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文化遺産シリーズ第63回<<房総三國神社御朱印めぐり⑤>下総国総鎮守・葛飾八幡宮を歩く ~千年以上、人々に信仰され続ける杜~

千葉県市川市。

JR本八幡駅から歩いて数分の住宅街の中に、ひときわ長い参道があった。

今回訪れたんは、下総国総鎮守・葛飾八幡宮

創建は平安時代、寛平年間(889~898年)。

宇多天皇の勅願によって創建されたと伝わっとり、以来千年以上にわたって下総国を代表する八幡宮として、人々の信仰を集めてきました。


約6000年前、この場所は海だった

境内にあった案内板を読んで、まず驚いたことがあったんよ。

今では住宅街が広がとる一帯やけど、約6500~6000年前の縄文海進の頃は、この辺りまで東京湾が入り込んどって、一面が海だったそうや。

その後、土砂が長い年月をかけて堆積し、市川砂州が形成され、人が暮らせる土地へと変わっていったんやて。

つまり葛飾八幡宮は、土地が形づくられてきた歴史をずっと見守ってきた場所でもあるんやね。

神社を歩くとき、こうした土地の成り立ちを知ると、また違った景色に見えてきよる。


下総国総鎮守として

葛飾八幡宮は、古くから下総国総鎮守として崇敬されとった。

朝廷をはじめ、歴代の国司や武将からも厚く信仰され、

源頼朝の社殿改築、

太田道灌による修復、

徳川家康からの朱印地寄進など、

時代ごとに多くの人々がこの神社を守ってきた歴史があるんよ。

また、応神天皇の御事蹟にちなみ、

* 息長帯姫命(神功皇后)
* 誉田別命(応神天皇)
* 玉依姫命


の三柱が御祭神として祀られとります。

応神天皇は武運や厄除け、神功皇后は安産や武運、玉依姫命は育児や子育ての神として広く信仰されとります。


歴史を感じる社殿

境内へ入ると、まず目を引くのは立派な社殿。

落ち着いた木の色合いと重厚な屋根。

派手さよりも、長い年月を経てきた風格を感じる建物やった。

社殿のすぐ横には大きな御神木がそびえ立ち、その存在感は圧倒的。

都会の真ん中とは思えんほど、静かな空気が流れとります。


神楽殿に残る神話

神楽殿には、大きな絵馬が奉納さとります。

そこには神功皇后と武内宿禰、そして応神天皇にまつわる場面が描かれとって、葛飾八幡宮の御祭神につながる神話を今に伝えとるんよ。

こうしたものを見ながら歩いとると、単なる参拝やなく、日本神話をたどるような感覚になるんよね。


源頼朝ゆかりの「駒どめの石」

境内には「駒どめの石」と呼ばれとる史跡も残されとります。

伝承によれば、治承4年(1180年)、石橋山の戦いで敗れた源頼朝が安房へ渡り、千葉氏の援軍を得て下総へ向かう途中、この地に参拝した際、馬をつないだ石やと伝えられとります。

こうした歴史の物語が今も語り継がれてとるんも、この神社ならではの魅力やね。


江戸城の石が残る境内

もう一つ気になったんが、「江戸城旧石垣刻印石」。

江戸城で使われとった石材が境内に保存されとるんよ。

思わんとこで、江戸城とつながる歴史に出会えるんも、葛飾八幡宮ならではやね。


境内社を巡る

境内には厳島社をはじめ、多くの境内社が鎮座しとります。

赤い鳥居と橋が印象的な厳島社は、静かな池のほとりにあり、本殿とはまた違う落ち着いた雰囲気。

さらに鐘楼や神輿庫など、見どころは本当にたくさん、一度歩いただけでは回り切れないほどやった。


歩いて感じたこと


葛飾八幡宮は、歴史を知れば知るほど面白くなる神社やったで。

神社そのものの歴史だけやなく、この土地の成り立ちや、源頼朝、江戸城へと続く物語が一つの境内に重なっとる。

ゆっくり歩きながら案内板を読んどると、まるで時代を行き来しとるような気分になったんよね。


そして、そのすぐ近くには…

葛飾八幡宮を後にして車を走らせると、すぐ近くに全国でも有名な禁足地、「八幡の藪知らず」がある。

今では周囲が整備され、藪も以前より小さくなり、外から中の様子が少し見えるようになりました。

けれど、ウチが千葉へきた十数年前は、竹や木々がびっしりと茂り、向こう側がまったく見んほどの深い藪やったんよ。

昼間でも薄暗く、「本当に迷い込んだら出られなくなるんちゃうか」と思うような、不思議な空気があったのを今でも覚えとるな。

この場所には「一度入ると二度と出られない」という言い伝えが古くから残されとり、水戸黄門こと徳川光圀が真偽を確かめようと藪へ入り、道を失った末に八幡神のお告げを受けて「お前は、ここでいなくなってはならない」と諭され、無事戻ることができたって伝承も残っとるんよ。

もちろん、これらは昔から語り継がれてきた言い伝えや。

それでも、この場所に立つと、なぜそんな話が生まれてきたんか――少しだけ分かるような気がしました。

この「八幡の藪知らず」については、また改めて、歴史と伝承の両方から歩いて行こ思います。


今回の散策はここまでやね。


ほな、また次回に。

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