【愛しているから、離れなければならない】パンチ君から見る人間心理㉑
このシリーズは、
市川市動植物園のサル山で暮らす
パンチ君を通して、
人間心理を考察する連載です。
パンチ君、
サルたち、
飼育員さん、
スタッフさん、
見学者、
そしてSNS。
サル山には、
私たち≪人間関係の縮図≫が
そして
《生きるとは?》ということが
不思議なほど映し出されています。
愛着、安心感、承認欲求、孤独、境界線――。
長年「心」を探求してきた私の視点から、
その奥にある人間心理について綴っています。
前回はこちら
**
その後また新たな公式の発表もあり、
6月7日に生まれた四頭の出産は、
残念ながら現在は
一頭になったようです。
市川市動植物園には、
今年、
十三頭の出産があり、
うち九頭が現在元気に暮らしているそうです。
命は当たり前のようで
当たり前にあるのではない。
改めて、
今ある命に感謝するとともに、
真夏真っただ中の中で生まれたパンチ君が
今もこれだけ元気でいることは、
決して当たり前なのではなく、
たくさんの奇跡の積み重ねだったんだなと
深く深く感じています。
改めて、
パンチ君のお母さんサルが
命をかけて生んでくれたこと、
パンチ君が生まれたこと、
育ててくれた飼育員さんたち、
今のパンチの環境に、
感謝の想いでいっぱいです。
**
そんなパンチ君は、
来月で一歳を迎えるわけですが。
(以下「君」略)
見ていると、
飼育員さんたちの
パンチの自立に向けての動きが
本格的になってきているなと
私は個人的に感じています。
一歳をめどに、
「しがみつきからの卒業」を
かなり意識しているように感じました。
その一つの目安が、
オトメちゃんは一歳でサル山に入って、
その時にオトメちゃんは
「しがみつき」はしていなかった
ということもあるのかなと思います。
現在の飼育員さんたちは、
パンチと目を全く合わさなくなり、
通常は表情をほとんど変えることもなく、
淡々とパンチと接しているように見えます。
人間からは冷たく見えても、
それがサル山のルール。
日に日に賢くなるパンチに
あの手この手を変えて、
自分たちから離れるように促してもいます。
その状況に少し戸惑っているのか、
パンチのしがみつき度も
バックヤードに戻りたがる気持ちも
増しているような印象です。
「もっとそばにいたい」
「離さないでほしい」
「離れたくない」
パンチから
そんな声が聞こえそう。
飼育員さんたちが、
心を巨大な鬼にして、
淡々と接していても、
愛情がたくさんあるからこそ、
身近にいすぎて
苦しいだろうなぁと。
パンチの成長が一番うれしくもあり、
離れていくのは悲しくもあり、
でもパンチの幸せを
誰よりも願っていてもいて。
パンチの幸せとは、
自分たちから
離れていくことだから。
経験のない人工哺育からの飼育や
生死が常に起きている
サル山の合間の心の癒しと
なってくれているのが
カワウソや他の動物との
触れ合いの時間なのかもしれませんね。
そんな複雑な想いを抱えていたとしても、
自分たちの姿も含めて、
毎日目の前の
大切な命たちのリアルな姿を
見せ続けてくれていることに
改めて感謝します。
**
前々回、
サル山の飼育員さんが2人とも若くて
びっくりだったという内容を書きましたが、
あのお二人は本当にすごいと思うのですが、
後ろでサポートされている人たちも
やっぱりすごい方々のようです。
実は、
最近この記事を読んで、
ようやく頭が整理されたのですが、
この記事に載っているように、
一年前にツートップ体制になって、
「動植物管理長」となっている方は、
飼育員出身でサル山の担当経験もあり、
絶滅危惧種のスマトラオランウータンの繁殖に成功するなど
〝知る人ぞ知る〟
その道のプロフェッショナルなんだとか。
この記事を読むまで、
主に獣医さんやオトメちゃんを
育てた方などの意見を
聞いているのかと思っていましたが、
若き飼育員さんたちを支える
サル山のサポートや助言を密にできる方も
しっかりいらっしゃるんだなぁと。
さすがだなぁと感じました。
だからパンチは気質以外で
あんなにプクプク肉付きもいいんだね。
その他にも、
そんな方々の意見もあるのか、
飼育員さんたちが積極的なのか、
今は木や枝や緑もサル山内に多く、
また次々と
色んな遊具も作られています。
色んなおサルさんも
あちこち楽しそうに遊んでいるようです。
以前、
2025年1月ごろの
市川市動植物園のサル山の
YouTube動画がおススメに上がっていて
思わず拝見したのですが、
今とまったく違う印象を受けました。
冬ということもあるのかもしれませんが、
2025年1月ごろの動画では、
木や枝などを置いたり、
遊具なども今ほど見られず、
コンクリートが目立つサル山
という印象でした。
現在は、
観客数も過去最高を更新し続ける
賑やかな環境下、
赤ちゃんも次々と生まれ
個体数も多い環境下で、
変えられない、
限られたスペースだとしても、
なんとかサルのストレスが解消できるように、
様々な工夫と努力を
日々されているんだと思います。
モノを増やせば、
清潔に保つのもより難しくなります。
お世話する側には
ものすごく負担も増え続けます。
それでも
サルたちの幸せな環境に、より近づける。
本当にびっくりするほど、
素晴らしい飼育の姿勢だと私は思いました。
2025年1月ごろの動画では、
サルたちが毛がふさふさしているので、
その動画のコメント欄には、
「この頃はサルは毛がふさふさだ」
「今とは違う」
のような内容もありましたが、
全ての映像を見てないので
どの時期かわかりませんが、
その時の映像は冬ですし、
毛がふさふさは自然的かと。
現在は
換毛期でもあるので、
一概に比較できるものでは
ないのかなとは思いました。
**
私は、
パンチを見ていて特に思います。
愛されることと、
自立することは
反対のものではないと。
むしろ、
たくさん愛されたからこそ、
自分の足で歩き出せる
のではないでしょうか。
だから今のパンチのしがみつきも、
離れたくない気持ちも、
不安定さも、
全部が大切な
成長の途中なのかもしれません。
そして、
それはパンチだけではなく、
私たち人間も同じ。
子供が親から離れていく時。
大切な人が自分の元を旅立つ時。
慣れ親しんだ場所から
新しい世界へ踏み出す時。
人は必ず一度、不安になります。
怖くなります。
もっとここにいたいと思います。
でも、
その先にしか見えない景色がある。
飼育員さんたちは、
きっとパンチを誰よりも愛している。
だからこそ、
自分たちにしがみつくのではなく、
サルとして本来生きる道を
選ばせようとしている。
本当はね、
ずっと懐かせておく方が
心も体力的にも管理的にも楽なはずなんです。
でもそんな自分たちの都合では見てない。
本当に深い愛情とは、
ずっと抱きしめ続けることではなく、
自分がいなくても生きていけるように
送り出すことなのかもしれません。
パンチがいつか群れの中だけで
当たり前のように暮らし、
自分の居場所を見つけて
生きていく日が来た時、
それは寂しくて、苦しくて、
でも、
とても幸せなことなのだと思います。
愛することと、
手放すこと。
その二つは、
本当は同じ場所にあるのかもしれませんね。
パンチは飼育員さんたちとの時間を
この先忘れてしまうかもしれない。
でも、
パンチをここまで育てた人たちは、
絶対に忘れない。
小さな命が、
自分たちの腕の中で過ごしていた日々を。
だから私は、
パンチの成長がうれしい反面、
少しだけ切なくも感じてしまっています。
愛が大きいほど、
人には言えない葛藤も大きいだろうな。
(若い飼育員さんは特に辛いだろう)
がんばってるね、パンチ。
がんばってるね、飼育員さんたち。
おかげで、
パンチの成長は日々目まぐるしいです。
そんなリアルな姿を見せてくれて
≪イノチを生きるとは?≫
という大切なことを
考えさせてくれて
本当にありがとうございます。
そんな想いでいっぱいです。
**
どこかでパンチは
新しい形で
飼育員さんとサルとの関係を
築いていくのではないか、
築いていきながら
群れの中で幸せに生きて欲しい
そんな願望を
最後に書いたらダメだったかなぁ 苦笑
ではまた次回。
**
いつも読んでくださり
ありがとうございます。
この文章が心に残ったら、
スキやシェアで
届けていただけるとうれしいです。
期間が延長されました✨⇩
【12/31まで延長】
— 市川市動植物園(公式) (@ichikawa_zoo) May 29, 2026
『#がんばれパンチ サポーターズガイド』
現在もなお多くのご寄附を頂いておりますため、
ガイドの期間を12月31日まで延長します。
引き続きご支援よろしくお願いします。
改訂版のガイドはこちらから⬇️https://t.co/SDLwbT3BK1
これまでの寄附金額と使い道については⬇️ pic.twitter.com/CLMjfNhtWw
いいなと思ったら応援しよう!
よろしければ応援お願い致します!いただいたチップは、クリエーターとしての活動費に使わせていただきます。