「NISA貧乏」ならぬ「不動産投資貧乏」?|資産は増えているのにお金がない
最近、「NISA貧乏」という言葉をよく耳にします。
将来のために投資しすぎて、手元の現金が減ってしまう状態。
それを聞いたとき、ふと我が家の状況を振り返りました。
「……あれ?
うちって、“不動産投資貧乏”なんじゃない?」
純資産は増えているのにキャッシュがない
我が家の不動産投資は、
キャッシュフロー重視というよりは、
ローン返済によって純資産を積み上げていくスタイルです。
・銀行評価の出る物件を選ぶ
・ローンを着実に返済する
・借入が減り、資産が積み上がる
実際に全物件を査定に出してみると、
「純資産、増えてる!」
エクセルも、法人決算書も、
見ているだけで嬉しくなってしまう。
でも——
通帳を見ると、キャッシュはほとんど増えていないのです。
終わらないキャッシュ流出のループ
不動産投資は、「買うとき」だけでなく「持っているだけ」でもお金が出ていきます。
・購入時:頭金+諸費用で一気に減る
・保有中:固定資産税や修繕費
・利益が出る:税金
さらに、
いい物件が出る → また買う → キャッシュが減る
でも銀行評価は上がる → 融資が引ける → また買う
……あれ?これ終わりある?
(2回目)
厄介なのは、
ちゃんと“うまくいっている感”があることです。
評価も出ている、純資産も増えている。
だからこそ、「やめたらもったいない」と思ってしまう。
「正解のはずなのに苦しい」不動産投資の違和感
今回の物件(NO.8)もそうでした。
評価も出て、値引きも取れて、条件もいい。
「これは買いでしょ」
と判断したはずなのに、もう一人の自分が聞いてきます。
「で、キャッシュは?」
……はい、増えません(笑)
自分が法人から受け取った給与をそのまま法人に貸し付けて、納税資金に充てることもあります。
資産は増えているのに、手元の現金は足りない。
この状態は、抜け出せない「無限ループ」です。
笑い事ではない事情もあります。
我が家は今、人生で最も教育費がかかる時期の真っ只中です。
実は「今さえ乗り切れば」と思いながら、金利の低い10年固定の教育ローンも一部活用しています。
(銀行さんからの提案でした)
本来は教育費のための資金ですが、家計全体のキャッシュフローを守るための“時間を買う手段”という感覚です。
節税で積み立ててきた小規模企業共済も、いざとなれば借り入れて使う想定をしています。
“使えないお金”が積み上がっている安心感と、それでも手元のキャッシュが足りない現実。
このギャップに、少し戸惑っています。
子どもたちの未来のために始めた投資なのに、
その投資のせいで、今の家計が少し苦しくなっている。
これって、本当に正しい選択なんだろうか——と、ふと考えてしまいます。
売却という選択肢と、その難しさ
最近、「売却を絡める」という視点を少しずつ考えています。
一般的に言われる
「売却のタイミング」
・減価償却が終わるタイミング
・デッドクロスに入る前
・大規模修繕の前
・相場が上がっているとき
不動産投資の世界で言われる、いわゆる「売り時」です。
だからこそ、査定に出したりもしました。
でも、これが難しい。
いい条件で買えた物件ほど、
・評価が出ている
・安定して回っている
・思い入れもある
「まだ持っていた方がいいのでは」と感じてしまう。
さらに悩ましいのが、
売却しても、次が難しいという現実です。
相場も金利も上がっている中で、
「売るより持つ方が合理的では?」
と思ってしまう。
利益が出ても税金で目減りし、
その資金で、同じレベルの物件をもう一度買える気がしない。
結果として——
売る理由はあるのに、売らない理由が勝ってしまうのです。
買い続けるだけでは限界?次のフェーズへ
「買い続ける」だけでは、どこかでバランスが崩れる。
だからこそ今、
・どこで売るのか
・何を残すのか
・どうキャッシュを作るのか
を考えるフェーズに来ていると感じています。
「まずは高値で市場に出してみたらいい」
そんなアドバイスもいただきます。
一方で、
ローン返済が終わった物件を共同担保にして、現金の手出しを抑えながら買い増していく
そんな選択肢もやはり魅力的で、簡単には捨てきれません。
結局のところ、いい物件が出てきたら、きっとまた買いたくなるんです(笑)。
答えのない「分岐点」に立って
不動産投資9年目。
純資産は増えました。
でも、自由になったかと言われると──少し違います。
むしろ今は、
「どう資産を持つか」ではなく
「どうお金を使える状態にするか」
そんなことを考えるようになりました。
純資産を増やすことと、“自由に使えるお金”を持つことは、きっと別の話なんだと思います。
必死にローンを返済しているこの時間は、きっと未来の自分たちへの大きなギフトになるはず。
そう信じて、ここまで積み上げてきました。
このまま
「不動産投資をしている貧乏な資産家」にはなりたくない。
だからこそ、
この“無限ループ”との向き合い方を、これから考えていこうと思っています。
試行錯誤しながら積み上げてきた8年間の運用を、
ひとつのレポートにまとめてみました。
同じように悩んでいる方にとって、
何かヒントになれば嬉しいです。
