1分で楽しむ!べらぼう19話と黄表紙のムフフな小ネタ
◆読了目安:約1~1.5分
べらぼう19話のプチネタ。大田南畝の「菊寿草」(いわゆる「この黄表紙がすごい!」)や芝全交の話など、ドラマとリンクしたここにしかないお話をお届けします♪
◎べらぼう19話の感想・考察記事はこちら。すばらしかった鱗形屋との和解や、春町の未来予想「楠無益委記」などについてモリモリ書いてますよ~。
さて、今回、駿河屋の二階で吉原の親父たちが蔦重と本屋経営について話していたシーン。
「青本のほうはどうなんだい?」
と問われた蔦重が
「今年は山のように青本(黄表紙)が出たのと、芝全交って作者を鶴屋さんが推してきて、こいつがまあうめえんですよ」
と言っていましたよね。
芝全交は商人の家に生まれ、狂言師の家に養子へ入った人物。歌舞伎や芝居、遊郭など、まあ洒落た遊びに詳しいのが作風にも活きて、喜三二や春町らと並ぶ天明期の戯作者の一人として黄表紙の傑作を残しています。

代表作は「大悲千禄本(だいひのせんろっぽん)」。京は清水寺の千手観音が、世の中が不景気のため、山師と契約して千本の手を困った人たちに貸し出すというお話。黄表紙の一大傑作とも言われます。蔦重が版元で山東京伝が絵を描いているので、この作品もドラマにでてきたらいいな~。
また、もう一つ。19話の最後に、喜三二が書いた「見徳一炊夢(みるがとくいっすいのゆめ)」という作品が、なんと大田南畝が書いた青本の番付「菊寿草(きくじゅそう)」、つまり今でいえば「この黄表紙がすごい!」でナンバーワンに選ばれたという話も飛び出し、蔦重が「まあさん、やった~~!」と大喜びしていましたよね。

絵草紙評判記「菊寿草(きくじゅそう)」。役者評判記のパロディーとして、当時の黄表紙作品をランキング形式にして紹介したもの。蔦重が出した喜三二の「見徳一炊夢」が極上上吉(第一等)にランク付けされたことで、喜んだ蔦重がさっそく大田南畝の家へ挨拶へ行ったというのが、蔦重&南畝の出会いのはじまりとなります。
◎「見徳一炊夢」のあらすじについては、こちらの記事で詳しく説明しています。
さて、まさにドラマのこういうシーンを彷彿とさせる場面が当時の黄表紙にもあるってご存知でした?
その作品は、山東京伝の「御存商売物(ごぞんじしょうばいもの)」。擬人化された赤本や黒本、青本(黄表紙)などの江戸時代の出版物が巻き起こす大騒動を描いた話です。
その中にこんなシーンがあります。

右側の黒い羽織を来て煙管をふかしているのが青本(黄表紙)で、ほかの洒落本や一枚摺りなどと、「よいアイデアはないものか」と編集会議を行なっているところ(本自らがアイデアを考えるとは自発的すぎ!)。
そこで、彼らはこんなことを話しています。
「全交さんも人気作をよく書いていますな。喜三二の『見徳一炊夢』も大評判でした」
まさにまさに、ドラマとだぶるような編集会議の風景!
私はドラマを見ながらこの作品を思い出してムフフとなったのでした。なので、皆さんにもちょいとおすそわけ。
しかもこの『御存商売物』自体が大田南畝に絶賛されて、山東京伝の出世作となるのだから面白い。
◎現在、この山東京伝の『御存商売物』を含む黄表紙作品の現代語訳をまとめた本「黄表紙のぞき」(新作含めて3冊)の通販準備を進めています。また通販がスタートしましたら、こちらでもお知らせしますね。今しばらくお待ちください~!
◎「黄表紙のぞき」ってなに?と思われた方はこちらの記事をご覧ください。
今日はさくっと短く収めましたよ。
それではまた次の記事でお会いしましょう♪
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