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ケイパビリティは、競争力になる

最近、「価値を生み出す企業」とは何かを考えている。

利益を出す企業。
成長する企業。

もちろんそれも重要だ。

しかし、それらは結果であって、本質ではない気がしている。

本当に重要なのは、

「新しい価値を生み出せる能力」

を持っていることではないだろうか。

私は最近、この能力を「ケイパビリティ」という言葉で考えるようになった。

ケイパビリティとは、単なる技術力ではない。

人材。

組織。

情報。

制度。

文化。

意思決定。

これらが組み合わさり、「変化に対応し、新しい価値を生み出せる力」である。


日本企業を見ていると、

コスト削減は得意だ。

品質改善も得意だ。

既存事業を効率化することも得意だ。

しかし、新しい価値を生み出すことになると苦戦することが多い。

その理由は、人材が不足しているからではない。

設備が古いからでもない。

価値を生み出すためのケイパビリティへ投資する構造になっていないからだと思う。


例えばAI。

AIそのものが競争力なのではない。

AIを使って業務を変えられる組織が競争力になる。

GXも同じだ。

脱炭素設備を導入することが目的ではない。

環境制約を競争優位へ変えられる企業が強くなる。

サプライチェーンも同じである。

人権対応をすること自体が目的ではない。

人権を含めた信頼を、新しい取引や市場へ接続できる企業が競争力を持つ。


つまり、競争しているのは製品だけではない。

企業のケイパビリティそのものが競争している。

そして、その差は時間とともに大きくなる。

能力を開発できる企業は、さらに能力を獲得する。

一方で、能力を更新できない企業は、変化そのものに対応できなくなる。


私は最近、「信用を価格に変換する市場設計」を考えてきた。

しかし、その一歩手前には、もっと重要な問いがあることに気づいた。

そもそも、価値を生み出す能力はどう育つのか。

その能力をどう見える化し、どう社会へ接続するのか。

これから考えたいのは、その問いである。

競争力とは、製品ではなく、企業が価値を生み出し続けるケイパビリティなのだと思う。

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