【守る愛から、送り出す愛へ】パンチ君から見る人間心理㉜
このシリーズは、
市川市動植物園のサル山で暮らす
パンチ君を通して、
人間心理を考察する連載です。
パンチ君、
サルたち、
飼育員さん、
スタッフさん、
見学者、
そしてSNS。
サル山には、
私たち≪人間関係の縮図≫が
そして
《生きるとは?》ということが
不思議なほど映し出されています。
愛着、安心感、承認欲求、孤独、境界線――。
長年「心」を探求してきた私の視点から、
その奥にある人間心理について綴っています。
前回はこちら
**
昨晩の公式Xで、
サル山の飼育員さんより、
今週から、
パンチ(君略)の給餌の変更が
予告として流されました。
その日の、どのSNSも
混乱と予想と悲鳴にも近い
悲しみの声や応援の声が
溢れていたように感じました。
パンチのしがみつきをやめさせるのか、
バケツから食べるところか、
はたまた
バックヤードに戻っていくことなのか。
それらが原因か、
最近、
飼育員さんたちへの
他の雄サルたちの威嚇も気になっていたし、
序列に厳しいニホンザルで、
それがパンチ自身にも
いい影響にはならないだろうし、
自立にも向かいにくいだろうなぁとは
個人的には思っていたので。
一歳をめどに、
自立へ向けてしていくだろうなぁとは
感じていました。
(過去記事にも書いています)
でも改めて、
全身で安心して委ねていた
甘えん坊パンチは大丈夫かな?
バックヤードの安心基地がなくなるのかな?
と思うと、
なんとも複雑な気持ちになる
自分もいます。
なかなか勝手な人間です 笑
**
成長という言葉は、
とても前向きに聞こえます。
でも成長には、
必ず「別れ」が含まれています。
子どもの卒園も、
卒業も、
就職も、
結婚も、
親離れも。
嬉しいはずなのに、少し寂しい。
それが成長
なのだと思います。
成長には寂しさもある。
パンチにとって、
飼育員さんの存在は、
「安心基地」
「安心の場所」
そのもの。
子どもは、
安心して戻れる場所があるからこそ、
外の世界へ挑戦できます。
何度も戻り、
また挑戦し、
また戻る。
その繰り返しの中で、
自立していくと言われています。
苦境であるときは、
必ず守ってくれる存在。
そして飼育員さんと
共に戻るバックヤードは
パンチにとってこの上ない
安全な場所になっていたはずです。
**
元々パンチには、
お母さんが今いない状態なので、
誰かに守ってもらわないと
生きていけなかったわけですよね。
それが人間の
愛情豊かな二人の飼育員さんたちに
育てられたことで、
安心できる場所を築いてきた。
パンチの社交的な性格は、
素質もあるでしょうが、
あの二人によって、
パンチという存在を
丸ごと全部受け止めて
愛情たっぷりに育てられたことは
これからの、
とても大きな力の
基礎になっているとは思います。
本当のお母さんがいたら、
もっともっと
甘えることもできたかもしれない。
でも、
人工哺育から脱却して、
パンチをサル山に戻すためには、
今というタイミングを
外せないのかもしれない。
そのために、
最近はしがみつきをやめさせることよりも、
パンチ自らの行動を優先していて、
見守りに徹して
様子を見ていたんでしょうね。
きっと今日から、
パンチへの給餌の方法は
何かが変わっていくと思いますが、
今日は園がお休みの日なので、
明日からどんな風になっているのか。
安心の土台をしっかり築いてきたパンチが
人間と信頼関係を築いてきたパンチが、
オスザルとして、
どんな過程を経ながら、
サル社会に馴染んでいくのか
本当の
自立への道が始まっていくんですね。
私も含め多くの人が、
毎日のように
動画や画像が見れるようになって、
パンチに対しても、
愛着や親近感を
たくさん抱いていると思います。
今回の予告は、
パンチの成長のため、
そしてすでに起きている
混乱を最小限にするためだと思いますが、
それくらい、
成長を見守るって
苦しいことも多いですよね。
でも一番苦しいのは、
間違いなく飼育員さんたちのはずだから。
(この記事で詳しく書いています)
本当の安心基地とは、
ずっと抱きしめ続ける場所ではなく、
「もう大丈夫。行っておいで。」
と送り出せるベースの場でもあるのでしょう。
守ることは、愛。
でも、
送り出すことも、愛。
むしろ、
その方が何倍も勇気がいる。
送り出す側も、
送り出される側も、
本当はどちらも不安で仕方ない。
それでも、
相手の未来を信じるからこそ、
手を離す。
送り出す。
私たちは
パンチ君の成長を見守っているようで、
愛するとは何か。
見守るとは何か。
信じるとは何か。
やっぱりそんなことを、
学ばせてもらっているような気がします。
成長とは、
守られることから、
送り出され
自分らしい道を歩む
そんな試行錯誤の“物語”の
節目のときなのかもしれませんね。
がんばれパンチ。
がんばれ飼育員さんたち。
がんばれ市川市動植物園。
そんなエールとともに。
**
いつも読んでくださり
ありがとうございます。
記事がいいなと思ったら、
いいね・フォロー・シェアで
応援してください。
期間が延長されました✨⇩
【12/31まで延長】
— 市川市動植物園(公式) (@ichikawa_zoo) May 29, 2026
『#がんばれパンチ サポーターズガイド』
現在もなお多くのご寄附を頂いておりますため、
ガイドの期間を12月31日まで延長します。
引き続きご支援よろしくお願いします。
改訂版のガイドはこちらから⬇️https://t.co/SDLwbT3BK1
これまでの寄附金額と使い道については⬇️ pic.twitter.com/CLMjfNhtWw
いいなと思ったら応援しよう!
よろしければ応援お願い致します!いただいたチップは、クリエーターとしての活動費に使わせていただきます。