「誰?」の続き(もうひとつの結末)|きのころチャレンジ
きのころさんの100文字の書き出しの続きを書く企画、きのころチャレンジに参加しています。
この作品を書き出しに、きのころさんの4つの応募作品とようさんの応募作品の要素を盛り込こんだオマージュ作品をすでにポストしています。
実は、この作品のもう一つの結末を考えていました。
それが今回の作品です。
違うのは最後の2行だけ。
みなさん、どちらがお好みでしょうか。
「誰?」
朝、目が覚めると、
隣で知らない女が電話をしていた。
私のスマホで。
私の声で。
叫んでも声は出なかった。
鏡の中の私は眠っている。
女が一瞬だけ私に顔を向けた。
そして、私の声で電話の相手に告げる。
「起きました」
「誰?」
「マルチバースから来たあなたのキラルよ」
スマホを持った女が答えた。
「誰に電話してたの?」
「明日のあなたよ。あなたは明日遺書を書くの」
郵便受けに何かが投げ込まれる音がした。
明日の消印の手紙が入っていた。
中身は、途中まで書かれた遺書。
私の字だ。
振り返って女の顔を見る。
私とそっくりのその顔に違和感があった。
そうだ。私の唇の横にはホクロがある。
よく見ると鏡の中の眠っている私にも、スマホを持っている私にもホクロがない。
自分の顔にそっと手を当てる。
ペラりんことホクロが剥がれると、全てが青い光に包まれた。
ゆっくりと目を開けると、女たちも遺書も跡形もなく消え去っていた。
床には小さなコスモが瞬いている。
私の手の中のスマホが震えた。
(了)
きのころさんはハッピーエンドが好きそうだったので、前回はスッキリとした結末にしてみました。
二つの「続き」の企画を書く企画を楽しませていだたきました。
ありがとうございました!
【オマージュさせていただいた素敵な書き出し作品】
いずれもお疲れカツカレーさんの100文字書き出し企画の応募作品です。
お読みいだだき、ありがとうございました。
【きのころネクストへの応募作品です】
