【さよならニーチェ】0話 プロローグ
【あらすじ】
学生時代から付き合う恋人・直哉とは、遠距離になった今も交際を続けていた。結婚も考えている。
優奈は直哉が大好きだった。
それなのに、どうしても彼を信じきれない。
愛されていると分かっているのに不安になる。小さな違和感を見過ごせず、考え始めると止まらない。
そんな優奈の前に現れたのは、掴みどころのない先輩・黒瀬だった。
価値観は正反対なのに、なぜか一緒にいると息がしやすい。
直哉への不安と黒瀬との出会いによって、優奈の日常は少しずつ揺らぎ始める。
これは二人の男性の間で揺れる恋の物語ではない。
信じたいのに信じられない。
その苦しさの正体を探し続ける優奈。
不安の正体に辿り着いたとき、優奈の心に最後まで残っていたものは何だったのか。
【プロローグ】
私は今、幸せな生活を送っている。
結婚をして、
子どもにも恵まれて、
周りからは羨ましがられる。
いわゆる、理想の人生だと思う。
でも。
この幸せは、
ある裏切りの上に成り立っている。
そのことを、誰にも話したことがない。
死ぬまで、話すつもりもない。
まさか、
自分がこんな選択をすることになるなんて、
思いもしなかった。
彼と一緒にいるための裏切り。
なんて、皮肉なんだろうと思った。
