勤務医家庭の不動産投資|「名義」の最適解を改めて考えてみる
勤務医の夫と不動産投資を始めて9年目。
現在、我が家は法人で複数物件を保有しています。
今期の法人8期決算をきっかけに、不動産投資の利益は誰に残すべきなのか……。
「個人名義」という選択肢も改めて考えてみることにしました。
・夫の個人名義で購入する場合
・私(妻)の個人名義で2棟目を購入する場合
(1棟目の中古戸建ては、あと1年で完済予定です)
この2つの選択肢について、メリット・デメリットを自分なりに整理してみたいと思います。
夫の個人名義で購入する場合
まず最初に、最近夫が望んでいるこの形を考えてみます。
一番の魅力は、
「今すぐ、目の前の節税効果を取りにいけること」です。
メリット①|高い税率だからこそ、減価償却の効果が大きく感じられる
勤務医の夫は給与所得が高く、税率もかなり高い水準です。
そのため、築古物件などで大きな減価償却を取れた場合、
・不動産所得の赤字
・給与所得
を損益通算することで、所得税・住民税を圧縮できます。
税率が高い人ほど、減価償却の効果は大きいと言われています。
メリット②|金融機関からの評価が強い
「勤務医」という属性は、金融機関から見るとやはり強いです。
法人より個人の方が、融資条件が良く、スピード感があるケースもあります。
「今、この物件を取りにいきたい」
そんな場面では、このスピード感は大きな武器だと感じます。
デメリット①|節税効果は永遠には続かない
一方で、一番怖いのもここです。
減価償却は、数年で終わります。
その後は、
家賃収入の利益が給与に合算され、そのまま高税率で課税されます。
さらに、ローンの元本返済は経費にならないため、「帳簿上は黒字で税金は重いのに、手元のキャッシュが回らない」という、
いわゆるデッドクロスの状態を迎えます。
デメリット②|出口戦略の難しさ
節税目的で購入しても、想定より早く売却することになれば、5年以下の所有期間では「短期譲渡所得」となり、売却益に高い税率(約40%)がかかります。
入口(購入時)の節税にばかり目を奪われていると、出口(売却時)での税負担が大きくなる可能性があり、設計が非常に難しいです。
デメリット③|夫への一極集中
所得、資産、借入が、夫側に集中していく形になります。
短期的にはメリットがあっても、「家族全体として、本当にバランスがいいのか?」
という不安はどうしても残ります。
私(妻)名義で購入する場合
最近、私が気になっているのが、この選択肢です。
以前は専業主婦で、融資という意味では、自分名義は現実的ではありませんでした。
でも今は、法人から役員報酬を受け取っています。
そして、個人事業主の私名義の中古戸建ても、あと1年で完済予定。
だからこそ、
「私個人でも、物件を入れ替えたり買い増したりする形があるのでは?」
と思うようになりました。
メリット①|世帯全体で分散できる安心感
もし私名義で購入できれば、
・夫に所得や借入を集中させすぎない
・家族内で資産を分散し、将来の選択肢を増やせる
という安心感があります。
そして今の私なら、同じ利益でも夫より低い税率帯で運用できる可能性があります。
また、将来的に夫が退職した後も、世帯全体で所得を分散できるかもしれません。
メリット②|「夫だけに頼らない形」が作れる
不動産投資を始めた頃は、夫の属性が前提でした。
でも今は、法人から役員報酬を受け取り、自分名義の物件も完済が見えてきて、
「私自身の実績や信用を積み上げていける可能性」
を感じるようになりました。
夫の属性に依存するだけではなく、
自分自身でも資産形成の選択肢を持てることは私にとって、大きな変化です。
デメリット①|融資のハードル
もちろん、現実はそんなに簡単ではありません。
私単独で、
・どこまで融資が出るのか
・どんな条件になるのか
・夫の連帯保証が必要になるのか
は、金融機関によってかなり変わりそうです。
融資条件はかなり現実的なポイントだと思っています。
デメリット②|管理や経理が複雑になる
さらに、
・法人
・私個人(複数棟)
が混在してくると、当然ながら管理は複雑になります。
税理士さんとの連携は、今まで以上に重要になりそうです。
名義を考えるときは、「お金の流れ」もセット
こうして書き出してみて思うのは、
「名義」と「お金の流れ」は、切り離しては考えられないということです。
名義を考える時に怖いのは、「お金の流れ」とズレることです。
例えば、
・頭金は誰が出すのか
・返済は誰が負担するのか
ここが名義と一致していないと、夫婦間贈与の問題が出る可能性もあります。
名義だけでなく、“実際のお金の流れ”まで含めて設計する必要があると感じています。
実感しているのは、
「利益がどこに残るか」で、お金の使いやすさはかなり変わるということです。
法人は利益を内部に残しやすく、家族への給与や将来の承継まで考えやすい一方で、個人で自由に使えるお金とは性格が異なります。
個人で自由に使うには、
・役員報酬
・貸付金の返済
など、別の形で取り出す必要があります。
一方で、個人名義に残った利益は、教育費や生活費など「今、目の前で使いたいライフイベントのお金」として非常に機動性が高く、これはこれで大きな安心感があります。
結局のところ、
「誰の名義で買うか」だけではなく、利益をどこに残したいのかまで考える必要がある。
と感じています。
終わりに
今回この記事を書いたきっかけは、
夫が
「所得が高いうちに、自分名義で不動産投資をしてガッツリ節税したい」
と言い出したことでした。
(その気持ちはよく分かります……
あなたの税金はなんとかならんのかと、私もずっと考えてきた!)
今の私の頭の中では、まとめるならこうです。
・夫個人名義 → 高所得を活かした期間限定の節税効果を期待
・妻個人名義 → 家族内で所得を分散し資産を育てやすい
・法人名義 → 長期的な資産管理や承継を考えやすい
これからどうするのか、今もまだ迷っています。
それでも、
「家族のお金を、どこに残していくのか」
を考える段階まで来たこと自体が、我が家にとっては大きな変化なのかもしれません。
これからも一棟ごとに悩みながら、その時々の我が家に合った答えを探していこうと思います。
こちらの記事も、個人の不動産投資について思うことを書いています。
