【私たちは若い命に何を背負わせているのだろう】パンチ君から見る人間心理⑲
このシリーズは、
市川市動植物園のサル山で暮らす
パンチ君を通して、
人間心理を考察する連載です。
パンチ君、
サルたち、
飼育員さん、
スタッフさん、
見学者、
そしてSNS。
サル山には、
私たち≪人間関係の縮図≫が
そして
《生きるとは?》ということが
不思議なほど映し出されています。
愛着、安心感、承認欲求、孤独、境界線――。
長年「心」を探求してきた私の視点から、
その奥にある人間心理について綴っています。
前回はこちら
**
今回は、
私の子供も似たような年齢ということもあり、
母親世代のような大人の目線で、
特にS飼育員さん(公表時年齢24歳)について
記事を書こうと思います。
(公式に出ている呼び方で書くと)
ミヤコシ飼育員さんは、
飼育員歴も中堅な感じです。
なので、
全体的によく勉強されているし
対応なども安定感があるなぁと
拝察しています。
シカノ飼育員さんですが、
ネットでよく見るのは、
「kind zookeeper」
というようなワード。
二人ともにですが、
日本語でも、
特に「優しい」というワードが
シカノさんに関しては
多い印象を受けました。
5月にあった、
前代未聞のサル山の侵入にも、
1人でしっかりと対応されて、
その後のサル山の管理の担当も
1人でされていました。
本当に素晴らしいと思います。
皆さん、
そういう意図で
投稿などしていらっしゃるんですよね?
**
私がうっすら聞き覚えがある程度の知識で
正確ではないかもしれませんが、
私は、
ニホンザルの飼育員は、
もっともっと年配の人たちのイメージでした。
というのも、
かなり独特の社会のようなので、
動物の飼育員歴が長くても
非常に難しい場所と
聞いたことがあるからです。
だから、
飼育員の中でも
超エリートコース
というのも聞いたことがあるような。
(でたらめかもしれません)
なので、
市川市動植物園のサル山の飼育員さんが
非常に若いお二人でびっくりしたことと、
その若い人たちが
人工哺育をされていたときいて
さらにびっくりしたんですよね。
(きっと裏でのフォローが手厚いんだと思います)
24歳って、、
大学や大学院卒業だとしたら、
まだ入園(入社?入庁?)
間もない時期ではないですか。
だから、
その年齢でも対応できる
何かしら資格を取ったり
勉強されていたからか?
ものすごい意欲があったのだろうと
想像していました。
多分それはないと思いますが、
仮に高卒で入っていたとしても、
まだ20代前半、
どちらにしろ、
仕事がやっとわかってくる頃かと。
どちらにしろ、
成人しているとはいえ、
20代前半って、
まだ色々経験も少ない時期です。
今のこの時代で、
動物園という場所で、
しっかり勤めていることすら
十分すばらしい人材だとも思います。
そんな若い飼育員さんが、
若き先輩と共に、
一生懸命パンチを育てて。
一生懸命お仕事をして。
当時の映像を見ても、
どれだけ大切に想っていたんだろうって
本当によくわかるし、
パンチのことが、
大切で大切で仕方ないんだなってわかるから、
その愛情と垣間見える葛藤にも
感動して涙も出ます。
(もちろんミヤコシ飼育員さんもです)
彼らは今、
全くの経験がない状態で、
一生懸命育ててきた
パンチという命を、
自分たちの手から
離れるようにしているんです。
どれだけそこに
葛藤や苦しみや悩みがあるか
想像できますか?
まだまだ
仕事に自信が持てる経験は
持ちあわせてはいないでしょう。
本当は自信がないことが
いっぱいかもしれない。
頭でわかってても
気持ちが追いつかないこともあると思います。
動物が好きであればあるほどに。
でも飼育員として
他の個体にも
自信のなさではなく、
精一杯向き合っていますし、
観客に対しても
後輩飼育員としても
頑張ってるなぁって見ていて思います。
**
園に入って、
まだまだ経験がこれからという段階で、
ものすごく大きなお仕事を任されて、
一生懸命一生懸命
ミヤコシ飼育員と共に、
純粋な思いで
向き合い続けてきていた。
大切に育てた命の今が、
天真爛漫で、
愛をいっぱい受けた
愛されキャラのパンチ。
シカノさんにとっては、
初めての“子育て”だったかもしれませんしね。
お二人の飼育員さんの所作は、
どれだけ動物を大切に
接しているんだろうということも
ものすごく伝わってきます。
動物を“見せ物”として
扱う場所も多い世の中で
その命優先としている
この園は素晴らしいです。
飼育員さんたちは、
純粋に
自分たちの時間も労力も捧げて、
ただただ命と向き合って、
大切に接してきた結果が
今にあると思うのです。
園が、
パンチが、
自分たちが、
ここまで世界から注目されるなんて
想定外だろうし、
そんな状態で
サル山に侵入が入ったり、
毎日毎日容赦なく
カメラで追われるなんてことも
全く想像すらしていなかったでしょう。
それでも、
気持ちをしっかり持って、
驕らず変わらず、
今もなお、
サル山のお勤めをされています。
**
でも、
カメラを向けている
見る側のこちら側はどうなのでしょうか?
興味本位で、
相手の気持ちお構いなしで、
面白おかしく扱ったりもする。
「優しい飼育員さん」
という体のいい表現を前面に出して、
ものすごく傷つくだろうなと
想像できるような投稿も平気でしている。
これって、
飼育員さんや
園の人が直接言わないことをいいことに、
「やさしさ」を利用した
いじめにも近いと思います。
いじめって、
いじめている人には自覚がない
ことが多いですよね。
何かあったら、
そんなに傷つけていると思ってなかったって。
でも相手側はやめてくださいと
公表していますよ。
嫌なことされ続けられたら
誰だって苦しいと思います。
**
皆、
世界中の人は、
飼育員さんのこと
大好きなんですよね?
おかしくないでしょうか。
私が今回、
この飼育員さんを取り上げたのは、
特に彼から、
前とは全く違う
不安定さや
なんだか
萎縮しているような?様子を感じたからです。
もちろん勝手な思いで、
出産ラッシュのサル山で
何かが起こってるだけかもしれません。
ただ、
万が一でも、
サル山で危険なことにだけは
繋がらないでほしいし、
疲れ果てて、
仕事ができない状態にも
ならないでほしいとも思いました。
**
サル山の中では、
人間とサルとの関係は、
本当に絶妙なラインがあるようで、
絶妙な信頼関係で成り立っています。
サルは勘が鋭いって聞いたことがあります。
仮に、
不安定なメンタルが
サルに伝わって何かになったら。
何かがあって
サルたちが不穏な動きをしたら。
もしかしたら
襲われるかもしれない
自分の命の危険とも
隣り合わせの世界。
そんな背景を想像して
投稿とかされてますか?
その世界観で、
最近、
飼育員さんにちょっかいを出したり
威嚇していたおサルさんがいたのも
個人的には少し気になりました。
一時的なものならいいんですが、
何かサル山で起きてるのかな?
心が元気だったら
問題なく対応できることも
心が疲れ切っていると
できなくなることもある。
それが人間です。
もし心が疲れて、
ミスが起きたら、
飼育員さんもサルたちもパンチも
非常に危険になります。
ましてや、
サル山は
現在出産のシーズンで落ち着かないし、
全てが初めての経験ばかり。
たった20年ちょっとしか生きていなくて、
それでも
小さいころから
大好きだった動物園で働きたかったって。
その夢を自分でつかんで、
今、
一生懸命に先輩と一緒に、
市川市動植物園で働いているんです。
二人とも
まだまだ全体の経験も少ないのに、
人口哺育という最難関にも携わって。
そのことで
一生懸命したやさしさから、
人気が過熱し、
自分たちが望んでもいないような、
注目を浴びて、
それがびっくりするほど
世界中に拡散されて。
その中には、
フェイクなども含めて
「自分」として拡散される。
行動が読めないやんちゃな
パンチがした行動にもよって、
飼育員さんの持ち物がさらされたり、
表情が使われたりもする。
日常業務にも気が休めないのに、
さらに、
不審者侵入なども起きて、
そんなことも1人で対処している。
そしてさらに撮影は加熱する。
パンチも1歳になってないけど、
飼育員さんたちも
ようやくサル山で1年経ったところですよ。
まだまだ、
どちらも先輩に教えが欲しい世代だし、
先輩に助けてもらってよい
世代だとも思います。
ましてや命を扱っているお仕事。
マニュアル通りではありません。
その試行錯誤も
サル山の様子もとられ続ける。
(赤ちゃんがなくなった様子も含む)
私たちは、
どれだけのことを、
この若者たちに
仕事以外で
負担をかけてしまっているのか
想像したことはあるでしょうか?
SNSが元の、
侵入事件のような
苦しいことがあっても
変わらずでサル山にいらっしゃいます。
本気ですごい人たちだと思います。
この異常な状況下でも、
二人とも信じられないほどまっすぐに
責任感と覚悟をもって仕事をされています。
そのうえで、
2人とも
それぞれの個体のことを
よーく観察と勉強を
されていらっしゃると思います。
さすがパンチの育ての親です。
彼らがどんなに優秀な素質を持っていたとしても、
万が一、
飼育員さんのメンタルが揺れたりして、
サルたちとの信頼関係が
微妙に変わってしまったら、
今後、
サル山に一切入れなくなる可能性もある。
それでも崩れずに
必死に頑張っている人たちを
もう少し見る側が守れませんか?
雨でも炎天下でも台風でも、
365日、
身を粉にして、
紙一重のところで
頑張っています。
多分ほとんど休みも取れてないし
それでも献身的に働かれてます。
それだけでも
拍手では足りないくらいすごいのに、
日常の仕事以外で、
今がピークの、
生命の誕生と、
亡くなる生命と向き合うことという
重い業務が入っています。
さらに、
大好きでたまらないであろうパンチを
自分たちの手元から
離れるようにサポートを
続けなければならないという
心が引き裂かれることも
平常心を装ってされています。
ミヤコシさんも若いのに
すごい判断力と責任力と行動ですが、
シカノさんはさらにだいぶ若い。
それでも逃げずに
初めての経験の数々を
2人とも一生懸命、
されてますよ。
隠したいこともあるだろうに、
飼育員さんとして
命の大切さと尊さを
リアルに伝えてくれています。
それだけの覚悟をもって、
全ての命と向き合えますか?
SNSで使われ放題になって、
何も言わず、心を強く持って
淡々と仕事を続けられますか?
SNSは誰もが使える時代。
投稿者たちが
「優しい」という意味で
「甘い飼育員さん」と書いたとして、
それを本人が見たら
全く傷つかない保証はあるのでしょうか?
自分の気持ちと切り分けて
葛藤もたくさんあるかもしれないのに
毎日パンチの群れ入りのための
行動をしてる姿を
お世話もしない人たちから
「接し方が甘い」
「過保護」
とか言われて、
一挙手一投足見られて拡散されて、
仕事はしやすくなるんでしょうか?
投稿する、
コメントする以上、
対象者への配慮は
最も意識しなければいけないと思います。
**
命と向き合うって、
時に本当につらいです。
家族が亡くなったら、
何年も心が堪えます。
医療関係者の方も、
患者さんが亡くなるのは
日々つらいと思います。
ましてや新人のころ。
経験のない仕事の数々。
そして、
毎日気を張ってしないといけない
サル山の管理。
その中でも、
サルたちの環境改善のために、
休園日に遊具を作ったり、
どんなに嫌だとしても、
撮影をNGにしていません。
そんなにまで
一生懸命している人たちを、
どうかこれ以上
撮影や投稿で、
傷つけないであげてください。
あなたが軽い気持ちで
皆が喜ぶかな?と思って
楽しく作ったその動画や写真やコメントは、
本人は、
心えぐられるほど
辛いかもしれないです。
もちろん、
本人にしか本当の気持ちはわかりませんが。
私物の勝手な投稿が続いた次の出勤は、
勝手な主観でいうと、
見たことがない不安定さを感じました。
それを一生懸命、
自分がしっかりしなきゃと
気を張っているような
先輩飼育員さんの姿も感じました。
パンチも
なんだか違うなと
思っていそうな印象も持ちました。
(上記は、あくまでも主観で、事実ではありません)
**
小さいころから
純粋な気持ちで温めてきた
「飼育員」という仕事に
今、夢を叶えて立つって
それだけでも素晴らしいことです。
掃除もつらい仕事の数々も、
投げ出さずされています。
あれだけコンクリートがあって、
あれだけのサルが住んでいれば、
糞尿が常時あるのが普通です。
でも毎回見ても、
びっくりするくらい、
掃除が行き届いている気がします。
1週間に一回、
休園日にサル山は
すべて大清掃しているとも聞きました。
園に来た人は、
もっと臭いと思った
と言っていましたが、
それくらい、
綺麗にされているんでしょう。
それだけでも、
どれだけ私たちがみえないところで
一生懸命働かれているかがわかります。
その一生懸命さを
これ以上、
軽く扱わないでほしいです。
一生懸命毎日踏ん張って
サル山の為、
サルたちの為、
パンチの為、
自分の夢や目標の為
頑張っている人を
好奇な視線で傷つけないでほしい。
あなたに傷つける意図がなくて、
大好きで投稿したとしても、
受け手は
傷つくかもしれないということを
このSNS社会では
誰もが自覚を持たなければいけない
と思います。
好きだから。
応援しているから。
悪意はないから。
でも、
悪意がないことと、
相手が傷つかないことは
同じではありません。
彼らはまだまだ若い世代。
若い人たちが夢を持って働ける社会。
一生懸命頑張る人が安心して働ける社会。
その場所を作るのは、
きっと私たち大人の役目であり、
1人1人の意識なんだと思います。
好きだから応援する。
応援するなら敬意(リスペクト)を持つ。
その当たり前を、
SNSの時代だからこそ忘れたくない。
私はそんなふうに思っています。
**
今日も読んでくださり
ありがとうございます✨
この文章が心に残ったら、
スキやシェアで
届けていただけるとうれしいです。
期間が延長されました✨⇩
【12/31まで延長】
— 市川市動植物園(公式) (@ichikawa_zoo) May 29, 2026
『#がんばれパンチ サポーターズガイド』
現在もなお多くのご寄附を頂いておりますため、
ガイドの期間を12月31日まで延長します。
引き続きご支援よろしくお願いします。
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