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見事なプロパガンダ。

ワシントン近郊の大統領山荘キャンプデービッドで開催された閣議、しかもテレビ中継・報道陣に公開される前提の会議が31日開催されました。

閣議の議題は11月の中間選挙を控え、不法移民対策や高関税措置の「成功」を強調し、2024年の大統領選で自身が返り咲かなければ「経済面の成果は得られなかった」とアピールする、政治的な成果誇示が中心の内容でした。

つまり為替介入はこの日の閣議の正式な議題ではなく、テレビカメラが公式に入っていた「政治的アピールの場」の傍らで、ベセント財務長官の手元に偶然(あるいは意図的に)写り込んだものです。テレビ中継まで予告された、報道陣の目が多数注がれる公開性の高い場だったのです。

写真が撮られたのは、まさに円安が一時的に158円台後半まで進み、市場が「次の介入はいつか」と神経をとがらせていた絶好のタイミングでした。偶然にしては出来すぎています。

トップレベルの外交・経済会議で使われるメモにしては、文字があまりにも大きく、はっきりと、下線まで引いて書かれていました。「報道陣の望遠レンズで撮影されること」を端から前提としたフォントサイズとレイアウトです。

単なるメモであれば「JPY 5-10B Buy」などの暗号めいた略称で済むはずです。しかし、そこには「日本円(JPY)」「50億〜100億ドル」「購入する」と、予備知識のない一般人やメディアが見ても一目で意味がわかる完璧なサマリーが書かれていました。

しかもベッセント氏の名札がすぐ真上に写り込んでいて「誰のメモか」が一目で特定できる構図になっています。

公式な記者会見で「円買い介入を行います」と宣言すると、国際社会(G7など)から通貨切り下げ・為替操作としての批判を浴びるリスクがあります。しかし、「うっかりメモが見えてしまった」という形をとれば、手続上の批判を回避しつつ、市場だけに強烈なメッセージを打ち込むことができます。

「あからさまなパフォーマンスだ」と見抜くプロのトレーダーであっても、「演出だと分かっていても、もし万が一本当に米国が買ってきたら踏み潰される」という恐怖(尾ヒレ)がつきます。結果として、1ドルも使わずに数円規模の円高誘導に成功したわけです。

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