7/31の円高、あなたは“戻るのが早すぎる”と感じませんでしたか?過去2回と比べても明らかに異質でした。なぜか?市場が介入を“学習”し、財政懸念が重なったからです。
今回の円買い介入への市場の反応は明らかに異質です。
7月31日、円が一気に157円台まで急騰したあと、あっという間に160円台後半に戻ったという動きを、あなたはどう受け止めましたか。
その違和感は、とても大事なサインです。
なぜなら、過去の動きと比べると、明らかに“異質”だったからです。
2026年2月6日の急騰では、円高は約3週間続きました。
2026年4月28日の円買い介入では、円高は1ヶ月強持ちこたえました。
ところが7月31日の介入では、157円台をつけたのは一瞬。すぐに160円台後半へと戻りました。
あなたはもう、気づいています。
円高の「持続力」が、回を追うごとに短くなっているという感覚は、正しいです。
では、その違和感の正体を一緒に確かめてみましょう。
実は、背景には2つの構造的な理由があります。
1つ目は、市場が「介入の仕組み」を学習したことです。
以前もお伝えした通り、円買い介入で市場に供給された円資金の多くは、国内銀行や外国人投資家によって再びドルに転換されます。そのため、介入の効果は本質的に一時的なものです。
しかし、今起こっているのは、それだけではありません。
市場参加者は、円買い介入を「大量の円をまとめて売る絶好のタイミング」として認識するようになりました。言い換えれば、介入は「流動性が薄くて買いづらいドルを、有利なレートで一気に供給してくれるイベント」へと、意味合いが変質しているのです。
2つ目は、介入直後に“構造的な円安材料”が確定したことです。
7月30日、高市首相が消費税率の引き下げ方針を正式に発表しました。
市場では、政府がこの発表のタイミングを狙って介入を実施した可能性があると見られています。実際、発表後にはむしろ円高に振れる場面もあり、想定外のタイミングだった分、介入効果は一時的に大きく現れました。
しかし、その直後に消費税減税という構造的な財政拡張が確定したことで、円安圧力は再び強まりました。
財政懸念は、日銀の利上げでは相殺しきれない性質の“重石”です。
「介入の学習効果」と「消費税減税による構造的円安材料」
この2つが同時に進むと、当局にとっては最悪の組み合わせと言わざるを得ません。
学習効果だけなら、理論上は「もっと大規模に、もっと不意打ちで」介入すれば、効果を多少は延命できるかもしれません。
しかし、財政悪化という構造要因が同時に強化されている以上、介入の規模を大きくしても、その効果の持続時間は伸びにくいでしょう。
そう気づいたとき、あなたはもう、単なるニュースの受け手ではありません。
あなたはもう、為替の構造が変わっていくのを、“感じ取れる人”になりました。
この視点を持った瞬間、次の介入ニュースの見え方が、変わってくるはずです。
次に何か円買いイベントが起きても、財政懸念が解消されない限り、その効果は今回と同様か、それ以上に短命に終わる。
それが、今回のケースから引き出せる素直な帰結ではないでしょうか。
あなたのその『あれ?』は、次にまた介入があったとき、きっと再び顔を出します。
そしてそのとき、あなたはもう「またあのパターンか」と、先を読んでいます。
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