日常 ~桜城市編② 前編~
瑛です。
今回も引き続き『ようこそ、桜城市へ』のコラボと参りましょう!!
「占いやろうよ~」
放課後。
六月一日志央莉の右腕に抱きついていた皇瑚々愛が桜の道商店街にある占いの店を見つけ、そう言った。
「なんで突然占いなんですか?」
二人の傍を歩いている湊川帆乃華が質問する。
「今日の運勢、知るべきです~」
「今日はもう終わりやけど」
「……」
志央莉の言葉に黙る瑚々愛。
「これからの運勢ですよね」
帆乃華が珍しく助け舟を出す。
「そ、そうです~! お姉ちゃんも一緒にやろう~」
帆乃華の言葉に急に元気になる瑚々愛。
「ほのっち、あんたなぁ」
志央莉は呆れ顔だ。
「まぁ、いいじゃないですか」
「最近、こっこに感化されてきてるんちゃうん?」
「多少ですよ」
「かなりやて」
志央莉と帆乃華が一触即発状態、それを見て瑚々愛が勘違いを起こす。
「お姉ちゃんもほのっちもやめて~。瑚々愛を取り合うのは~」
「取り合ってへんわ!」
瑚々愛の頭頂部をはたく志央莉、それを見ている帆乃華も嬉しそうだ。
「楽しみ~、初めてだし~」
占いの店の中、不思議な空間に誘われ、占いへの期待が高まる。
「女難の相が出ておる」
占い師は前に座る志央莉の顔を見るなり、そう言い放つ。
「じ、女難の相……? なんなんそれ? もう既に女子しかいーへんから、よーわからんわ」
さすがの志央莉も困惑している。
「三人共に女難の相が出ておる」
占い師は目の前の机の上に置かれた水晶玉を一瞥し、そう言った。
「えっ? 私もですか?」
「瑚々愛も~? 何が起こるのか楽しみ~」
「えっ、全員なんや。どないすんねん!」
「良い意味での女難の相が出ているのよね」
万間知恵は三人の女子高生が店を出ていった後、一人呟く。
「こ、ここは……」
比呂川まこは、辺りを見回す。
「桜が綺麗……、あそこ、桜の道商店街、そう書いてある。私、どうしたんだろう? そういえば、靖国通りで都電にぶつかったあと、ガードのようなかごの中にスルッと入ったような気がした……」
まこは桜の道商店街の方へ歩いていく。
「あっ、信号変わっちゃう」
目の前の交差点の信号が黄色に点滅し始めたのを見て、交差点を走り抜けようと歩くスピードを徐々に早めていく。
「ち、ちょっと待ちーや」
浪花で聞いたような声が聞こえた瞬間、まこの体は何かにぶつかった。
「うわっ!」
まこの体がその反動で後ろに下がり、そのまま地面に尻もちを着いた。
「待ちっ、言ったやん」
「大丈夫ですか?」
浪花言葉とは別の声が聞こえ、ショートカットに眼鏡をかけたシャツにネクタイ、スカートを着た女性が自分の右手でまこの右手を掴んでいた。
「いや、あ、あの」
まこは必死に周りを見渡す。
手を掴まれるというのが恥ずかしくて、少しパニックになっていたかもしれない。
「落ち着きーや。あんな、今、手、離したら車道に体出てまうから。それとも、美味しいミンチ肉になりたいん?」
「えっ!?」
改めて辺りを見回すと確かに自分の後ろは段差があり、その向こうは車道で車が猛スピードで走り抜けている。
「信号もやけど、前もよく見んとアカンで」
「瑚々愛達で良かったと思ってよね~」
浪花言葉を話す女性に加え、彼女の右腕に抱きついているツインテールの女性が言う。
地面に座り込み、まこは顔を下に向けていた。
地面に水滴が落ちるのを見逃さなかったショートカットの女性が素早くまこに声をかける。
「えっ、どうしたんですか?」
「えぐっ、えぐっ、こ、ここは、えぐっ、どこ?」
まこは泣きながらもこの場所を聞く。
「ここは桜城市や」
浪花言葉を話す女性が近づいてきた。
「泣きなや、お腹すいてるんやったら、なにか食べようや」
「ママ~」
まこは浪花言葉を話す女性に母性を感じ、抱きついていった。
「ち、ちょっと~」
ツインテールの女性が近づこうとしたが、
「ダメ」
ショートカットの女性に止められていた。
続く
今回は、
ともえ様のオリジナルキャラクター
万間 知恵
まあ!様のオリジナルキャラクター
比呂川 まこ
をお借りしました。
#桜城市
#ようこそ、桜城市へ
