日常 ~桜城市編③~
瑛です。
今回のお話は、リレー小説とは別の日常を書いて行きたいと思います。
「なぁ、なぁ、って」
帰りのホームルームが終わった直後、帰る準備をしている樫尾ぴあに、誰かが話しかけてきた。
「樫尾さんやんな、ピアノ上手いんやて?」
浪花言葉を話す女子生徒-六月一日志央莉は、ぴあにそう聞いてきた。
(……半分ぐらい、何言ってるか分からない)
ぴあはそう感じ、相手をしても時間の無駄と思い、志央莉の横からすり抜け、教室から出ていった。
「ちょー、ちょー待ちーや」
志央莉の声がどんどん離れていく。
(……六月一日さん転校生だし、あんまり話したことないし、浪花言葉もよく分からないし)
ぴあはそのまま帰路に着いた。
翌日。
〝桜子の午後のティータイム。今日はFM桜城局を飛び出し、アクティア桜城内の特設ブースから、涼風桜子がお送りします!〟
アクティア桜城内の特設ブースで、涼風桜子はブースの外を一瞥する。
〝高校生の比率が多いように感じます。ちなみに前のセーラー服にカーディガンの方、どちらからですか?〟
「えっ、私ですか? えーっと雲口市から来ました桜桃高校の結城まどかです!」
〝名前までありがとうございます。雲口って隣の市ですよね、桜城までわざわざ足を運んで頂いてありがとうございます〟
「い、いえ」
〝結城まどかさんにお聞きします。ズバリ、桜城市の魅力とは、なんでしょう?〟
「い、一年中咲く桜とお城が織り成す絶景だと思います」
結城まどかの言葉に頷く桜子だった。
同時刻、樫尾ぴあがアクティア桜城に入った。
もちろん今日、日頃聞いてるFM桜城局がアクティア桜城の特設ブースで開局すると聞いて放課後、見に来たのだ。
「楽しみやな」
「ほんとです~!」
「アクティア桜城で開局するのは初めては無いですか」
「ら、ラジオ、楽しみてす」
六月一日志央莉、皇瑚々愛、湊川帆乃華、比呂川まこの四人もアクティア桜城に入る。
〝一部はここで終了です。二部もありますので、それまでお待ちください〟
マイクのスイッチを切る桜子。
「ご、ごめんね、急に話しかけて」
結城まどかにそう言う。
「いえ、大丈夫です!」
まどかは桜子に笑顔を見せた。
〝第二部、もうすぐ始まります。見たい方は席にお座りください〟
アクティア桜城内にもこの声が放送で流れており、ぴあはこれを聞いて特設ブースの方へ急いでいた。
「キャー! ひったくり~!!」
との声と共に北通路側から女性の叫び声が聞こえた。
「誰か捕まえて~!!」
その方を見ると女性が床に転がっている。
「!」
男が一人、行動を起こせず固まっているぴあの方に向かってくる。
「!!!」
さすがの桜子もびっくりした様子を見せた。
「なんか聞こえた~?」
「なんか、む、向かってきてます!」
「ま、ママ~!?」
瑚々愛と帆乃華、まこの言葉より先に、志央莉の体は反応していた。
「危ない!!」
誰かの声が掛けられるが、それでもぴあは動けなかった。
足が動かないのだ。
「あんた、危ないって!!」
聞き覚えのある浪花言葉が聞こえたかと思うと、体が後ろに引き倒される。
「キャッ!」
床に尻もちをつくぴあ、次の瞬間、その場にいた全員が驚愕する。
走ってくる男の前に立ちはだかる志央莉。
男は懐から刃物を取りだし、威嚇する。
しかし、志央莉の敵ではなかった。
刃物を持っている男の右手を掴み、逆に返す。
間髪入れずに、彼の体を自分を起点に一周させると、その力のまま、背負い投げを決める。
彼の体は置かれてあったテーブルに背中から落ち、それを巻き込みながら、床に叩きつけれた。
「よっしゃ! 現行犯逮捕や!」
痛みで床にのたうち回る彼を見下ろしながら、志央莉は勝利を確信した。
「す、すごい……」
桜子は初めて見た犯人確保の瞬間に、語彙が無くなる。
瑚々愛はそれを見るのは初めてではなかったが、帆乃華、まこは初めて見た志央莉の武道の腕前に、自然に拍手をしていた。
直後、周りにいた全員が拍手を始める。
「ちゃんと動かんとあかんやん、って樫尾さんやん」
志央莉はそこで初めてぴあの方を見て言う。
「先言っとくけど、膝立てたままはアカンで」
ぴあが慌てて膝を下ろすのを一瞥する志央莉。
北通路、東通路から警察官が複数走ってくる。
男は床をのたうち回って抵抗を試みていたようだが、警察官の姿を見て、観念したようだ。
「こ、こいつや」
駆けつけた警察官に、志央莉は男を突き出す。
「逮捕!」
警察官の言葉に、男の両手に手錠が掛けられる
「ママ~、凄い~!!」
「六月一日さん、凄すぎです!」
「さすが~、お姉ちゃん~!」
まこと帆乃華、瑚々愛が志央莉に近づいてくる。
「さ、さっきは、あ、ありがとう」
ぴあも志央莉に近づいてきて、頭を下げる。
〝あなた、凄い!〟
桜子が特設ブースからマイクを通して志央莉に言う。
〝名前を教えて〟
「えっ、ウチ!? 六月一日志央莉」
〝あなたを含めて、あなた達にぴったりな歌があるの、これよ〟
♪
われら輝く 地上の戦士
たとえ とんな苦難も
乗り越えて
悪を滅ぼす礎となろう
光あれいざ進め
われら紐育華撃団
サクラ大戦Ⅴ『地上の戦士』より
〝あれ? これじゃない〟
♪
あぁ マロニエに 歌を口ずさみ
花の都に咲く勇姿
あああ 素晴らしい巴里華撃団
夢と希望と明日と正義を讃える
サクラ大戦3『御旗のもとに』より
〝違うわ〟
♪
引き裂いた 闇が吠え 震える帝都に
愛の歌 高らかに 躍り出る戦士たち
心まで 鋼鉄に 武装する乙女
悪を蹴散らして 正義をしめすのだ
走れ 光速の 帝国華撃団
唸れ 衝撃の 帝国華撃団
サクラ大戦『ゲキテイ(檄!帝国華撃団)』
より
〝これよこれ、なんか、六月一日さんを中心に、皆さんが正義の味方に見えたのです〟
その時偶然にも桜子の位置から向かって左側から順に、帆乃華、瑚々愛、志央莉、まこ、ぴあと並んでいた。
桜子にはそれが正義の味方に見え、桜の中で戦う(実際にはアクティア桜城の中だが)のは『サクラ大戦』と古い記憶を引っ張り出したが、やっぱりどの歌もサビが分かりやすいと、そしてあえて紐育、巴里、帝都と行くことで『サクラ大戦』の代表曲、檄!帝国華撃団を強調したのだ。
「ママ、まこ、この歌知ってるよ」
「な、なんで知ってんや!? ウチ初めて聞くのに」
「聞くの~、初めて~」
「私も初めてです」
まこが知ってる事に驚いた、志央莉、瑚々愛、帆乃華の三人。
「……私も知ってます」
ぴあの言葉に三人は開いた口が塞がらない。
「……ピアノの課題曲だったりします」
「な、なんやそれ」
「それなら納得~」
「そういうことだったんですね」
〝桜子の午後のティータイム、第二部を始めていきます!〟
アクティア桜城に桜子の声が響き渡る。
続く
久しぶりに『サクラ大戦』出しました。
歌詞も久しぶりに書きましたが、かっこいいですね!
桜城の構想も『サクラ大戦』の舞台となる桜が咲き乱れる帝都のイメージだったのです。
今回『創彩少女庭園』の結城まどか、ガッツリ登場しましたw
そしてその部分の撮影もまだなのにw
(どう撮影しよ? えっ? そこから?)
また撮影したら、記事に載せますw
ここまでご覧いただき、ありがとうございました!
↓↓↓コラボして頂いた方々です!↓↓↓
まあ!様
比呂川 まこ
こぱんだちゃん様
樫尾 ぴあ
さくら様
涼風 桜子
架空都市『桜城市』へ来てみませんか?
コラボ作品、沢山ありますよー
FM桜城局、開局~
