MSX1を極めた超人たち。85年美少女CG特集・完結編
1985年でのMSXのライバルは他のパソコンではなくファミコンでした。高額な8bit御三家と違い、安価で極めて高性能なFCはMSXの天敵と呼べる存在だったのです。この性能差は時代遅れの画像処理チップに集約されていました。現在の常識では考えられないほどの制約が画像表示に課せられていたからです。
今回はこのパズルのような「縛り」を、逆にアートとして昇華させていった超人たちについてのお話です。また世界に誇るべき、日本のパソコンCG文化についても考えてみました。
❶なぜMSXの画面はショボいのか?

MSX1の画像のショボさはしつこいぐらいお話してきましたが、独特の「縛り」が画像表示にあったことが原因でした。この「縛り」はゲームメーカーにとって大きな負担となり、同時にメーカーによっての技術差が露骨に現れることになったのです。MSXのゲームにコナミを筆頭に素晴らしいソフトと、「とんだ一杯食わせ者」の落差が大きかったのはこのことが一因でした。


初代MSXはホビーパソコンの主力だった8ビット御三家や、ファミコンに比べるとCGの貧弱さは明白でした。まあMSXの画面制御チップであるTMS9918は、1981年の発売という骨董品ですから仕方がないのですが・・・ゲームにも美少女の欠片も出てこない状態です。知らない方の為に簡単にMSX1のCGの性能を説明すると、まず固定16色のカラーパレットの色彩がかなり特殊なんです。


この固定16色で最も憎むべきは、あの汚らしい・・・アワワ独特な赤色。MSX1と美少女CGの相性が悪かったのは、赤色がシャアザクよろしく独特のくすんだ「あずき色」だったことも一因でした。このためベタ塗りすると、MSX1の美少女はみんなガングロギャルみたいになっちゃうんですよ。このMSX1の肌色表現の難しさに関してはHarayokiさんが詳しく解説してくれています。








「今回のポイント・マンは、オレ一人でやる。」これは本作戦の基本方針です😁

また横8ドット単位で2色しか使えないという制限もありました。もちろん黒や透明色も1色と数えます。これはMSX1でCG作成をした経験のある人なら必ず壁になった、かなり厳しい仕様でした。もはやここまでくるとパズルですよ。MSXユーザーでなかった方は、この縛りを意識してCGを見直してみて下さい。

この制限をごまかすため、アクションゲームなどに使用するスプライトをかぶせるというテクニックが開発されました。塗り絵の上からシールを貼って誤魔化すイメージですね。スプライトは横8ドット単位2色 の制限をうけないので、パッと見豪華なMSX1のCGは大体この技術を使用しています。美少女CGではキモになる瞳の描写に使うのが鉄板でした。
しかしMSX1のスプライトは単色で横方向に4枚までしか表示できないため、多用するとチラつきが起こってしまうんです。このように複雑な技法を駆使するのは相当手間がかかるので、市販のゲームで採用されたものは僅かでした。この仕様を頭に入れて改めてコナミなどのMSX1のゲームを見てみると、その技術の凄さが解って面白いですよ。




実はドット数的にはMSX1は256×192ピクセル、ファミコンは256×240とほとんど差がないんですよ。ですから横8ドットで2色という制限がなければ、またはもう少し緩ければ「16色でも52色のファミコンを凌駕するようなCGが作製出来たんじゃないか」とぼやく人は結構いました。勿論ファミコンにも独自の制限があるんですけどね。

今回はお話をCGに絞っていますが、アクションゲームなどのキャラクターを動かすスプライト機能もMSXは貧弱でした。ファミコンが1画面の総枚数64枚に対して半分の32枚なんですが、何と言ってもFCが1つのスプライトに3色なのに、MSXは単色なのが痛かったです。「🤔あれ、コナミなんかでカラフルなキャラ見たことあるけどな。」と思う方がいると思うんですが、あれは単色のスプライトを重ねてるんです。「じゃあ全部そうすればいいじゃん。」と思うでしょ?そうすると今度は「横方向に4枚まで」の制約にひっかかってくるんですよ。敵キャラや弾が大量に出るタイプのゲームは、チラつきが凄くてゲームにならなくなります。

僕が見た中で一番チラつきが凄いのは、かつてゲーセンでやりこんだ『戦場の狼』のMSX版。廉価版MSX2であるパナソニックA1のイベントで見かけたんですが、他のゲームが長蛇の列だったのに誰もやってなくて「ラッキー」とばかり飛びつきました。プレイした瞬間理由が解りましたよ。発売元がアスキーにもかかわらず、身内のMSXマガジンでも
😒「遅い遅い、プールの中を走ってるよう。」
😁「戦場の狼と言うより戦場のおじいさん。」
と、メチャメチャに酷評されています。これは画像を見るより動画を観ないと衝撃が伝わらないので、リンク先の
「無茶移植 戦場の狼 ちらつきと戦う一匹狼」
をご覧ください。2面の塹壕戦は横ラインに敵兵が大量に出現するので、怒涛のちらつきを堪能できます。

ちなみに小島秀夫監督の出世作とも言える『初代メタルギア』は、元々戦場の狼と同じコンセプトの“バンバン敵を撃ちまくって進むミリタリーゲーム”の企画だったそうです。しかしMSX2でもスプライト機能はほんんど強化されなかったので、このようなアクションゲームの開発を断念。しかし逆転の発想で、「戦闘シーンが困難なら、戦闘を回避すること自体をゲームにすればいい」という、今までにない斬新な企画を小島監督は閃いたのでした。性能の劣るMSXで面白いゲームを創るのには、こうした創意工夫がどうしても必要だったんです。そう考えればMSX版戦場の狼は、メタルギアシリーズを生んだ存在と言えるのでは…な訳ないか💦発売時期も殆ど同じだし。

一方でゲーム性の再現を優先したナムコのMSX移植は頑なに単色スプライトを採用していました。 ギャラガやパックマンの頃は誤魔化しが効いたのですが、『マッピー』あたりになると「😣これはマッピーなんだ、そうなんだ」と脳内変換する必要があったんです。




しかし中学のパソコンクラブで「やっぱり単色のマッピーはショボい。」みたいな話をしていたら、顧問のMZ-700先生が「MZ-700版はマッピーやニャームコも記号やカタカナなんだぞ。」と言われて信じられなかったです。文化祭の時実物を見せて貰ったんですが、見学に来てたファミコンユーザーのナムコくんが
😑「なんでそこまでしてパソコンでゲームしたいの?ファミコンの方が安いし綺麗じゃん。」
と、藤川球児投手ばりの火の玉ストレートを内角高めに投げ込んできて、クラブ全体が凍り付いたことがありました。いいんだよ!どんな劣化移植でも愛機でゲームやるのがパソコン少年なんだよ!🤣
実は現在のMSX1CG作製の第一人者、やぢおぅさんがMSX1マッピーを描きなおしてくれてるんです。やぢおぅさんはイマイチだったMSXのゲームを素晴らしい形で復活してくれる、僕にとって神様みたいな方なんです。作製してくれた妄想MSXゲームを見ているだけで心が癒されてしまいますよ。レトロゲームユーザーの方は是非noteを覗いてみてください。

何と念願の5階建てに増築されています。マッピーはやはり単色なんですが、可愛らしく再現されています😻やぢおぅさんは猫ちゃんのドット絵を最も得意とされているので、ミューキーズのキュートなドット絵も必見です。

❷MSX1CGの主なゲームタイトル
ここからMSX1CGを使用した主なゲームタイトルを、時代順にざっと紹介していきますね。MSXユーザーの性でちょっと詰め込み過ぎたので、画像を見てかる~く読み飛ばしてください🙇





MSX鉄板のネタゲーです。


フミヤがイイ感じでMSX仕様に日焼けしてます。

広告に「さあ、女の子を家に呼んでチェッカーズと遊ぼう。」無理だろ!🤣




セガ・マークIIIの「アウアーアーアー」なんか目じゃないぜ!😁






























この想い出はまたいずれ…

光栄最後のMSX1タイトルで、実はOPが神懸っています。

駄菓子屋を彷彿とさせる色彩です。
❸進化し続けるMSX1職人たち

前述した通り、初代MSXの画面制御チップであるTMS9918は1981年の発売という骨董品で、デビューが同じ1983年だったファミコンに比べても明らかに劣っていました。後継機種のMSX2のCG性能が強力だったこともあり、わざわざ貧弱なMSX1でCGを製作し続けるユーザーは少なかったのです。一方商業作品ではコナミが芸術的なMSX1作品を次々と発売していました。しかしこのレベルに追従するメーカーはついに現れることなく、コナミのMSX1撤退と共にその技術も消えていくこととなるのでした。

実機時代、MSX文化の最後の継承者だった『MSX・FAN』誌では最終号まで高レベルなCGが投稿されていましたが、MSX1の物はほとんどなかったように思います。


ところがネット時代が到来しエミュレーターなどの発達でMSXが再評価されるようになると、俄然MSX1職人たちの超絶CGがネット上を賑わすことになるのでした。僕がSNSを始めたのは2022年と最近のことなのですが、MSX1のCG文化はもはやロストテクノロジーだと思い込んでいたので心底驚いたことを覚えています。そのなかで僕が知り合った超人の方々をご紹介します。
●魚人様

魚人様にはTwitterでもお世話になりました。またいつかお会いしたいな…
ネット時代が到来した黎明期からMSXでの創作活動を続けられている、まさに生き神様のような存在です。1999年に発表された「なんちゃってMSXゲーム」と題された『マネシス99改』は、世界中のレトロゲーマーに
🤔😲🤩「その手があったか!」
と衝撃を与えたのでした。3Dのポリゴンが絶対視されていたこの頃、あえて時代に逆行したレトロな画面は、まさに革命的なフリーソフトだったのです。間違いなく現在に続く「レトロ風フリーゲーム」のオリジンと言えると思います。これ以降ファミコン風、レトロマシン風のフリーソフトが大流行することになります。この『マネシス99改』の創った流れは後述するMSX系クリエイター集団の最高峰、GR3 PROJECTに引き継がれていくことになるのでした。

その後も魚人様は魔城伝説をオマージュした『ときめきナイトメア』やオリジナルMSX1風シューティング『おそるべし!ザクロギアン』や『ヴォルカバンバ』を公開しています。かつて黎明期に存在した多くのMSXサイトが閉鎖されている中、魚人様の「海底都市マチョピチョ」は現在も活動を続けられています。僕も2000年頃より魚人様にはお世話になりっぱなしでした。当時を知るMSXユーザーの故郷のような存在なんです。

●ならむらさん

MSXの実機文化が一旦終結し、永い眠りについていた時代がありました。しかしネット創世記に数多くの独立系MSXサイトが誕生し、復活のMSXユーザーパワーが炸裂することになったのです。ユーザー達がサイトの掲示板を介して交流するようになり、新時代のコミュニティを形成していきました。そうしたレトロパソコン界隈では最も盛況だったのがMSXだったと思います。(あくまで僕の主観ですよ💦)
その総本山とも言われたのが現在「NIGORO」のビックボスである、楢村匠さんが運営する「MSX3 TN HOMEPAGE」だったのです。僕は「NIGORO」メンバーのサミエルさんに誘われてお邪魔するようになったのですが、掲示板では当時のMSXサイトの主要メンバーが集結しており、さながらMSXの梁山泊のようでした。

「MSX3 TN HOMEPAGE」の目玉は「GR3 PROJECT」という魚人様の『マネシス99改』を発展させた、究極のMSX風グラディウスを作製しようという試みでした。2001年発表の『GR3』は一世を風靡し、その後制作されたガリウスの迷宮をオマージュした『LA-MULANA』はフリーソフトの域を超えた世界的な作品となり、後に市販化されることになります。






2007年2月に「GR3 PROJECT」のメンバーがそのまま移行する形で「NIGORO」は結成され、プロのゲームクリエイター集団へと発展していきました。僕は彼らと交流する中で「アマチュアの域に留まるべきではない」と確信していました。ですから「MSX3 TN HOMEPAGE」閉鎖の際のチャット大会で、寂しいながらもかつて同じ時を過ごした仲間たちが、メジャーリーグに挑戦するような感慨に浸ったことを忘れることが出来ません。その後のならむらさん達の活躍は言うまでもありませんね。

●やぢおぅさん
僕が浦島太郎状態でTwitterを始めると、多くのMSXユーザさんから「すげえ人がいるぞ」と教えて貰ったのがやぢおぅさんでした。そのポストを覗いてみると、かつて他機種ユーザーから「ショボい」とバカにされ続けてきたMSXのゲームが信じられない姿で蘇っているではないですか!


MSX1でスムーズスクロールの実現に執念を燃やす凄腕プログラマーTKZ80さんが、このCGを使って「妄想ダライアス」として再現してくれました。まだ遊ぶことは出来ませんが、これまた凄い完成度!🤩PSG3音の哀愁に満ちたBGMと見事にシンクロしています。MSXFANのスーパースター、なるとさんのサウンドドライバを使用されているとのことです。最新の「MSXトップ集団のコラボ」を体感してみて下さい。



やぢおぅさんはイマイチだったMSXのゲームをリファインされたり、ファミコン向けタイトルが「もしMSXに移植されていたとしたら?」という IF 移植を数多く手がけられています。CGだけでなくMSXでおなじみだった単色のキャラクター達も、可愛さ128倍で描きなおされていますよ。やぢおぅさんの妄想MSXゲームを見ているだけで癒されてしまいます。レトロゲームユーザーの方は是非noteを覗いてみてください。
こんなの見せられたらMSXで実際にやりたくなっちゃいますよね。実はカシオの名作『妖怪屋敷』のCGを、やぢおぅさんのCGで全部描きなおしたバージョンがあるんですよ。noteを拝見すると北信地方の民家や神社に取材ロケまでして作成されたそうです。


実はやぢおぅさんはMSX FAN1987年8月号に掲載された投稿作品『BurdenPanic』の作者さんだったんです。僕も友達が入力してくれたのを遊びました。当時の投稿で際だって綺麗な画面が凄く印象に残っていました。30年以上の時を経て、こういう形で出会えたことを本当に嬉しく思います。

●あかべこThe Movieさん
ゾンビランドサガとMSXをこよなく愛するドット絵職人さん。レトロパソコンの代表的な美少女ゲーム『アルファ』のMSX1バージョンなどを作成されています。Twitterでアルファについて検索していたら、あかべこさんのCGを見つけて驚かされました。結局クリスちゃんにはMSXで会うことが出来なかったので感激しましたよ。あかべこさんの独特にディフォルメされた美少女達は本当に魅力的です。




これなら劣化に耐えられるはず!#MSX #アルファ pic.twitter.com/ksO2N63kRd
— あかべこ The Movie (@akabekothefinal) November 5, 2020
現在のMSX1CG製作は、新たに開発された専用の画像変換ツールを使用する方法が主流となっています。その中であかべこさんは、昔ながらのWindowsペイント+マウスで1ドットずつ打ち込む方式で作製されてるんですよ。そのため「MSX1の制限に沿って描いているつもりではありますが、間違いがあるかもしれません。」とのこと。一枚一枚手間暇と愛情をかけて描かれた美少女達に感動してしまいます。



MSX縛りを守った美しい青い瞳が印象的です。
●イヌゾーさん
ちょっとHな福袋、じゃなかったMSX1CGを描かれているイヌゾーさん。何度も言うようですがMSX1で美少女の肌色を表現するのは本当に大変なんですよ。その中でイヌゾーさんのMSX1CG美少女の「艶っぽさ」は抜きに出ています。

MSX版とファミコン版のゲームCGをさらにリファインされています。

タイトルロゴの唇まで再現!






●Harayokiさん
僕が理不尽にTwitterを凍結され、noteを主戦場にしてから知り合ったのがHarayokiさんでした。MSX1の固定16色で最も憎むべきは、あの汚らしい・・・アワワ独特な赤色。このせいでMSX1の美少女はみんなガングロギャルみたいになっちゃうんですよ。「大事なことなので2回言いました😁」HarayokiさんはそんなMSX1の肌色表現に拘った方で、noteで多くの技術投稿をされています。



HarayokiさんはCG製作のスキルも素晴らしいのですが、数々のMSXの画像用ツールを開発しオープンソースとして公開してくれています。このように新しい技術を開発、公開される方がいるからこそ、MSXの文化は継続され進化しているのだとつくづく思います。



「元絵はチャットGPT、フォトショップで1次加工、自作のAEプラグインで減色、再度フォトショップで修正。単にMSXフィルタかけたものではございません。色合いはMSX1の色の多くが出るようにかなりこだわっています。」とのことです。
●いのしか虎寅虎さん
MSX1の美少女ドットアニメを多数制作されている方です。らんま、うる星やつら、きまぐれオレンジロードなど僕と趣味が重なりまくりで、Twitterであっという間に意気投合しました。









MSXにはSCREEN3という64×48ピクセルという殆どモザイクのような画面モードがあるんですが、流石にほとんど使われることがなく、歴史の狭間に消えていったと思われていました。しかしMSX2では512色中16色を選択という点に着目し、画面の粗さを補うドットアニメという世界的にも類をみない新技術を開発。MSXの歴史に新たなる1ページを切り開いた革命児であります。
過去ツイと同じ場面やん (再掲)#きまぐれオレンジロード #鮎川まどか https://t.co/xNr5tgjYBp pic.twitter.com/Ki8sbhGQN2
— いのしか虎寅虎 (@TooLucky_) March 18, 2025
#MSX #MSX2動画 #16色グラフィック#らんまアニメ #らんま #ranma らんま1/2
— いのしか虎寅虎 (@TooLucky_) January 1, 2025
らんま シャンプー詰め合わせ (BGM付き) pic.twitter.com/mtsAkFC3sq
MSX1の標準であるSCREEN2を使用したアニメ技術も凄まじく、この『きまぐれオレンジ☆ロード』1期のオープニングの再現アニメはサウンドまで入っていて、腰が抜けると思いました。一体何枚のCGを使ってるのか想像も出来ません。1枚1枚ていねいに調整しながら作成されたのだと思うと頭が下がる思いです。我が家に遊びに来てくれた時に、MSX0 Stackという超小型MSXで再生してくれた時は感動で涙が出そうになりましたよ。Twitterで半分のバージョンを公開してくれているので是非見てみて下さい。
#MSX #MSX1画像 #TMS9918 #16色グラフィック#きまぐれオレンジロード (オープニングより)
— いのしか虎寅虎 (@TooLucky_) August 2, 2025
パラパラアニメ制作中 半分位まできた pic.twitter.com/t8J5ceemXj

『ガンダムGQuuuuuuX』の第1話を再現された、BGM付きパラパラアニメも公開されています。
#MSX #MSX1画像 #TMS9918 #16色グラフィック#GQuuuuuuX
— いのしか虎寅虎 (@TooLucky_) April 29, 2025
1話のパラパラアニメ
やりきりました! pic.twitter.com/63Ted1BQhb
これらの完全版はいのしか虎寅虎さんがイベントでデータCDを販売されたそうなので、興味のある方はTwitterでご本人に連絡を取ってはいかがでしょうか。超絶オススメですよ!
●TINY野郎さん
PC-6001をこよなく愛するレトロパソコン界を代表する方です。MSXの新技術開発にも積極的に取り組んでくれているのは本当にありがたいです。MSX30周年記念の時に、MSX(32KB・テープ版)イースを製作してくれました。データを現在でも公開してくれています。



●MSX研鑚推進委員会さん
その名の通りMSXの技術の発展のために日々研鑚されている方(個人)です。様々なツールや新技術を立案開発され世界中の仲間達に発信し続けているという、僕の19,268倍偉大なMSXユーザーの鑑のような人です。近年MSX1の軽量なCGを利用したアニメ技術が着目されているのですが、その中核を担っている方と言っても過言ではありません。
とにかくこの「機動戦士ガンダムのオープニング再現動画」を見てくださいよ。音声は拡張音源ではなくMSXに内蔵されたPSG3音を使ったサンプリングなんだそうです。僕のポンコツな電子頭脳では技術的なことは全く分からないのですが、「とにかく凄すぎる」こと位は理解できました。現在のMSXの最前線を是非体感してみて下さい。
他にも『ふたりはプリキュア』のオープニング再現動画とか…😍
『THE IDOLM@STER アイドルマスター』とか、とにかくヤバすぎます。「😻やればできる♪」のコーラスに思わず涙。普通出来ねえよ!
実はMSX研鑚推進委員会さんは、前述したならむらさんの主催する「MSX3 TN HOMEPAGE」の掲示板にも参加していたのだそうです。20年の時を経てもMSXの研鑚を続けられていた委員会さんと、こういった形で再会出来たことは本当に嬉しかったです。これもMSXが繋いでくれた縁ですね。
●Francesco Uggaさん
海外勢も負けてはいません。これは2019に発表されたイタリアのMSXユーザー、Francesco Uggaさんの作品。8ビットパソコンの世界共通規格として提唱されたMSXは、現在世界中に愛好家がいます。その文化交流の結果が、こういう形で現れるのはMSX規格の偉大さの一つだと思います。Francesco Uggaさんの作品には日本文化への深い敬愛が感じられ、この点も嬉しい限りです。



「Go Nagai tribute」と題されたマジンガーZ、ゲッターロボ、アフロダイA
以上僕の知る限りで紹介させて頂きましたが、レトロパソコンやMSXの技術進化は現在も続いています。その発信の場はやはりTwitterが最も早く拡散されるために人気があるようですね。
残念ながら僕は約一年前に理不尽なアカウント凍結を喰らって、現在多くのMSX友人、特に海外の方と連絡が取れない状態です。ですから少し情報が古いかもしれませんがゴメンナサイ🙇
イー★ン・マ☆クが早く破産しないかなあ😁
❹誇るべき日本文化、浮世絵とレトロCG

今回計6回にわたって1985年のレトロパソコンCGについて語らせて貰いました。実はこの連載を始めたある切っ掛けがあったんです。僕はかつて社会人合唱団に所属していたのですが、同学年の友人にある浮世絵販売会社の「えらいさん」がいるのです。彼女は語学が堪能で海外経験も長く、美術史の卓越した知識の持ち主でした。そして彼女自身も優れたアーチストでもあります。僕は飲み会などで彼女の話を聞くうちに浮世絵に興味が沸き、ショールームの見学をさせてもらいながら、その歴史についての貴重なお話しを聞くことが出来ました。

今年のNHK大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」の放送で多忙な彼女をチャットで激励したところ、たまたまパソコンCGアートの話になりました。彼女はレトロパソコンユーザーではなかったのですが、僕の80年代のパソコンCGの話を聞くと「浮世絵の発展と一脈通じる物があるのではないか」という話になったのです。

江戸時代までの絵画は公家、大名などのごく一部の人々にしか楽しむことができない限られた娯楽だったのだそうです。これを庶民が手軽に楽しめるようになったのが浮世絵の大きな功績でした。しかし公家、大名などと違って庶民が払える金額はたかが知れています。その為大量生産とそれによる低価格化が求められ、商業製品の版画形式として発展していった歴史があるのでした。

何となくモノクロ時代のCGを感じませんか?
浮世絵が誕生した当初は色は使われておらず、墨一色で描かれていたそうです。しかし制作技術が進んでいくと多色摺りが可能となり、より多くの色を使った浮世絵が制作されるようになりました。最盛期には10色前後まで発展し、その限られた色数の中で工夫を凝らすのが浮世絵の美しさの神髄だったのです。
浮世絵は歌舞伎役者絵や美人画など、現在でいうブロマイドのように親しまれていました。また、全国各地の名所を描いた風景画も人気だったそうです。


『江戸日本橋 見立吉原五十三対扇屋内 花扇』
これってムフフ💛ゲームの美少女CGの源流なのでは…😅
先述した友人女性に美少女CGを見せるのは恥ずかしかったですが、「こんなの春画と同じじゃない、立派なアートよ。」と言ってくれました。
一方浮世絵が色鮮やかになっていく時代の中で、あえて単色で摺られた浮世絵もあったそうです。中でも象徴的なベロ藍は、のちにジャパンブルーとも称される人工顔料でした。鮮やかで透明感のある藍色が、独特の日本美を醸し出しています。
こうした浮世絵の発展は、世界の美術史の中でも極めて特異の進化を遂げていたと彼女は教えてくれました。

同じようにコンピュータグラフィックスも1970年代は、業務用のコンピューターでしか作成できない極めて限られたものでした。しかしホビーパソコンの出現は、いわゆる「庶民」にもコンピューターを楽しむことのできる大きな転換点となりました。もちろん大量生産品であるパソコンの能力はたかが知れていましたが、その中で最大限の成果を目指すというのが、パソコンユーザーに与えられた宿命だったように思います。この汎用品の限られた中での技術革新の流れは、浮世絵の進化と酷似しているのではないでしょうか。

まだCGが極めて貴重だった時代の光景です。
欧米の8bitPCに比べて日本の8bit機が高解像度なのは、漢字表記が求められたからなのだそうです。その利点を最大限に生かし、アニメ文化と融合した日本のCG文化は独自に急激な進化を遂げて行きました。その原動力が「美少女」であったことは散々お話ししてきましたよね。
この進化は1987年に発表されたX68000が頂点だったように思います。1980年代のホビーパソコンとCGの世界最強機は間違いなくX68000だと僕は思っています。




一方でCG能力が劣るパソコンでも、その制約の中から極限のCGを製作する文化は継承され続けていきました。その筆頭は当時最も安価なパソコンであったMSXであったと思うのです。

彼女は「浮世絵という文化を後世に伝えるのは自分の責務。」と語りました。美術史に詳しい彼女によると、伝承者が途絶えてしまうことによって消滅してしまった芸術文化は数多く存在するのだそうです。また明治期に「浮世絵版画を卑しい紙絵と見下す。」風潮が支配的になり、海外に流出したことを心から嘆いていました。そのため現在、多くの浮世絵が日本の美術館ではなく海外の美術館に所蔵されているのです。「だからこそ浮世絵の歴史や素晴らしさを、多くの人に知って貰いたい。」彼女の長きに渡る啓蒙活動を僕は心から尊敬しています。

彼女のこの言葉には心を動かされるものがありました。幸いにレトロパソコンの技術面に関しては、偉大な仲間たちが現在でも活動を継続してくれています。しかし美少女CGの成立や発展の歴史を記した投稿はそれほど多くないように感じたのでした。自分はレトロパソコンについて技術的なことは何もできないけれど、その感じた光景を出来る限り綴ってみようと決心したのでした。
正直碌なCG製作も出来なかった僕が、偉そうな文章を書くことに葛藤がなかったかと言えば嘘になります。読まれている皆様も「そんな訳ねーだろ」とお怒りになる内容も多かったかもしれません。ですが、もしそう感じた部分があったならば「本当のレトロパソコンの歴史はこうだったんだよ」という情報発信を是非して頂きたいのです。あの輝かしい時代を僕達の次の世代に伝えるためにも‥‥




❺1枚のCGに物語が詰まっていた…

PC88も8色ながら長く現役で使われました。
今回この連載のため、約3か月間自分でもおかしくなる位レトロパソコンのCGを見てきました。その実感として日本の8-90年代のCG文化は、間違いなく質量共に世界の頂点にあったと思います。勿論海外のCG文化も素晴らしい物があったと思うのですが、これは僕の偽らざる感想です。美少女CGは、日本の誇るべき伝統文化と言っても過言ではないと断言できますよ。



この理由は前述したように、日本のホビーPCが元はビジネス機として漢字表記が求められたため、高解像度になったこと。またアニメという日本独自の文化と融合した点などが大きかったのかもしれません。しかしその根本的な要因は、狂おしいまでの
「パソコン少年の美少女CG愛」
にあったように思うのです。

『ブランディッシュ』やったなあ。
ちょっと柄にもなく真面目に語ってしまいましたが、「あの頃夢中になった美少女達にもう一度会いたい!」というミーハーすぎる執筆動機もありました。自分のパソコンのディプレイに彼女達が写る興奮が特別であった時代。今でもSNSなどで輝く女神たちのCGを見ると、ふとそんなことを思い出すのです。

人気シリーズとなった『ヴァリアブル・ジオ』


もし40年前、似たような経験をされた方は当時を懐かしんで貰えたら…そういったことに縁がなかった方は、彼女たちの微笑の裏にパソコン少年たちの情熱が詰まっていたことを感じて頂けたら…そう願いを込めて今回の連載を〆させていただきます。
そして全てのCGに魂を込めて描いてくれた方々に、心より感謝したいと思います。
読者の皆様、長期間に渡りお付き合い頂き誠にありがとうございました。
サイボーグMSX
いつもスキ💛や凍結された僕に変わってのXでの紹介ポスト、暖かいコメントなど感謝です🙇皆さんとの繋がりが次の投稿への励みになるんです🥹
僕の連載した「1985年のパソコンCG」シリーズです。宜しければ覗いてみて下さい🙇♂️
