【ファンタジー小説】大魔法使いユウロは大魔法しか使えない (4)
再び森を訪れる三人。
「なあユウロ、こんなことやっても意味ないんじゃないか?」
腕を組みながらユウロに尋ねるガスト。
「意味ならあるよ」
報酬の宛てもないのに関わらず、ユウロは翌日も森に入り、雨を降らす大魔法を詠唱していた。
「でも、ギルドのやつら報酬出すわけじゃないだろ?お人好しが過ぎるんじゃないか?」
「あんたねぇ、ユウロは街の人のためになることをしてるんでしょう。私たちのためにもなるし」
肘でガストを小突くアネモネ。
「街の人のためか、そうなるかもね。じゃあ、二人とも明日もよろしく」
「雨降ってたら別のクエストやる気も起きないし、メシ奢ってくれるなら構わないぜ」
「護衛クエストの報酬もくれるしね」
ユウロの護衛クエストをこなし、ユウロから、報酬と食事代をもらう二人。
さらに三人は連日、森に行く。
「コールオブレイン!」
「なぁ、おい、川がすごいことになってるぞ」
川は何日か前までは干上がりそうであったが、今は荒れ狂う龍のようにうなりを上げ、いつ決壊してもおかしくないほど増水していた。
「ユ、ユウロ、雨の大魔法はもういいんじゃない?きっと街のみんなも満足してるって」
アネモネがあたふたしてユウロに言う。
「そうだね、もうそろそろ来てもいい頃なんだけど」
「ん、なんだお前ら?」
ローブを着た5人程の怪しい集団がガストの視界に入る。
「おまえがユウロだな。これ以上雨を降らせるな!」
ローブの男が言い終わる前に、アネモネは弓を構え、ガストは大剣を抜く。
「やっと来た。もっと早く来ると思ってたのに」
ユウロは慌てることなく剣を構える。
「大人しく、この街から出ていけ。そうすれば命は助けてやろう」
「うん?お前らどっかで見た顔だな?」
「あ、こいつらギルドにいたやつらだ!」
アネモネが弓を構えながら発言する。
「お前ら、ギルドの差し金か?」
全体を視界にいれながら警戒するガスト。
「あんたたち、ユウロが大魔法を使ったのを認めないって話じゃなかった?」
アネモネは弓を構えたまま距離をとる。
「どっちだろうと俺達には関係ないな。出ていくのか、ここで死ぬか。今、選べ!」
血走った目で脅迫してくる怪しい集団。
「僕は出て行っても構わないよ」
ユウロは冷静に言ってのける。
「おい、ユウロ!」
「ユウロ、いいの?」
「前回の報酬と追加の大魔法の料金を受け取り次第、すぐに出ていくよ」
「そうこなくちゃな!」
「言うじゃんユウロ!」
「ちっ!やっちまえ!」
ローブの集団がユウロ達に襲い掛かる。
続く
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