専門的なマナーは、普通に難しい
寿司屋のカウンター。
威厳の強そうなオバサンと、若い男性が二人並んで座ってる。
オバサンが喋り続けて、男性は聞き役に徹してる。
友人関係には見えない。
服装もフォーマル寄りだし、職場の付き合いかも。
カウンターの他の席では、細見のオジサンが一人で食事をしている。
寿司の食べ方が少し独自。
オジサンの異質な食べ方を、目ざとく見つけたオバサン。
いきなり大声で叫びだした。
「ちょっとアナタ!食事のマナーがなってないわ!こうでしょ、こう!」
細見のオジサンは、成す術なく平謝り。
「へへ、こりゃあ、どうもスイマセン…」
う~ん…
この場合はどうなるんだ?
お店で、周りのお客さんを無視して、大声で怒鳴り散らしたオバサン。
それこそマナー違反にしか見えない。
でも言ってることは、一理はある。
私も、マナーは出来れば守りたいんだけど…
細かい所は良く分からない。
難し過ぎて、専門家の為のルールになっていく。
寿司の食べ方ですら、よくよく考えると、難しい。
箸か手、醤油の付け方、ワサビの付け方。
いろいろ分岐がある。
特にワサビの付け方は議論になりがちだと思う。
”ワサビを醤油に溶く”のは是か非か…
さっきのオバサンは、たぶん、「混ぜるな汚い」と言う気がする。
ところが、反対の意見もある。
以前見た動画で、名のある老舗の大将が、醤油に溶くのもオススメと言ってた。
ワサビの香りが広がるらしい。
”塩味の相乗効果”というやつだと思う。
個人的な意見としては、辛さの濃度調整を簡単に出来るからアリ。
と言うか、好きに食べればいいと思うけど…
オバサンのマナーは、何を正解としてるんだろう?
たぶん、どっかの教科書に載ってたやつ。
”ルールを人の為に調整する”のは非効率に感じてるのかも。
確かに、間違えてるモノと感じてしまったら、合わせるのは難しい。
人の気持ちは良く分からないから、把握できないのはしょうがない。
オバサンは、人の本音が分からない。
だから人に合わせるのも苦手だった。
それだけの話なのかも。
対して、オジサンはどうなのか…?
食べ方が汚いとされてるけど…
マナーを知らなかっただけ。
自分自身が、気にしていない事は気付けない。
だけど、悪人という訳でもないし、糾弾するのは可哀そうな気がする。
口論まで発展しないのは、我慢強いオジサンのおかげ。
相手に合わせる技術は、オバサンよりも上手と言えるかも。
どちらも、悪いとは言い切れない…
そして、長所もある。
ばったり会うのが、早すぎただけなのかもしれない。
もし、手紙のやり取りから始まっていたとしたら…
ヤギでもないなら、返事を書くのに、相手の言い分を読むしかない。
相手に正論をぶつけようとしても、納得するまで、やり取りは増える。
相手を想いながら書き続け、増えていく返信の手紙。
その関係はまるで、文通友達。
うっかり恋に発展してしまえば丸く収まるのに…
実際、”決める人”と”合わせる人”で相性は良さそう。
…でも、そんなのは私の能天気な理想。
「まったくの場違い!
アナタみたいな礼儀知らず見たことも無い!
同じ空間に居るだけで、周りの人達が不快になるわ!」
「へへへ…へへ、どうもスイマセン…」
どっちが悪いとかではないかもしれない。
オバサンに委縮してる若い男性は、どうしてるんだ?
やっぱり、普段から、本音が出せない関係なのかも。
誰かが勝手に丸く収めてくれないものか…
2人の間に挟まるのは少し面倒に感じる…
どうせ、言っても聞かないのは分かってるし…
仕方がない…人の手を借りるか。
「あの~…すいませ~ん…スイマセン!
あの、大将!
スイマセンが、静かに食事がしたいんですけど…」
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何ならメンドクサク無いのか…
平和な雑談なら、角は立たないかも…
