新曲で彩る一週間【2/2~2/8】
どうもです。
毎週恒例の新曲感想記事。2/2~2/8リリース分です。アルバム、EP、シングルを対象に、自信をもってオススメできる新曲をお届けします。読んでくださった方に1曲でもステキな出逢いがあります様に。ではどうぞー。
#1『BLINK』/ 柚木セラ
◆所属:SM ENTERTAINMENT JAPAN × STUDIO REALIVE(韓国発)
◆作詞:Kana Koizumi、作曲: Jesse Bluu・JT Roach・Maryon King・Sophie Rose・Timothy BOS Bullock
編曲:Timothy BOS Bullock
◆デジタル配信:https://nex-tone.lnk.to/BLINK
デビューシングル。次に紹介する雨音レナと共に、バーチャルアーティストKiepi(キエピー)としてデビューしました。静けさが街を包み、ふとした拍子に目が覚めた夜。その感覚のまま、身を委ねられるチルでメロウなR&Bナンバー。ポップで軽やかなリズムが心地好く、無駄を削ぎ落とした感じが良きですわ。そっと空中で揺蕩う様な歌唱がチル感を加速させていますね。
#2『FREAKY』/ 雨音レナ
◆所属:SM ENTERTAINMENT JAPAN × STUDIO REALIVE(韓国発)
◆作詞:Mai&YAGO、作曲:Greg Bonnick・Hayden Chapman・Wilhelmina
編曲:LDN Noise
◆デジタル配信:https://nex-tone.lnk.to/FREAKY
デビューシングル。昼時の海沿いを吹き抜けるフレッシュな空気感、その開放感を閉じ込めた様なヒップホップナンバー。エネルギッシュで、グルーヴィー、パワフルに外に解き放っている感じが推進力としても機能していて。アタック感のある溌剌とした歌声も背中を押し、腕を振り上げ、胸を張って歩きたくなりますね。2人ともキャラクターデザインを担当しているのが森倉円先生なので、上手く軌道に乗って欲しい気持ち。
#3『Mythos』/ 妃那子
◆所属:個人勢
◆作詞:妃那子、作編曲:170℃
◆デジタル配信:https://nex-tone.link/A00211613
シングル『Livyatan』に収録された2曲目のオリジナル楽曲。MVと共にサブスクも解禁されました。今作もセイレーンの物語を意識されており、そこに妃那子様自身の"歌姫像"が重ね合わされているなと。自身で手掛けた歌詞からも、歌い続ける事への覚悟が滲んでいます。水平線の向こうへと船を進める様なサウンドスケープで、爽やかさと、胸の奥にある熱を同時に感じますね。歌声も言わずもがな圧巻。上品な佇まいを崩さぬまま、超高音域まで力強く駆け上がっていくラスサビが最高です。因みに、3曲目「愛と死と海の詩篇」も近日中にMV公開されると思いますが、個人的にはイチバン気に入っている曲なのでサブスクでお先に是非。
#4『白明』/ nil
◆所属:個人勢
◆作詞:nil・IRoHa、作編曲:IRoHa
◆デジタル配信:https://linkco.re/2Yc1FQ4D
初のオリジナル楽曲。軽快に連なるピアノの旋律が、冷え切った雪化粧の煌めきを描き出す、そんな1曲。生活音や環境音が溶け込み、ビターな日常と地続きのまま、ワルツ調のメロディラインが非日常を立ち上げていて。塩梅がステキですわ。しっとりとしたハスキーな歌声も上品で、繊細なビブラートが綺麗でした。
#5『ブルーム feat. 燈明寺かぐら』/ amayoi
◆所属:燈明寺かぐら ⇒ Re:AcT
◆作詞・作編曲:yuu
◆デジタル配信:https://big-up.style/wnjpVmIYgF
2ndシングル。ゲストボーカルに、Re:AcT所属の燈明寺かぐらを迎えています。どこか懐かしさもある、爽やかなロックナンバー。淡く澄んだ空気の中、ふとした瞬間に頬を撫でる風の様な感触がありますね。滲んだ感情を零さない様にする焦燥感に近いモノもあって。エモーショナルなメロディと歌声が楽曲に一本の綺麗な芯を通してくれています。かぐらちゃんの歌声は、独特の艶と丸みがやっぱ好きですね。自然な伸びも風情がありますわ。
#6『re:VISION』/ Ninomae Ina'nis
◆所属:ホロライブ EN
◆デジタル配信:https://cover.lnk.to/d9PMP5
1st EP。2021年のデビューシングル「VIOLET」から、最新シングル「TAKO∞TAKOVER」までの4曲に、新録2曲と「VIOLET(Acoustic ver.)」を加えた全7曲を収録。
デビューから約5年半にして、彼女が積み重ねてきた物語を見つめ直す、集大成的作品が出来上がって良かったなと思います。Tr.1「VIOLET」からTr.3「TEMARI」までのシングル群、そして未来古代楽団が手掛けた新録Tr.6「Abyssal Hymn」は、描かれる情景こそ異なるものの、共通して神話的で、どこか物語の主題歌を思わせるシネマティックな空気がやはり印象的。繊細に紡がれるメロディラインは、イナの儚げだけど凛としたトーンの歌声がよく映え、日本語詞も柔らかく可愛いニュアンスが強く出ています。一方で、Tr.4「TAKO∞TAKOVER」は一転してコテコテのオタクライブアンセムで大好き。続くTr.5「タコダチのうた」は童謡の様な親しみやすさがありつつ、歌詞は凄く切実で、壮大に拡がる展開が良い意味で意外でした。ラストを飾る「VIOLET(Acoustic ver.)」で、全編を読み終えた後に、そっと本を閉じる様な余韻を残してくれました。3月27日と28日には、アメリカ・ロサンゼルスにて、小鳥遊キアラと共にツーマンライブを開催。大成功を祈っていますよ。
#7『DISASTERPIECE』/ Mori Calliope
◆所属:ホロライブ EN(レーベル:ユニバーサルミュージック)
◆デジタル配信:https://lnk.to/mc_dsp
3rdアルバム。2025年はタイアップ曲やコラボ楽曲を精力的にリリースしてきた年であり、本作には5月発表の「Die For You」以降のシングル5曲に、新録5曲を加えた全10曲を収録。
タイトルに込められているのは、"不完全な自分の提示。そして不完全であることの美しさ"。完璧でない事を肯定する、そんなパーソナルで切実なテーマを持った作品になりました。前作『PHANTOMIME』が挑戦的な転換点だった訳ですが、その姿勢を更に突き詰めた仕上がりに。オルタナロックの枠を超え、ほぼニューメタルな楽曲もカリオペのスタイルの一つとして型を定着させ、速力、推進力、爆発力に磨きが掛かった様に思います。一方で、ジャンルは引き続きごった煮。一気にトーンダウンする曲を挟まれ、通しで聴いた時のテンション感については賛否分かれる構成ではありました。ただ、その振れ幅があるからこそ、カリオペの表現力が際立つのも事実。真骨頂である流麗なラップに、キレキレのシャウト、艶のあるクリーンまで。その全てが共存し、今の彼女を形作っていると思うので。既発シングルはTr.3「Gold Unbalance feat. 中島健人」が特に好きで、新録曲に関しては、後半の流れが良かったですね。Tr.8「INSOMNIAC BLACK」は遊び心を出しつつヒップホップに振った原点回帰っぽさもあって。Tr.9「Shuuden」は、前作の名曲「Last Days」の系譜に連なる今作屈指のバラード。無慈悲に流れる時間に対する心境変化が丁寧に描かれており、行き場のない苦悩から決断へと至るまで。最後には"you'll find me, no matter where I go"が希望として胸に残りました。個人的には、カリオペはこの路線が最も"素"を落とし込めている様な気がします。今なお前衛的で、不完全だからこそ貪欲で、開放的でもある。前作に引き続き、自分自身と戦いながらも肯定している。彼女のそんな姿にファンは勇気づけられるのだと思います。
#8『Vogelfrei』/ Takanashi Kiara
◆所属:ホロライブ EN
◆デジタル配信:https://cover.lnk.to/m2PVAv
2ndアルバム。2024年4月にリリースした「CHIMERA」以降の、外れ無しシングル4曲に、新録9曲(内Interlude3曲)を加えた全13曲を収録。
ガチ名盤!前作から正統進化を遂げた1枚。K-POP的な感性を軸に据えたダンスチューンは一層スタイリッシュさを増し、フェミニンな魅力も前面に押し出されています。楽曲毎に、セクシーな女王感、危なげなアングラ感、誘惑的な都会感、超自然的な開放感まである。それでいて、Asteroid Music Teamのメンバーが手掛けるプロダクションの統一感が強い。柔らかくモダンな音色、芯のあるビート、K-POP特有のメロウなグルーヴ、そして甘美でキャッチーなメロディライン。キアラ自身の歌声も確実に進化しており、余裕を感じさせる伸びやかさと滑らかさが印象的。ウェットな質感で、キュートにもクールにも歌い上げる切り替えが巧み。極めて魅惑的なベールを纏っていますわ。前半には新録曲が固まっており、Interludeを挟みながら展開する運びも綺麗。Tr.3「Martyr」の様なアンセミックな楽曲は、アーティストとしてのステージを一段階引き上げた事を実感させます。Tr.6「Manifest」では、波紋状に広がっていくメロディが気に入っています。既発シングルが並ぶ終盤の手前に配置されたTr.9「Blue & Gold」も外せない。卒業してしまった同期の"ワトソン・アメリア"と、"がうる・ぐら"への手紙となっており、喪失感を包み隠さず描きながらも、同時に温かい感謝と祝福と繋がりに満ちていて、胸を打たれましたね。本作を通して、彼女の世界観が固まり、VTuber音楽シーン全体の中で自身のジャンル的ポジションを確固たるモノにしたなと思います。今年も多くのVTuberアルバムがリリースされるでしょうが、本作は絶対に欠かせない一枚です。
#9『PULSE』/ 妃玖
◆所属:RK Music
◆歌詞・作編曲:niki
◆デジタル配信:https://linkco.re/nzUP2eqa
デビューシングル。nikiさんらしい壮大でメロディアスなロックバラードに仕上がっていますね。ダークで纏まり付く様な粘度を持った空気感、その張り詰めた状態をサビで一気に払拭する、解き放つ。楽曲そのものの呼吸感が美しいです。重心低めのしっかりしてる歌声、切実さが揺らがない祈る様な歌唱がステキでした。
同時デビューとなったDiα - ディアのシングルは2月22日公開みたいです。彼女達のデビューに併せて、新レーベル「Fused」を設立。在籍していたCULUA、CONAもこちらに合流し、4人での現地ライブも開催決定しました。実写でも活動できるレーベルの様子なので、ライブ楽しみです。
#10『Stardust Away』/ DÉ DÉ MOUSE & WaMi
◆所属:DÉ DÉ MOUSE⇒MICE ENTERTAINMENT.INC、WaMi⇒無所属
◆作詞・作編曲:DÉ DÉ MOUSE
◆デジタル配信:https://ultravybe.lnk.to/stardustaway
久々のコラボとなったニューシングル。オリエンタルな香りを帯びたサウンドが、夜の街にそっと光を灯す、そんなUKガラージナンバー。艶やかではあるけれど派手すぎない、夜の大人の街並みがイメージされますね。グルーヴが徐々に歩み寄って、浸透していくる感じが落ち着きますわ。WaMiさんの歌声も吐息の温度感を残したまま、隙間を縫うしなやかさもあって。このタッグでしか描けない安心感があるなと改めて思いました。
#11『KΛLEIDOSCAPE』/ 春野
◆所属:Victor Entertainment / STYRISM INC.
◆作詞・作編曲:春野
◆デジタル配信:https://linkco.re/cbrbFqhd
アクションRPG「アークナイツ:エンドフィールド」のローンチキャンペーンのために制作された、ゲーム内キャラクター"ギルベルタ"の非公式イメージソング。HACHIや稀羽すうなどVTuber楽曲でもお世話になっている春野さん。温かくて柔らかな暖色系のポップスナンバーとなっており、音色が光を反射させる様に重なり合い、煌めきとして情緒を添えていく感じがとても美しいです。メロウなグルーヴが染み渡り、したためられた手紙の様な歌詞もスッと入ってくる。弾き語りを思わせる佇まいで息づく歌声もステキでした。因みに、エンドフィールド毎日夢中で遊んでいます、本家と並んで神ゲーです。ギルベルタもお迎えできて嬉しい。
#12『四面楚歌』/ ナナツカゼ
◆所属:無所属
◆作詞・作曲:nakotanmaru、作編曲:PIKASONIC
◆デジタル配信:https://nanatsukaze.lnk.to/Remedy
ニューシングル。"デジタル社会、監視社会で生きる僕たちの四方を囲まれる孤独感、孤立感を表現"したと云う1曲。不思議な温度感が良いですね。苦しさと同時に、無数に眼差しに晒される事無く、"君"との間でのみ成立する秘密の共有的な感触も歌詞の最後にはあって。ギリギリの切実さが美しく感じます。サウンドも和の音色と電子音の交錯がとても幻想的。美しい詫び寂びが漂う中で、内なる叫びを歌声に乗せて解き放っています。小さな刃の様で、大きな祈りの様です。今年こそはワンマンライブあると期待!
#13『Immoral and Malevolent Happenings』/ Before I Turn
◆ジャンル:プログレッシヴ・メタルコア
◆国:アメリカ(コネチカット州ハートフォード)
◆レーベル:自主
5thアルバム。2024年10月にリリースした「...and she was beautiful」以降のシングル3枚に、新録9曲を加えた全12曲を収録。
名盤候補。まるで雪が降りしきる静寂の中に立たされているかの様な、凍てついた感触と不穏な空気を纏った1枚。これまで以上にシアトリカルで、情景描写の精度が高いなと。哀愁ある景色と内側で煮え滾る激情が、美しく入り乱れている感じ。一方で、音楽性は活動初期から今も尚、重厚で純度の高いプログレッシヴ・メタルコアを愚直なまでに貫いていて。Djent特有のリズム、ユニゾン、浮遊感をふんだんに搭載。緩急と強弱を大胆に振り切るメロディラインが、ディープな世界観へと引き摺り込んできますね。憂いを帯びたコーラスに上にスクリームを織り重ねていく、何とも言えないグラデーションも特筆すべき点。シンセのアレンジも絶妙で、ピアノやストリングスの存在感が今作では際立ち、悲劇的なスケール感を与えています。新録曲の中でも、Tr.7「Oh My, How They Bled!」と、Tr.11「Always Haunted」が特に印象的でした。後者はアルバムのクライマックスとして相応しい。サウンドプロダクションが若干よろしくないんですが、未だに自主リリースなので大目に見ましょう…。モダンに迎合するアップデートと云うより、熟成感を味わえる作品でした。この手のバンドは今の時代、逆に貴重かもですね。
#14『RUNNING AWAY (Destruction Test Remix)』/ AFTERVOID
◆ジャンル:ハードコアテクノ
◆国:日本
◆レーベル:自主
昨年夏から活動休止中のメタルコアバンドCrossfaithのVo.Koieによるソロプロジェクトが開始。同じく休止中のa crowd of rebellionのVo.大作によるnoma(D)と同じ流れかと。メタル要素は残っていますが、Remixと云う事もあり、限りなくハードコアテクノ。Crossfaithの骨格でもあり、上澄みでもある部分で、バイブスは間違いなく感じますね。復活までボーカルが率先して存在感を出しておく、下拵えをしておく、意義は間違いなくあると思うので、リベリオンもCrossfaithもその時を信じて気長に待ちましょう。
以上、2/2~2/8はアルバム3枚、EP1枚、シングル10枚の新曲感想でした。ここまで読んでくださり、ありがとうございました。その他、何かオススメ曲や要望等あれば何でもお気軽にコメントください。また、少しでも良かったと感じていただけたら、スキ♡を押したり(noteのアカウントなくても押せます)、シェアしたりしていただけると大変励みになります。フォローも大歓迎です。よろしくお願いします!
※先週の新曲感想はこちらから。
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