「巻き肩の正体」と「瞑想の配達屋さん」。
今年も残すところあと十日。
この一年もnoteの一員でいられたことを、本当に幸せだと思います。
今年は、いままでの人生のなかでも、際立って学びの多かった年だと……おおげさでなく感じます。
それを書きだしたらきりがありませんが、年の後半に「姿勢の配達屋さん」を始めたことも、わたしにとっては大きな一歩となりました。
今年最後の投稿は、その「配達」のときにみなさんにお伝えしているワークのなかから、日常的に使いやすいものをひとつ、お届けしたいと思います。
また、この間、素晴らしい体験記事をご投稿くださった方々がいらっしゃいますので、そちらもあわせてご紹介させてください。
受けとり手からの視点で書かれているので、わたしが書くものとはまた違ったわかりやすさのある記事です。ぜひ、ご参考になさってくださいね。
さて、姿勢指導のとき、特に注視している体の部位がいくつかありますが……そのひとつが肩甲骨です。
肩甲骨の役割を端的にお伝えすると、「体幹と腕をつなぐ」ということになるかと思います。
腕の骨って、直接肋骨につながっているわけではないんです。
肩甲骨、そして鎖骨を通して、腕は初めて体幹と接続します。
その構造のおかげで、腕は、より自由に、自身の長さと強さを越えたダイナミックな動きを生みだすことができるわけですが、ここでは少々単純化したイラストを用いて、肩甲骨と上腕骨の関係をご説明していきたいと思います。

上腕骨は、上のイラストのように、肩甲骨の一端とつながっています。
肩甲骨を逆三角形だと捉えると、胴体の外側にある頂点と上腕骨の先端とが接続している……という構造です。
腕の動きにあわせて、それぞれの骨は、たとえばこんなふうに動きます。

左が腕をおろした「基本の状態」。
中央が「両手を上にあげたとき」、右が「両手を前に伸ばしたとき」の骨の動きです。
腕の動きに伴って、肩甲骨の下端が外側に向かって回転したり(上方回旋)、背骨の両脇にあった肩甲骨が肋骨の側面側へ移動したり(外転)する様子が伝わるかと思います。
こういう動作のあと、肩甲骨は一旦定位置に戻り、次の動作に備える……というのが自然な動き。
ただ実際には、ひとつの動作のあと肩甲骨が定位置に戻らず、主に外転した位置のまま常態化する、ということが頻繁に起こっています。
それはいうなれば、肩甲骨が「出しっぱなし」の状態にあるということ。
横からのイラストで、その様子をみてみましょう。

肩甲骨が背中に収まった、左の「基本の状態」に対して、右側の絵では、肩甲骨が肋骨の側面に「出しっぱなし」なのがわかります。
肩甲骨がこの位置にあると、上腕骨のつけ根も前方に寄ることになりますから、自ずと肩がまるくなります。
これが、巻き肩の正体です。
この状態を、ちょっと鳩に例えてみるとこんな感じ……。

飛ぶときにはひろげる羽根を、鳩は通常背中に「しまって」歩きますが、それが「出しっぱなし」のままだと……ちょっと大変そうですよね。
羽根を背中に収めて歩く鳩のように、必要のないときには「肩甲骨を背中にしまう」。そう意識するだけで、肩にかかる負担がとても軽くなりますよ!

ではそのためのワークをひとつ、お届けしますね!
「お盆のワーク」と呼びたいと思います。
ひとつひとつの動作にイラストを添えましたので、そちらをご覧になりながら試してみてください。
【お盆のワーク①】
まずは、「胸の目で前をみる」。
※「胸の目で前をみる」ことの詳細については、別記事「『体で笑う』。自然にととのう姿勢学。」の第二章をお読みいただけたらと思いますが、そちらの記事からイラストのみ、ここに転載しておきます。
「胸を張る」のではなく、「ふたつの胸の目」で、まっすぐに前をみつめる感覚を大切にしてください。

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【お盆のワーク②】
お盆を持つように、両手を前にだす。
このとき、必ず脇をしめてくださいね。

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【お盆のワーク③】
脇をしっかり締めたまま、両手を開く。
脇と肘を、しっかり胴体に密着させたまま腕を開いてください。
両腕をつなぐラインが一直線になるのが理想ですが、難しい場合はできる範囲から始めてください(息を吐きながら実行すると、腕が開きやすいのでおすすめです)。
肘を胴体から離さない、ということを優先させ、徐々に腕が開くようになるのを焦らず観察してみてくださいね。

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【お盆のワーク④】
③で開かれた肩の状態をかえないように、お盆を持った状態に両手を戻す。
肩を開いた状態をキープしながら両手を前に戻せれば、肩甲骨は、ちゃんと「背中にしまわれた」位置に戻っています。
体感としては、思ったよりずっと肩が後ろにある!と感じる方が多いかもしれません。

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【お盆のワーク⑤-a(直立用)】
そのままそっと手を降ろす。
④の姿勢から肩が動かないように氣をつけながら、肘から先をそっと下におろしてみましょう。
肘の内側とてのひらは前を向いた状態であることを意識してみてください。

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直立した姿勢をつくるためには、上の「お盆のワーク⑤-a(直立用)」でひととおり形になりますが、実際には、何もせずに直立している時間よりも、両手を使って作業をしている時間のほうが圧倒的に長いのが、わたしたちの生活ですよね。
ですので、「お盆のワーク④」から「作業をする」ための姿勢への移行方法も、⑤-bとしてつけ加えておきますね。
【お盆のワーク⑤-b(作業用)】
肘から先だけくるっと返す。
④の姿勢ではてのひらが上を向いていますが、肘から先だけくるっと返しててのひらを下に向ければ、そのままパソコンを打ったり、食事をしたりなどの日常動作をこなすことができます。
重いものを持ったり、遠くのものに手を伸ばしたりするときには肩甲骨を側面に引っ張りだす必要がありますが、ちょっとした作業には、実は肩甲骨は背中に「しまったまま」のほうが体に負担がかからないことが多いのです。
まずは、パソコンなどのデスクワークや、食事や家事をこなすとき、肩甲骨を「しまった」状態で過ごすことを、意識してみてくださいね。

さて、冒頭に書いた通り、ここまでお話してきた肩甲骨の調整はわたしの姿勢指導の大切な柱のひとつですが、それにも増して欠かせないのが骨盤の調整です。
骨盤については、いずれしっかり記事にしたいと思っていますが、それに先駆けて、大変わかりやすい体験記事を書いてくださったのがM夫人。
記事はこちらです。
M夫人の大切な「友人」ウルさんが、大活躍してくれた記事です。
一部の文章と、記事中の写真を少し転載させていただきますね。
まず、立ったままお辞儀をして下さい、と言われました。
言われた通りお辞儀をします。ちょっと背中が丸まってしまったようです。
次に、手をチョップの形にして左右の鼠径部に押すように沿わせ(るるさんがお手本を見せてくれます)、もう一度お辞儀をしてみます。

すると、あら不思議。背筋がまっすぐに。

手をこの位置に置いてお辞儀をすると、自ずとそうなるのだそうです(逆に、背中を丸めにくくなります)。るるさんはこれをチョップお辞儀と名付けています。
(中略)
次に手はこのまま、椅子に深く腰掛けます。るるさんはこれをチョップ座りと呼んでいます。

キュートなウルさんの、チョップのお上手なこと!
続きはどうぞ、M夫人の記事でご覧ください。
もうおひとかた、わたしに素敵な機会を与えてくださったのがりあこさんです。
実はりあこさん、電車で三時間かかる遠方からいらしてくださって……ですからこちらも、一日かけて楽しんでいただけたら、という氣持ちでお迎えしました。
そして、その状態だったからこそ実現させてもらえたことがいくつかあって……ご縁に感謝の一日となりました。
まずはりあこさんが、ブランコ呼吸(わたしの過去記事で提唱した呼吸法)について書いてくださった記述を、少しご紹介させてくださいね。
姿勢の配達屋さんで、るるさんに直接教えていただいた背中の動きは、想像していたより、ずっと、大きくてしなやかでダイナミックな動きで、
たとえるなら、
赤ちゃん用ブランコから、
『ハイジのブランコ』に乗り換えたみたいな感じ!
👆伝わります?笑
るるさんちのカーテンが私の息で揺れるほど
息の量が増えて、吐くのも吸うのも深くなって
リラックスしながらも高揚するような心地よさ。
もう私は、『人体』のすごさに、感動せずにはいられませんでした。
とっても上手に、ブランコ呼吸をマスターしてくださったりあこさん。
りあこさんに、その「ブランコ呼吸の導入法そのもの」をお伝えさせてもらおうか……と思いついたのは、上京される際に、「無料の姿勢指導なんて行ったら、壺を買わされるよ!」とお茶目な心配をしてくれた三人のお嬢さんたちのお話を伺ったからでした(そのお話はこちらの記事から)。
(壺のかわりに、なにかお土産になるものはないかなあ……)。
そんな素朴な氣持ちが、「『ブランコ呼吸の導入法』をお土産に持ち帰ってもらい、お嬢さんたちに試してもらう」という発想につながりました。
そしてもうひとつ、その日初めての試みとなったのが、ご一緒に瞑想に取り組む時間を持つことでした。
実は少し前から、「姿勢の配達屋さん」と同じように「瞑想」も配達できたらなあ……という、漠然とした思いがわたしの心に芽生えていました。
姿勢指導で背骨がまっすぐになったあとは、実は大変「氣」が通りやすく、瞑想に取り組むのにふさわしいタイミングだと感じていたからです。
わたしの「姿勢の配達」は、そもそも大変時間のかかるもので、みなさんに三時間ほどお時間をとっていただいているのですが、多少時間が余分にかかってもいいから、プラスして、瞑想や「ブランコ呼吸導入法」を体験してみたいと思われる方がいらしたら……よかったら声をおかけくださいね。
もちろん、いちど「配達」を受けとってくださった方への再配達も喜んでいたします。
まだまだ手探りですし、実際には、みなさんからのお声をもとに「ブランコ呼吸導入法」を育てていくことになるのだと感じていますが、少しずつでも形をととのえていく、その挑戦を始めたいと思っています。
姿勢指導、ブランコ呼吸、瞑想の時間。
わたしの手から誰かの手へ、「快適」が伝わっていく──それを実感できるひとときは至福です。
こんなご縁をつなげてくれたnoteに心から感謝して。
ああ、いい一年だったなあ……!
