、少しずつ離れてしまうことがあります。
自分が大切にしたい授業の形。
生徒さん一人ひとりに向き合う時間。
自分自身が無理なく続けられる働き方。
それらを守るためにも、焦らずに自分の軸を持つことが大切だと思っています。
そのために必要なのが、心の余裕です。
すぐに結果が出なくても、積み重ねる時間が必要です。
私は、オンライン日本語教師として続けていくために必要なのは、才能よりも「待てる力」なのではないかと思っています。
「待つ」というのは、何もしないことではありません。
目の前の生徒を大切にし、自分を磨きながら、信頼が積み重なるのを待つことです。
私もゼロからのスタートでした
今でこそ軌道に乗り、新規予約を調整するほどになりましたが、始めたばかりの頃は、もちろん順調なスタートではありませんでした。
最初の1か月ほどは、生徒はほとんどいませんでした。
その後、少しずつ予約が入り、3人の生徒が来てくれるようになりました。
でも、しばらくの間は、その3人の生徒と週3回ほどレッスンをするという状態でした。
今のように予約が埋まる状態から見ると、想像できないかもしれませんが、当時は「どうしたら選んでもらえるのか」を考える毎日でした。
それでも、私はレッスン料を下げませんでした。
最初の料金は1時間のレッスンが18ドル(当時約2,000円)でした。
もちろん、もっと安くすれば予約が入りやすくなる可能性はあります。
でも、一度下げた価格を後から上げることは、想像以上に難しいです。
そして何より、私は自分が作るレッスン、自分が行うレッスンには、その価値があると考えていました。
資格を取得するために勉強したこと。
日本語への理解を深めるために文法分析をしたこと。
生徒に分かりやすく伝えるために準備したこと。
長く続けていくためには、自分自身が自分の努力を認めてあげることが大切だと思いました。
だから、安さで選ばれるのではなく、「この価格でも私のレッスンを受けたい」と思ってくれる生徒がきっといると信じ、自分自身を磨きながら待ち続けました。
オンライン日本語教師として軌道に乗るまでには、どうしても一定の時間がかかります。
最初に「結果が出るまで焦らずに続けられる環境にある人」が向いていると書いたのは、この理由からです。
自分の信念や理想を守りながら成長していけるという大きな強みがあるからです。
例えば、生活費をこの仕事だけに頼らなくてもいい状況や、副業として始められる環境などは、その大きな支えになります。
しかし、これは、そのような環境にない人が向いていない、という意味ではありません。
大切なのは、結果が出るまでの時間をどう乗り越えるかを考えておくことだと思います。
生徒数より大切なこと
そして今思い出すと、私が一番大切にしてきたのは、生徒の数を増やすことではありませんでした。
今、目の前にいる生徒一人ひとりを大切にすることでした。
数ある先生の中から、自分を選んでくれたこと。
時間を作ってレッスンを予約してくれたこと。
それは決して当たり前のことではありません。
だからこそ、「またこの先生に習いたい」と思ってもらえるように、レッスンの準備をしっかりすること、生徒さんに合わせて内容を工夫することを大切にしました。
分かりにくかった部分は改善する。
もっと良い伝え方がないか考える。
日本語への理解を深めるために学び続ける。
その積み重ねが、少しずつ信頼につながっていったのだと思います。
一人ひとりの生徒を大切にする気持ちは、きっと相手にも伝わります。
生徒が自分からレビューを書いてくださったり、友人に紹介してくださったりしました。
まだ見ぬ未来の生徒さんを追いかけるより、今目の前にいる生徒さんを大切にすること。
それが、結果として生徒数を増やす一番の近道だったと私は思っています。
自分を信じるということ
最後に、最初に書いた「自分を信じられる人」についてです。
ここでいう「自分を信じる」というのは、根拠なく「自分なら大丈夫」と思うことではありません。
自分の強みを理解していること。
自分が努力してきたことを認められること。
そして、これからも成長するために行動し続けられること。
それが、本当の意味で自分を信じるということだと思っています。
オンライン日本語教師は、毎日結果が数字で見える仕事です。
予約数。レッスン完了数。収入。リピート率。
どうしても周りと比べてしまったり、生徒が来ない時に「自分には向いていないのではないか」と不安になることもあります。
でも、すべてを自分のせいにする必要はありません。
トライアルレッスンの後、次の予約につながらないこともあります。
私自身、今でもそういうことはあります。
でも、それは必ずしも先生の能力だけが理由ではありません。
生徒さんの予定が合わなかったのかもしれません。
学習目的が変わったのかもしれません。
先生との相性が合わなかったのかもしれません。
すべての生徒さんにとって、完璧な先生になる必要はありません。
大切なのは、自分が提供できる価値を信じ、それを必要としてくれる生徒さんに届くまで努力を続けることです。
心の余裕と自信は循環する
私はこの5年間で、心の余裕と自信は、お互いを育て合うものだと感じました。
心に余裕があるから、焦らずに学び続けることができます。
焦らずに努力を続けられるから、自分のレッスンに自信が持てるようになります。
そして、自信がつくと、自分の信じるやり方で進んでいけばいいと思える心の余裕が生まれます。
その余裕があるからこそ、必要以上に値下げをしたり、自分の理想の働き方を曲げたりせず、自分らしいレッスンを続けることができます。
もちろん、この循環は最初からできるものではありません。
私もゼロからのスタートでした。
生徒さんが来ない時期もあり、不安になることもありました。
それでも、目の前の生徒さんを大切にし、自分を磨き続けてきたことで、少しずつ自信が生まれ、心にも余裕ができました。
特別な才能があったからではありません。
小さな積み重ねを続けた結果、少しずつ信頼につながっていっただけです。
オンライン日本語教師を始めたい方、始めたばかりで不安な方へ
最初から完璧である必要はありません。
すぐに結果が出なくても大丈夫です。
焦らずに学び、自分を磨き続けてください。
その積み重ねは、必ず自信になります。
そして、その自信は、きっとあなたの心に余裕を与えてくれます。
この記事が、これからオンライン日本語教師を始める方や、今頑張っている方にとって、自分を信じて一歩ずつ進むための参考になればうれしいです。
