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なぜわしは、ウインナーが2本のっていると思いこんだのか (コメダ珈琲のウインナコーヒー)

ウィンナコーヒーは、ウインナーが2本のったコーヒーだと、わしは68年間ずっと信じていた。たこちゃんウインナーかもしれない、とまで思っていた。本日、コメダ珈琲で生まれて初めて、本物と対決してきた。のっていたのは、ウインナーではなかったのである。 

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ウィンナコーヒーとは、ウインナーが2本のったコーヒーのことである。
わしはそう信じていた。68年間、ずっとである。
もしかしたら、あの赤くて小さい、切り込みを入れると足が開く、たこちゃんウインナーかもしれない。そんなことまで真剣に考えていたのであった。
ジョークではない。本当にそう思っていたのだ。



本日、福岡のコメダ珈琲店で、生まれて初めてウィンナコーヒーと対決をしてきた。

コメダ珈琲


コメダ珈琲



ここで少し、昔の話をさせてほしい。
子供のころ、わしはとんでもなく貧乏だった。それでも両親は、わしを強い男に育てようとした。父は釣り竿をかついで海へ行き、母は肉を焼いた。
父の魚釣りは天才的にうまかった。お陰でわしは、鯛だのうなぎだの、やたらと上等な魚を、毎日のように食っていた。
高い魚だとは知らない。ありがたみもへったくれもない。骨まで全部、バリバリと食っていたのであった。
そうやって、わしは超合金のような骨を持つ少年になった。
その超合金の骨を持つわしでも、本日ばかりは、こうべを垂れるしかなかった。
運ばれてきたウィンナコーヒー。
たこちゃんウインナーは、のっていなかった。
クリームが、のっていた。



真っ白な、たっぷりとした、うずを巻いたクリームである。68歳まで、わしはそんなことを知らなかったのだ。恥ずかしい。
飲み方がわからない。とりあえず、そのまますすってみた。
上唇に、クリームがべったりとついた。




あーあーあーあー。
わしはよっこらしょと靴を脱ぎ、椅子の上に立ち上がった。そして突然浴びせられたスポットライトの中、ウィーン少年合唱団のように、高い声で歌ってみたのであった。




もちろん、ウソである。
とにかく、幸せな味だった。
熱いコーヒーの苦みと、冷たいクリームの甘さが、口の中でぶつかって、ひとつになる。そのあいだを、いつまでもスプーンでかき混ぜていたくなる味なのであった。
シロノワールのポスターを眺めながら、わしはふと、海へ行った父と、肉を焼いた母のことを思い出していた。
鯛もうなぎも食わせてくれた二人は、ウィンナコーヒーを、知っていただろうか。



天国に行ったあの二人にも、一杯、飲んでほしかったなあ。
まったく、68年も生きていて、まだ知らないことだらけなのであった。
読んでくれて、ありがとう。次もまた、こういう情けない発見の話を書く予定である。

いやはや、いやはや。

受講生のnote



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