9年目の5月に 初めて花開く, 我が Mayflower 常盤山査子 〜 ポール・サイモン American Tune 歌詞和訳
今から 9年前, 2016年5月, Paul Simon の American Tune の歌詞(今日の note 最終章に筆者による歌詞和訳を掲載)に登場する(船の名の)Mayflower が気になったことが切っ掛けで, (植物の)Mayflower の花を我が家の小庭で咲かせてみようと妙なことを考えて買ったもの。その後, 9年近くもの長きにわたり, 期待に反して一輪の花も咲かせなかった我が家の常盤山査子(トキワサンザシ)。花は咲かずとも, この間ずっと元気な様子だった。
それが 昨日の朝, 驚いたことに, ほぼ 9年の空白(花に関してはね)を経て, その常盤山査子の枝に蕾が付いたことに うちのカミさんが気づき, 筆者も庭に出て見て「心底」感激, これは記念写真を撮らねばと .. その写真が今日のタイトル写真。
2016年5月に買った時の, 我が家の常盤山査子
今から 9年前, 2016年5月, Paul Simon の American Tune の歌詞(今日の note 最終章に筆者による歌詞和訳を掲載)に登場する(船の名の)Mayflower が気になったことが切っ掛けで, (植物の)Mayflower の花を我が家の小庭で咲かせてみようと妙なことを考えて買ったもの。
今日の「前口上」に書いた通りで, 9年前の初夏, 5月つまり May, ポール・サイモンの曲 American Tune(邦題「アメリカの歌」)の歌詞に登場する船の Mayflower が気になったことが切っ掛けで, 植物の Mayflower を買って我が家の小庭でその「5月の花」を咲かせてみようと妙なことを考え, 常盤山査子(トキワサンザシ)を買った。
ネットでググって, 山査子(サンザシ)を購入しようと試みたのだが, 直ぐに手に入るものがその時たまたま無く, それではと, 常盤山査子を買うことにした。
ここで一旦やや脱線して細かいことを言うと, 植物学上, 常盤山査子は 山査子の一種とは言えない(おそらく!)。名前からして同類と思いたくなるが, 植物学上の「属」は異なる。「科」は同じだが, 「属」が違うということらしい。らしい, まぁ筆者は植物学は門外漢なので(笑)。
オンラインショップで購入し, 我が家に届いたのが, 2016年5月22日。
届いて直ぐに撮った記念写真, Ameican Tune が収録された ポール・サイモン 1973年リリースのアルバム There Goes Rhymin' Simon と 常盤山査子。

翌 5月23日, 鉢植えにして, 我が家の小庭に出した。

拙者が着ているのは, パレスチナ人アーティストがデザインした We are all Palestinian のメッセージ入り Tシャツ。
さてさて。
植物の Mayflower 〜 山査子・西洋山査子, 常盤山査子
本章では, まず 2020年7月11日付 note アメリカの歌 〜ピルグリムの船・メイフラワー、植物のメイフラワー、そしてナサニエル・ホーソーン「緋文字」を巡る不思議(?)な展開 の「前口上」を転載, その下に同 note リンクと目次を置き, 続いてその第5章 植物のメイフラワー、山査子・西洋山査子、常盤山査子 を, 途中 掲載写真などを挟みつつ転載します(後半過ぎてから話は飛びます, 坂上二郎「飛びます!飛びます!」並み)。
今年はアメリカ合州国(以下、アメリカと略します)の建国神話の中核にあるイングランドのピルグリム・ファーザーズのメイフラワー号がアメリカに渡った 1620年から数えて、ちょうど 400周年の年に当たります。本投稿では、「メイフラワー」に纏わる諸々(まさしく諸々)を書いてみようと思います。
過去 2回、ユダヤ系アメリカ人ミュージシャン、ポール・サイモン Paul Simon が作曲した「アメリカの歌」 "American Tune" を取り上げました。前者では、歌詞を紐解きつつ、アメリカの歴史や同国の昨今の社会情勢などに絡めながら。最後にはあの歌のメロディの源流にも触れました。また、後者では、アフリカ系アメリカ人ミュージシャン、アラン・トゥーサン Allen Toussaint による同曲のカヴァーを取り上げました。若干ながら、再びアメリカの歴史や昨今の情勢などに絡めつつ。本投稿の最後に、それぞれの投稿へのリンクを貼ります。
今日は、あの歌の歌詞に登場する言葉、「メイフラワー」 "Mayflower" に拘ってみたいと思います。
( 目次 )
いきなりの要約
船のメイフラワー、植物のメイフラワー ... S&G 「アメリカ」(歌詞和訳)
アメリカを探す旅、「アメリカの歌」 〜 歌詞和訳
ピルグリムの船・メイフラワー (1620年)
植物のメイフラワー、山査子・西洋山査子、常盤山査子
メイフラワーとナサニエル・ホーソーンと「緋文字」 (1850年)
アメリカの歌、その源流
Mayflower とは何か? (簡単で散漫な攻撃的演説)
So what if it was a simple desultory philippic!?
ボブ・ディラン?
So What!
Allen Toussaint's "American Tune" 〜 歌詞和訳, note 1-4
第5章 植物のメイフラワー、山査子・西洋山査子、常盤山査子
さて、本投稿の前半で、英語の Mayflower (mayflower) には大きく言って 3つの意味があって、ということを書きました。一つは直前の章でも取り上げている船のメイフラワー、そして残る 2つは植物です。うち一つは、船のメイフラワー、つまり 1620年にイングランドからアメリカに渡ったピルグリムが乗った船が辿り着いた現在のアメリカのマサチューセッツ州の州花になっているアメリカイワナシ、そして残る一つは、アメリカにおけるユキワリソウ(ミスミソウ)や アネモネ、イングランドにおけるサンザシや キバナノクリンザクラのように 5月に花を咲かせる様々な草木のことを意味して使われる「メイフラワー」です。
ピルグリムが「メイフラワー」号に乗ってアメリカに渡る前に彼らが住んでいたイングランドにおける植物のメイフラワーと言えばサンザシ、ということのようですが、日本でサンザシと言えば漢字では山査子と書き、中国中南部が原産のバラ科サンザシ属の落葉低木のことを指します。
直前の章で触れていますが、4年前の初夏、ちょうど 5月でしたが、Paul Simon の曲 "American Tune" の歌詞に登場する船のメイフラワーが気になったことが切っ掛けで、植物のメイフラワーを買って我が家の小庭でその「5月の花」を咲かせてみようと妙なことを考えて、トキワサンザシ(常盤山査子)を買ったことがあります。
ネットでググってサンザシ(山査子)を購入しようと試みたのですが、直ぐに手に入るものがその時たまたま無く、トキワサンザシ(常盤山査子)にしました。

(2016年5月22日、我が家にメイフラワー号!! が到着した日に撮った記念写真: 届いたばかりの常盤山査子と "Ameican Tune" が収録された Paul Simon 1973年リリースのアルバム "There Goes Rhymin' Simon")

(2016年5月23日、常盤山査子を鉢植えにして我が家の小庭に出しました。パレスチナ人のアーティストがデザインした "We are all Palestinian" メッセージ入りのTシャツを着ているのは私です。いわゆる「パレスチナ問題」は多くの方に関心を持っていただきたいテーマです、是非とも私の note の中のマガジン「パレスチナと中東、その過去・現在・未来」など覗いてみてください、とやや? 脱線したキャプション!!)

(何故か暗くなってから撮った、2016年5月23日夜の我が小庭の常盤山査子)
さて、ここでちょっと、私のような門外漢にはややこしい話になりますが、植物学上の細かいことを書いておきたいと思います。
サンザシは漢字で山査子と書き、中国中南部が原産のバラ科サンザシ属の落葉低木なのですが(学名は Crataegus cuneata, 4~5月に花が咲きます)、Mayflower を辞書で調べると載っているサンザシは、厳密に言うとサンザシ属の一部の種の総称であるセイヨウサンザシ(ヨーロッパや西アジア、北アフリカを原産とする落葉低木、漢字では西洋山査子)のことになるようで、具体的にはアカバナサンザシ(学名 Crataegus laevigata)もしくはヒトシベサンザシ(学名 Crataegus monogyna)がそれに当たり、それが英語名で Hawthorn と呼ばれているものになるようです。花が 4~5月に咲き、秋に赤い実が成るのは同じです。
そして、実は私が 4年前に買ったトキワサンザシ(今も我が家の小庭で元気にしていますが、私のトキワサンザシはずっと花が咲かず、実も成りません!)は植物学上、厳密にはサンザシの中の一種とは言えない可能性があります。可能性があります、とはいい加減ですが、なにぶん門外漢なので(笑)。
トキワサンザシは漢字で常盤山査子と書き、名前からしてサンザシ(山査子)の一種のように思いたくなりますが、しかし植物学上の「属」は異なるようです。「科」は同じですが、「属」が違うということです。
トキワサンザシ(常盤山査子)は、上の写真にある通り、バラ科の属の一つであるトキワサンザシ属に属する種の一つで、学名を Pyracantha coccinea と言う落葉低木です。トキワサンザシ属にはトキワサンザシの他に、タチバナモドキ(ホソバノトキワサンザシ, 学名は Pyracantha angustifolia)、カザンデマリ(ヒマラヤピラカンサ または インドトキワサンザシ, 学名は Pyracantha crenulata)などがあり、どれも花が咲くのはやはり 4~5月頃のようです。
トキワサンザシ属の学名は Pyracantha で、この属はラテン名のままピラカンサ属とも言うようですが、植物に関して単にピラカンサと言った場合、トキワサンザシ属の中の種の一つであるトキワサンザシ(常盤山査子)を指すことが多いとのことです。
というわけで、トキワサンザシ(常盤山査子)はサンザシ(山査子)と異なる属の植物なのですが、一方で、サンザシの原産が中国中南部であるのに対し、トキワサンザシの原産はヨーロッパ南部~西アジア地方であって、そこはセイヨウサンザシと重なります。花期が 4~5月頃、そして秋に赤く実が熟すことは、サンザシ、セイヨウサンザシ、トキワサンザシ、どれにも共通です。
因みにこれらの実の赤さは日本語では「緋色」と表現されることが多く、英語ではこの緋色は Scarlet もしくは Fiery Scarlet と言います(これは実は、「みは」でなくて「じつは」、後の章で記述することに関わってくるのです)。
日本語は実に豊かな表現力を持つ言語で、例えば青でも赤でも、微妙に異なる色合いを表わすことができるように、様々な単語があります。緋色もその一つですが、残念ながら、そして憂うべきことに、現代の日本人はこうした日本語をあまり使わなくなってきています。
私自身は「緋色」に関しては子どもの頃から親しみを持っている言葉ですが、理由があって、それは日本の伝説的ロックバンド「はっぴいえんど 」の歌のお陰です。松本隆作詞、細野晴臣作曲の「風をあつめて」。2番の歌詞の中に「緋色の帆を掲げた都市が 碇泊してるのが 見えたんです」を含む一節があります。
曲もいいですが、歌詞も素晴らしい。しかし本投稿のテーマからは離れてしまうので、歌詞は載せず、ここでは曲だけリンクを貼りました。歌詞は以下のサイトで確認できます。
*元投稿に貼ったものが「リンク切れ」になっているが, 「風をあつめて」の歌詞は例えば https://genius.com/Happy-end-kaze-wo-atsumete-lyrics でも確認可。
話を戻します。
サンザシ、セイヨウサンザシ、トキワサンザシの見た目はこんな感じです。以下の写真はアングルとか光の具合などの影響による差異はありますが、どれも球形の緋色の実が成るあたり、かなり似ているものではあります。



次に、これらを英語でどう言うか、みておきます。
サンザシ(山査子)は英語にすると Hawthorn ですが、あえて中国原産もしくは日本のサンザシと特定したければ、Chinese hawthorn, Japanese hawthorn と言う場合もあるようです。
セイヨウサンザシ(西洋山査子)も Hawthorn ですが、English hawthorn という言い方もあります。
トキワサンザシ(常盤山査子)については、属の名前のトキワサンザシは学名が Pyracantha, 英語名は Firethorn, その中の種の名前としてのトキワサンザシ(常盤山査子, 私が 4年前に買って今も庭で世話しているもの)は学名が Pyracantha coccinea, 英語名は Scarlet Firethorn というようです。
兎にも角にも、我が家の小庭にあるのは山査子でも西洋山査子でもなく、常盤山査子。
常盤というのはもともと永久不変な岩の意で、転じて永久不変を意味するようになった言葉ですが、その他、常緑樹を指すときもあり(常葉とも書きます)、また、「ときわ」とも「じょうばん」とも読んで常陸国(ひたちのくに, 現在の茨城県の大部分)と磐城国(いわきのくに, 現在の福島県東部)にあたる地域を指す言葉としても使われます。
私は静岡県生まれですが、私が通った小学校の校歌は「常葉(ときわ)の森の庵山(あんやま)の」で始まる歌でした(私の母校の裏山がその山)。大学は北海道、就職してからの住まいは神奈川県と茨城県ですが、この25年間はずっと茨城県、小庭に 4年前に買った常盤山査子がある我が家は茨城県にあります。私が電車で東京に出かけるときに乗るのは常磐線。それがどうしたって? .. 何か問題でも?
So What!?
展開的にぶっ飛び過ぎですかね(笑)。
まぁ要するに、植物学上は微妙に属が異なるようですが(科は同じバラ科!!)、我が「メイフラワー」を育てようと 4年前に買って今も我が家の小庭に置いて世話している(水をあげているだけですが)常盤山査子は 4~5月頃に花が咲き、秋に緋色の実が成ることにおいては西洋山査子や山査子と同じ、まぁ「メイフラワー」として扱ってほぼ問題ないんじゃないかと。我が家の常盤山査子はこれまで何故か一度も花を咲かせていないし、実も成っていないですが(笑)。
さて、もう少し、言葉に拘っておきます。
山査子にしろ、西洋山査子にしろ、英語において一つの単語で表すなら Hawthorn となり、それは Mayflower とも呼ばれるのですが、May だけでも山査子を意味することができるようです。 つまり、Mayflower も May も、Hawthorn を意味することができます。
そういうわけで、「船のメイフラワー、植物のメイフラワー」の章で触れた通り、May (may) には 5月という意味の他に、「青春」という意味もあるわけですが、may はその他に mayflower である山査子を指すこともできるということになります。
山査子の一般的な英語名 Hawthorn の由来は何かというと、thorn が刺であることは直ぐに察しがつきますが(何しろバラ科だし)、
Eric Clapton の名曲 Layla を生み出した Derek and the Dominos の美しいバラッド、Thorn Tree in the Garden ...
また脱線したな。
さて、では Hawthorn という単語の前の部分 Haw の由来はというと、それは「垣根」を意味する古い英語 Haga から来ているようです。というのはウィキペディアに書いてあったのですが、大丈夫かな。正直、それ以上は深く調べていません。
Haw という単語については、ざくっと調べてみました。
分かったことの一つは、Hawthorn の Haw だけでもサンザシ(山査子、もしくはその実)を意味することができる、ということです。
そのサンザシ(山査子)を意味する Haw, 他にも色々と意味があります。
名詞としては他に「瞬膜」を意味する場合があるのですが、これはウィキペディアによれば「まぶたとは別に水平方向に動いて眼球を保護する透明又は半透明の膜。第三眼瞼(英語: third eyelid)ともいう。鳥や爬虫類が瞬きをするとき、目の内側から瞬間的に出てくるため『瞬膜』と呼ばれる。両生類や魚類の一部(サメの仲間)、及び鳥類、爬虫類は発達した瞬膜をもつが、哺乳類では瞬膜が痕跡器官となっている種も多く、霊長類では一部の種に限られる。ただし哺乳類でもラクダやホッキョクグマ、ツチブタ、鰭脚類(アシカやアザラシの仲間)には完全な瞬膜がある。鳥は自由に瞬膜を動かすことができる。ヒトの場合、半月襞(はんげつひだ、plica semilunarisまたはsemilunar fold)とそれに繋がる筋肉がおそらく他の瞬膜に対応する器官ではないかと考えられている。霊長類のほとんどの種はこの半月襞をもつが、キツネザルやロリス下目の種は十分に発達した瞬膜をもつ」。というわけで、瞬膜はこれ以上は突っ込みません(笑)。
話を戻します。上に書いた通り、Mayflower メイフラワーであるサンザシ(山査子)を意味する Hawthorn から刺(トゲ, thorn)をとった Haw だけでもサンザシ(山査子)、つまり Mayflower メイフラワーを意味するのですが、その Haw のその他の意味について。
我々日本人が口籠る時は「えー」という感じでしょうか、英語の世界で口籠った時に使うのが Haw で、これを間投詞や自動詞として使います。
その他、馬などへの掛け声としての間投詞でも Haw が使われます。ホーホー、というやつですかね。意味としては「どうどう!! 左へ曲がれ」ということになります。右ではありません。左です、左。
その他、自動詞として「左へ曲がる」、他動詞として「左へ曲がらせる」。
さて、左派ってのは伝統的には「政教分離」を守るはずですよね。
イングランドのピューリタン(清教徒)たちが彼らにとってのキリスト教の理想世界を実現すべくアメリカに渡った時の船の名がメイフラワー なのですが、どうやらメイフラワーは左派的傾向があるようで、アメリカ合州国さんよ、そろそろ本当の意味で政教分離して、大統領就任式での宣誓の際に左手(左手!!)を聖書の上に置くとか、上院議員や下院議員が連邦議会で行なう就任宣誓でも聖書を使うとか、あんな神政国家まがいのことはやめたらどうか。
もっとも近頃はムスリムの議員もいて聖書でなくコーランを使ったりもするんだろうし、そもそもユダヤ人のユダヤ教徒の議員はユダヤ教の教典を使ったりもしている。稀に無神論者の議員が宗教色無しで宣誓する場合もあるようですが。
しかし、大統領や議員の就任の時だけではないですね。裁判の時の証人、「あなたは真実のみを語ることを誓いますか?」と訊かれて宣誓するあの儀式、あれも聖書を使ってますよね。
バカバカしい。アメリカ合州国ってのは、バチカンとかサウジやイラン(そのほかイスラム教徒が多数を占める多くのイスラム教圏の国々)のような神政国家ではなくて、歴とした近代的「政教分離主義」「世俗主義」国家じゃないのかよ。
Haw, haw, turn left .. どうどう、左へ曲がれ。
HAW と書くと High Activity Waste, つまり高レベル放射性廃棄物。「聖書」の扱いは難しいので、hem and haw 躊躇してしまうんですかね。
言葉遊びが過ぎたか。
真面目な話、アメリカ合州国の成り立ちにはそもそも(それこそ後年1948年に建国されたイスラエルもそうですが)選民思想があり、その建国神話の真ん中に「メイフラワー」号でアメリカに渡ったピューリタン(清教徒)たちのピルグリム・ファーザーズの物語が鎮座しています。
1620年にイングランドから出て(彼らにとっての)キリスト教による理想社会を作ろうとピューリタン(清教徒)たちがアメリカに渡航した時に使ったメイフラワー号には、航海の無事を祈ってセイヨウサンザシ(西洋山査子)が描かれていたそうです。以来、アメリカではセイヨウサンザシのことを「メイフラワー」と呼ぶようになったとの説を見ました。先日たまたま、しかもあの栄養ドリンク、ユンケルにセイヨウサンザシが配合されているというわけで、ユンケルの公式ホームページの植物性生薬の解説のところで見たのですが、佐藤製薬株式会社さん、とりあえず信用して大丈夫ですか(笑)。
セイヨウサンザシ(西洋山査子)とキリスト教との関係でいうと、キリスト教の世界の物語の中での話ですが、キリストが処刑された時の荊冠(イバラの冠)がセイヨウサンザシであったという逸話があり、これは色んなところで書かれているので、(あくまでキリスト教の世界においては)定説なのでしょうか。
上記のユンケルのホームページのところには、キリストが処刑された時の荊冠にはセイヨウサンザシが使われていて、キリストの血によって清められたとされたため、中世ヨーロッパでは厄除けの木といわれるようになった、イギリスでは傷や腫れを治すと信じられていた、と書かれていますが、他の様々な解説の中でも、キリストが処刑される際にセイヨウサンザシの冠を被っていたとされ、西洋山査子は西洋のキリスト教圏においては神聖な樹木として保護されてきた歴史があるといった趣旨のことが書かれています。ロックフェスで有名なイギリス、イングランドのグラストンベリーなどに名木が残る、と書かれていたけれど、まぁそうなんでしょうね。
とにかく、アメリカの「建国神話」における重要な存在、メイフラワー(まぁ「神話」における、と言っても、船自体は実在したものでありますが)を巡る「連想ゲーム」みたいなものをしていると、矢鱈と宗教、キリスト教、プロテスタント、ピューリタンに繋がるものが浮き上がってくる。だんだんアメリカが近代的な民主主義、民主制度の国 democracy ではなく、theocracy 神政政治、神政国家にすら見えてくる。
と言ったら乱暴に過ぎるかな。しかしアメリカって国は、近年ますます、宗教勢力に政治が動かされているような面がありますね、実際。その現代アメリカの神権政治的な側面の主役は福音主義のキリスト教徒たち、アメリカの人口の実に 1/4を占める(人数にして 8,000万人ほど!!)と言われる Evangelicalism の人たち、聖書の字面を重視し、字句通りに信じ、その信仰を実践しようとするキリスト教右派、キリスト教保守、キリスト教原理主義の人たちです。
彼らは外交政策にすら大きな影響力を持ち、アメリカのイスラエル一辺倒の偏った中東政策も、彼らと彼らと交わるイスラエル支持のロビイストの活動によるところが大きいわけで。
乱暴ついでにもう一言。しかし、1620年にピューリタン(清教徒)たちがイングランドからアメリカに渡った時に乗った船はメイフラワー Mayflower, 植物のメイフラワー Mayflower はイングランドにおいてはサンザシ(山査子)、サンザシ固有の英語名は Hawthorn, トゲ thorn のある言い方をしましょう(強引だ、別にトゲのある言い方なんかじゃない、単なる乱暴な展開)、"Haw" の意味は「左へ曲がれ」「左へ曲がる」「左に曲がらせる」、アメリカよ、左に行こう。
2020年のアメリカ大統領選挙、民主党の候補はバーニー・サンダースがなるべきだったな。そろそろ、アメリカには本格左派の大統領が必要なのだ。中東政策も変わるべき。
さて、バーニーはともかく、元々、近現代の左派は宗教から距離を置きます。
近年のアメリカの左派は宗教に寛容過ぎるきらいがありますが(つまり、例えば、右派から不当に差別を受けるムスリムのアメリカ市民に寄り添う姿勢を示そうとするからか、イスラム教圏の国々やイスラムのコミュニティにおける宗教絡みの人権抑圧の問題に彼らアメリカ左派の多くは非常に甘い)、そろそろアメリカは神政国家的な側面が強過ぎる伝統から脱却するべきです。ま、アメリカ市民ではない私個人の意見ですが。
ピルグリムの船(1620年), Mayflower
Mayflower と聞いて, 「ああ, 文字通り 5月に咲く花のことでもあるね」「あの植物だよね」と考える人も少なくないかもしれない。しかし 船の名の Mayflower でなく 花もしくは植物の Mayflower を先に思い浮かべる人はあまり多くないのではないかと思う。
前章でもリンクを貼った以下の過去 note, その第2章の冒頭 2段落を, 併載の絵と共にリンクの下に転載します。
このメイフラワーという言葉は、どのくらいの人にとって親しみのある言葉でしょうか。「親しみのある」というのは必ずしも「好きだ」とかいったポジティヴなイメージを伴ってということではなく、知っているかどうかという程度のことなのですが。そして、具体的に意味を知っている人にとって、メイフラワーと聞いて真っ先に思い浮かべるものは何でしょうか。
おそらくは、多くの方が、1620年に当時のイングランド王国からピューリタンたち(清教徒たち、実は清教徒以外の人も乗っていました)、後にピルグリム・ファーザーズと呼ばれた人たちが、(あくまで彼らにとっての)「新天地」「新大陸」である北アメリカ大陸に渡った時に彼らが乗った船の名、「メイフラワー」号 "Mayflower" を想起するのではないでしょうか。

(Pilgrim Fathers boarding the Mayflower, painting by Bernard Gribble: born May 10, 1872 - died February 21, 1962)
ピルグリムの船(1620年)である Mayflower については, 上掲 note 第2章 ピルグリムの船・メイフラワー (1620年) や, 第6章 メイフラワーとナサニエル・ホーソーンと「緋文字」 (1850年) 以降で もう少し詳しく書いています。
Oh, we come on the ship they call the Mayflower 〜 ポール・サイモン American Tune 歌詞和訳
アメリカの歌 〜ピルグリムの船・メイフラワー, 植物のメイフラワー, そしてナサニエル・ホーソーン「緋文字」を巡る不思議(?)な展開
前々章に続き 前章でもリンクを載せた 2020年7月11日付の以下の note, その「前口上」と目次をあらためて転載します。
今年はアメリカ合州国(以下、アメリカと略します)の建国神話の中核にあるイングランドのピルグリム・ファーザーズのメイフラワー号がアメリカに渡った 1620年から数えて、ちょうど 400周年の年に当たります。本投稿では、「メイフラワー」に纏わる諸々(まさしく諸々)を書いてみようと思います。
過去 2回、ユダヤ系アメリカ人ミュージシャン、ポール・サイモン Paul Simon が作曲した「アメリカの歌」 "American Tune" を取り上げました。前者では、歌詞を紐解きつつ、アメリカの歴史や同国の昨今の社会情勢などに絡めながら。最後にはあの歌のメロディの源流にも触れました。また、後者では、アフリカ系アメリカ人ミュージシャン、アラン・トゥーサン Allen Toussaint による同曲のカヴァーを取り上げました。若干ながら、再びアメリカの歴史や昨今の情勢などに絡めつつ。本投稿の最後に、それぞれの投稿へのリンクを貼ります。
今日は、あの歌の歌詞に登場する言葉、「メイフラワー」 "Mayflower" に拘ってみたいと思います。
( 目次 )
いきなりの要約
船のメイフラワー、植物のメイフラワー ... S&G 「アメリカ」(歌詞和訳)
アメリカを探す旅、「アメリカの歌」 〜 歌詞和訳
ピルグリムの船・メイフラワー (1620年)
植物のメイフラワー、山査子・西洋山査子、常盤山査子
メイフラワーとナサニエル・ホーソーンと「緋文字」 (1850年)
アメリカの歌、その源流
Mayflower とは何か? (簡単で散漫な攻撃的演説)
So what if it was a simple desultory philippic!?
ボブ・ディラン?
So What!
Allen Toussaint's "American Tune" 〜 歌詞和訳, note 1-4
ではでは, 次節に, American Tune 歌詞和訳を載せます。
アメリカの歌 〜 ポール・サイモン American Tune 歌詞和訳
あの頃は「拙訳」と謙虚に書いていた。意味は「拙者」による「訳」, 略して「拙訳」, 中身は「良薬は口に苦し」いや「良訳は口に苦くもあり甘くもあり」の良訳ですぞ。拙者は確かに拙者だが, 拙者による訳は良訳なのだ … たぶん(笑)。少なくとも自訳自賛。
American Tune 音源 および 歌詞の(拙者つまり筆者による)和訳は, 以下の
過去 note の目次の下に載せます(和訳の 訳注 は, 以下の note の各章)。
( 目次 )
主語は誰、もしくは何なのか。そして "mistaken" とは?
アメリカの歌、歌詞と拙訳
Many’s the time I’ve been mistaken
Bright and bon vivant
So far away from home
I don’t know a soul who’s not been battered
And I dreamed I was dying
The Statue of Liberty sailing away to sea
The Last Verse ー Mayflower, Uncertain hour, American tune..
この歌のメロディについて、少々
Bonus track(少なくとも最初のは Bonus ♫)
ではでは。
American Tune from Paul Simon's 1973 album There Goes Rhymin' Simon
英語原詞 https://www.paulsimon.com/track/american-tune/
何度も何度も間違いを犯し
そして繰り返し混乱の中をやり過ごしてきた
そうなんだ、見捨てられたと感じることもよくあった
虐げられていると感じたことさえもね
でも大丈夫だよ、平気なのさ
ただ疲れが骨の隋まで染み込んでるだけなんだ
期待なんかしてないよね
華やかに生きて美食家になるだなんて
家からこんなにも遠く離れた場所で
そう、こんなにも遠く離れてしまったんだ
打ちのめされたことがない人なんているだろうか
穏やかな心持ちの友達なんかいないんだ
打ち砕かれたことのない夢なんて知らない
崩れ落ちたことのない夢なんて
でも平気さ、大丈夫だよ
うまくやって長いこと生きて来れたんだ
それでもこの道のりを考えるとき、
つまり僕らが旅しているこの道のりをね
いったい何が間違っていたんだろうって思うのさ
思う他ないのさ、どこで道を誤ったんだろうって
そうして僕は自分が死にゆく夢を見たのさ
そうして僕の魂が不意に空高く舞い上がる夢を見たのさ
魂は僕を見下ろしていたよ
僕を安心させようと微笑みもしたんだ
そうして僕は僕が空を飛んでいる夢を見たのさ
そうして上空で僕の目ははっきりと捉えたんだ
自由の女神をね
遠くの海へと去って行く自由の女神を
そうして僕は僕が空を飛んでいる夢を見ていたんだよ
おお、僕らはメイフラワーと彼らが呼ぶ船に乗って
僕らは月にまで航行した船に乗って
この最も不確かな時代にやって来た
そしてアメリカの歌のメロディーを口ずさむんだ
でも大丈夫だよ
平気さ、大丈夫なんだ
誰だって幸運であり続けるなんてことは出来ないのさ
それでも明日はまたやるべき仕事があるんだね
それで僕は今ただ少し休もうとしてるってわけさ
僕はただ少し休もうとしているだけなんだ
