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Claude Fable 5 でグラフィックデザインしてみる。アプリケーションソフトを操作してデザインする40年からAIと協調するデザインへ。

写真、文字、インクが衝突するポスター表現

Claude Fable 5を使って、グラフィックデザインしてみます。
使用したワークフロービルダーは、Figma Weaveです。

Figma Weave

今回は、美術の知識を持つデザイナー(Claude Fable 5)とアートディレクター(私)という役割で進めます。

美大出身の新人「Fable 5くん」にコンセプトを説明するアートディレクター
画像生成モデルは、Nano Banana Proを使用

画面中央に配置された人物のポートレート。その顔は白黒写真のように処理され、周囲には黒い大きな文字、赤橙色の斜め帯、刷毛跡、スクラッチ、ハーフトーン、紙のざらつきが重ねられています。

一見すると、現代的なファッションポスターや音楽ビジュアルのように見えますが、写真、文字、色面、印刷ノイズを重ねる方法の背後には、20世紀以降の美術史とグラフィックデザイン史で積み重ねられてきた複数の技法があります。

Claude Fable 5に指示したこと

ひとつの美術運動に分類するよりも、複数のデザイン言語が混成されたものとして捉えた方がよさそうです。

ダダ以降のフォトモンタージュ、ロシア構成主義やニュー・タイポグラフィの斜線構成、バウハウス以降の写真と文字の統合、ポストモダン以降の断片化されたタイポグラフィ、リソグラフやシルクスクリーンを思わせる印刷質感など。

アートディレクター(私)の頭の中にある混沌としたイメージをFable 5にしつこく伝えていく必要があります。

Claude Fable 5 とプランニングを開始する
Proプランだと数回のやり取りで制限される!


肖像ではなく、構成材料としての人物写真

このビジュアルでは、黒い文字、赤い帯、ブラシ跡、インクのかすれが顔や身体の周囲に入り込み、人物は紙面全体を構成するひとつの素材として扱われています。
この発想は、フォトモンタージュの系譜に近いものです。フォトモンタージュとは、複数の写真や写真断片を組み合わせ、一枚のイメージとして再構成する技法。

赤、黒、白、斜線、構成主義的な緊張感

次は、赤、黒、白を中心にした配色と、斜めに走る構成です。

赤橙色の長方形が画面を横切り、黒い文字が大きく切り取られ、白い余白と紙の質感がそれらを支えています。このような限定色の強い対比、斜線による運動感、写真と文字の衝突は、ロシア構成主義やニュー・タイポグラフィの視覚語彙を連想させます。

構成主義のポスターに見られる硬質な幾何学性に対して、このビジュアルには、ブラシ跡、紙の破れ、スクラッチ、インク汚れといった粗い質感が多く含まれています。つまり、構成主義由来の斜線構成や赤黒配色を、後世のZINE、音楽ポスター、ファッション誌、デジタルコラージュの質感で再解釈した表現になっています。


今回は、AIドラマ制作で使用しているキャラクターバンクシートをアップロードして、多数のキャラクターのグラフィックを生成したいと思います。

キャラクターバンクシート

Claude Fable 5が提案してきたプロンプトの一例:

こちらの反応にあわせて、動的にプロンプトを提案してきます。
アートディレクターとして、素早く「良い・悪い」を精査して、次の指示を出していきます。
このあたりは、スポーツ感覚。

キャラクターシートから、正方形のグラフィックポスターを生成してください。
キャラクターシートからメインの人物を1人抽出してください。顔の構造、目の形、髪型、髪色、前髪、衣装の色、衣装の素材、アクセサリー、靴はキャラクターシートと一致させてください。キャラクターシート形式にはしないでください。複数ポーズ、複数アングル、ターンアラウンド、説明ラベル、比較パネルは不要です。
1枚のグラフィックデザインポスターにしてください。

構図:
人物は中央付近に、顔アップまたは上半身で配置してください。
顔と肌は白黒写真の処理にしてください。
両目は見える状態にしてください。
髪型のシルエットは見える状態にしてください。
衣装の代表的な色、またはアクセサリーのどちらかは見える状態にしてください。

グラフィック要素:
生成紙のようなオフホワイト背景。
大きく切り取られた黒いサンセリフ体の英字パーツを、人物の背後と前面に配置してください。英字は読める単語にしないでください。
赤橙色の斜め長方形をポスター内に配置してください。
黒いドライブラシの刷毛跡。
白い引っかき傷。
インクのかすれ。
破れた紙の端の形。
ハーフトーンの点。
細い黒いスクラッチ線。
小さな黒い長方形ブロック。
ムラのある印刷インクの質感。
紙の粒子感。

レイヤー構成:
黒い刷毛跡の一部は頭部の背後に置いてください。
赤橙色の斜め帯を1本、顔の背後に置いてください。
赤橙色の斜め帯を1本、ポスター下部に置いてください。
黒い英字パーツの一部を肩や顔の下部に重ねてください。ただし両目は隠さないでください。
白いスクラッチ傷とインクのかすれを、人物の輪郭部分に重ねてください。

仕上げ:
エディトリアル系グラフィックデザインポスター。
黒、白、オフホワイト、赤橙色の高コントラスト配色。
シルクスクリーン印刷の質感。
リソグラフ印刷のような色ズレ。
写真の顔と印刷グラフィックの混在。
シャープな長方形レイアウト。
画面端で図形や文字が切れている構成。
背景の風景は不要です。
室内背景は不要です。
全身ファッションカタログの構図は不要です。
美容ポートレートにはしないでください。
淡いパステル調のイラストにはしないでください。
アニメ塗りにはしないでください。
読める文字は入れないでください。
ロゴは入れないでください。
透かしは入れないでください。

バリエーション指定:
生成するたびに、赤橙色の帯、黒い英字パーツ、刷毛跡、ハーフトーンの点、人物の切り抜き位置、拡大率、角度、トリミング位置を変えてください。ただし、人物の同一性は維持してください。

特に、以下の部分が重要です。

バリエーション指定:
生成するたびに、赤橙色の帯、黒い英字パーツ、刷毛跡、ハーフトーンの点、人物の切り抜き位置、拡大率、角度、トリミング位置を変えてください。ただし、人物の同一性は維持してください。

Fable 5には、業界で流通している専門用語で指示しないと、手を抜いて浅いプロンプトしか生成しないので注意が必要です。

専門用語による指示やデザイン表現を深掘りさせる調査工程を入れないと、Fable 5を使う意味がありません。抽象的表現や短文指示なら、GPT-5.5で十分こなせます。

Fable 5のプロンプトをFigma Weaveで実行

印刷物らしさを作る、かすれとズレ

画面全体には紙に刷られた印刷物のような質感があります。オフホワイトの紙、黒インクのかすれ、赤い帯のベタ面、ハーフトーンの点、スクラッチ、色ズレのような処理。これらは、リソグラフやシルクスクリーン、孔版印刷を想起させます。

インクのムラ、版ズレ、紙の粒子、かすれ、傷を加えることで、画面に物質感が生まれる

紙に刷られ、汚れ、こすれ、上から別のインクが乗ったように見せています。その結果、単なるポートレートではなく、ポスター、フライヤー、ZINE、音楽ビジュアルのような存在感を持ちます。

Fable 5に繰り返し(しつこく)伝えたこと

  • このビジュアルの核心は、写真、文字、色面、インク、紙のレイヤー構造にあること。

  • フォトモンタージュとタイポグラフィの歴史を、現代的なポスター表現として再構成すること。


AIデザインの初期のプロトタイプとして捉える

さすがに、Photoshopを使うようなピクセルパーフェクトな作業は無理ですが、何度もやり取りしていくと、驚くほど自分の表現したいデザインに近づいていきます。
ただ、アートディレクターがこれをやってしまうと、デザイナーに依頼するのはアウトプット仕様に仕上げる最終工程だけになってしまうかもしれません。

しつこいダメ出しにしっかり対応してくれるFable 5くん

今回、画像生成モデルは、Nano Banana Proを使用していますが、詳細な情報はFable 5に与えませんでした。
Fable 5にNano Banana Proの特性について(関連論文などから)調査させ、得意・不得意を理解した上でプロンプト開発に反映させています。
このようなプロセスでは、Fable 5が素晴らしい仕事をしてくれます。


Fable 5を使う価値

徹底的に調査・分析させるプロセスを入れないと、Fable 5を使う必要がありませんので(GPT-5.5で十分)、時間をかけて取り組む覚悟が必要です。
手軽に使う感じではないので、常時使うモデルとしては敷居が高いかもしれません。

とはいえ、将来、このレベルのモデルが標準になってしまったら、いよいよ(40年間続いた)「アプリケーションソフトを操作してデザインする」頻度が低下していく可能性が高くなりそうです。

デザイナーの道具が、烏口やロットリングからアプリケーションソフト(パソコン)に変わった時のインパクトを超えるものがあります。

ちなみに、コンセプトワーク(なぜ、このデザインなのか?という白熱したFable 5とのやり取り)にトークンの30%くらい消費しています…


前回の記事:

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更新日:2026年7月3日(金)/公開日:2026年7月3日(金)

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