見出し画像

【第3部】本当に怖いのは、『悪意』だけではないのかもしれません。

みなさんこんにちは!
行動心理士の僕です。

【第1部】では、

  • same jail?

  • ギグル(クスクスと笑う)

  • mugshotトーク

  • 楽しそうな空気

などから、「事件の重大性」より、「二人の所属感」の方が強く見えているような、かなり異様な構造について整理しました。

そして【第2部】では、「二人だけの世界」が形成され始めることで、「現実」より、「関係性」の方が優先されているように見える、という話をしました。

ここまで見てきて、僕が今回一番重要だと思ったのは、「感情がない」ことではありません。

むしろ、「所属感」が、「現実感」そのものを上書きし始めているように見えることです。

つまり今回見えてくるのは、「危険だと分かっていない」というより、「二人の世界」の方が、現実より強くなっている可能性があります。

ここがかなり重要です。

今回は最後に、

  • なぜ人は「現実感」を失っていくのか

  • なぜ未成年の脳は閉鎖空間に飲み込まれやすいのか

  • なぜ「悪魔化」だけでは、この事件を理解できないのか

ここを、行動心理学・発達心理学・脳科学の視点から、僕なりに整理していきます。


⚠️注意⚠️

ここで紹介する分析は、「人格診断」ではありません。

単一の表情や言葉だけで、人格や精神状態を断定することはできません。

重要なのは、

  • 流れ

  • 感情の向き先

  • 現実とのズレ

を見ることです。

心理学では、所属欲求や集団同調、思春期特有の認知発達が、判断や感情処理に影響を与えることが知られています。

そして目的は、相手を理解することです。

真心が大事であることを忘れないでください。

1. 「same jail?」の本当の意味

【第1部】で、かなり印象的だったのが、

「Same jail?」

という言葉でした。

普通、重大事件で逮捕された直後であれば、

これからどうなるの?
人生が終わったかもしれない

という方向に意識が向きやすいです。

しかし今回まず出てきたのは、「一緒にいられる?」でした。

つまり今回、心理的に最優先されていたのは、「事件」ではなく、「関係性維持」だった可能性があります。

ここで重要になるのが、belongingness(所属欲求)です。

心理学者 Abraham Maslow は、人間には、「どこかに属したい」という欲求があると説明しました。

そして特に思春期では、「誰と繋がっているか」が、自己認識そのものに強く影響することがあります。

つまり今回、「危険」より、「一緒にいる安心感」の方が、脳内で優先されているように見える。

ここが、【第1部】最大の繋がりでした。

2. なぜ未成年の脳は『所属』を優先するのか

ここから、かなり重要な話になります。

【第2部】では、「二人だけの世界」が形成されている可能性について整理しました。

ではなぜ、未成年では、こうした閉鎖空間に飲み込まれやすいのでしょうか?

ここで重要になるのが、「脳の発達バランス」です。

脳科学では、思春期の脳は、報酬系(reward system)が非常に活性化しやすい一方、前頭前野(Prefrontal Cortex)はまだ発達途中であることが知られています。

前頭前野は、

  • 衝動制御

  • 長期結果予測

  • リスク評価

  • 現実検証

などに関わります。

一方、報酬系は、

  • 刺激

  • 仲間

  • 特別感

に強く反応します。

つまり思春期では、「危険だから止める」より、「仲間と共有できる」の方が、脳内報酬として強く働くことがあります。

特に今回のように、「二人だけの世界」が形成されると、「現実の危険」

より、「関係性維持」の方が優先され始めることがあります。

つまり、「これは危ない」という外部現実より、「私たちは繋がっている」という内部現実の方が強くなっていることがかなり重要です。

3. 『現実感』はどうやって壊れていくのか

今回、多くの方が感じたのは、「なんか現実感がない」という違和感だったと思います。

例えば、

  • mugshot

  • jail

  • 警察車両

といった、本来なら非常に重いものが、「共有イベント」のように扱われている空気がありました。

人間の脳は、実は、「客観現実」だけで動いていません。

むしろ、「所属集団の現実」に強く影響されます。

つまり今回、「これは重大事件」という社会的現実より、「二人で共有している空気」の方が、脳内で強く処理されている可能性があります。

ここが、「現実感の断裂」の本質です。

また、心理学では、echo chamber(反響空間)や、group polarization(集団極性化)という概念があります。

閉鎖空間では、

  • 同じ感覚

  • 同じ価値観

  • 同じノリ

だけが増幅されていきます。

すると、「普通それ危ないよ」という外部フィードバックが弱くなります。

その結果、「現実感」そのものが、少しずつ変質していくことがあります。

4. affect mismatch(感情不一致)の正体

【第1部】から繰り返し出てきた、affect mismatch(感情不一致)とも繋がります。

つまり今回、「話している内容」と、「感情トーン」が一致していない。

だから多くの方は、「なんか気味が悪い」と感じるのだと思います。

ただ、今回重要なのは、「感情がない」と単純化しないことです。

むしろ今回見えてくるのは、「感情の向き先」です。

つまり、「被害者」ではなく、「二人の所属感」に、感情が集中している可能性があります。

だから、「殺害計画」という現実より、「青春会話」のような空気が優先されているように見えるのだと思います。

ここが、あの違和感の正体なのかもしれません。

5. なぜ「悪魔化」だけでは浅いのか

こういう事件を見ると、人はつい、

  • 悪魔

  • 異常

  • サイコパス

で終わらせたくなります。

もちろん、行為自体は非常に危険です。

ただ、もしそこで思考を止めてしまうと、「なぜ普通の脳が、ここまで現実感を失う可能性があるのか」が見えなくなってしまう。

今回本当に怖いのは、「特殊な悪」だけではありません。

むしろ、

  • 所属

  • 孤独

  • 閉鎖空間

  • 特別感

これらが組み合わさることで、「現実感そのもの」が変質していく可能性です。

ここが、今回かなり重要なポイントだったように感じます。

6. まとめ

ここまでを整理します。

【第1部】

なぜ笑っていたのか?

⇨というのは「所属感」が優先されていた可能性があります。

なぜ「same jail?」だったのか?

⇨というのは「事件」より、「一緒にいられるか」が重要だった可能性があります。

なぜ「楽しそう」に見えたのか?

⇨というのは「二人だけの空気」が形成されていた可能性があります。

【第2部】

なぜ現実感が薄いのか?

⇨というのが「現実」より、「関係性」が優先されている可能性があります。

なぜ危険が「共有コンテンツ」化するのか?

⇨というのが閉鎖空間で価値観が増幅している可能性があります。


【第3部】

つまり今回見えてくるのは、「感情がない」ではありません。

むしろ、「所属感が現実フィードバックを上書きしている状態」なのかもしれません。

ここが、今回最大の繋がりになります。

7. 最終結論

ここまで3部にわたって、

  • 所属感

  • 二人だけの世界

  • 現実感の断裂

を見てきました。

そして僕が今回、一番重要だと思ったのは、「人間は客観現実だけで生きているわけではない」ということです。

人は時に、「どこに属しているか」によって、「何が現実に感じるか」そのものが変わっていくことがあります。

特に思春期では、

  • 所属

  • 刺激

  • 特別感

が、判断や感情処理に強く影響することがあります。

だからこそ今回、「事件」より、「二人だけの世界」の方が、強くなっていたように見える。

ここに、あの違和感の正体があるのかもしれません。

つまり今回のテーマは、「危険な未成年」だけではありません。

むしろ、「人はどうやって“現実感”そのものを書き換えてしまうのか」という、かなり深いテーマだったように感じます。

出典

  • Paul Ekman「Emotions Revealed」

  • Abraham Maslow「A Theory of Human Motivation」

  • John Bowlby「Attachment and Loss」

  • Albert Bandura「Social Learning Theory」

  • Daniel Kahneman「Thinking, Fast and Slow」

  • Joseph LeDoux「The Emotional Brain」

  • Laurence Steinberg「Age of Opportunity」

最後に

ここまで読んでくださりありがとうございます!
皆さまの「スキ」やフォローが大きな励みになっています。
もし少しでも「役に立った」「面白かった」と思っていただけたら、ぜひ「スキ」やフォローをお願いします🙇‍♂️

メール相談もぜひご検討ください

もし

  • 行動心理

  • 仕草の読み取り

  • 対人関係

  • コミュニケーション

などについて

「少し聞いてみたいことがある」

という方がいらっしゃいましたら、メールでのご相談もぜひご検討ください。

できる範囲にはなりますが、丁寧に対応させていただきます。

マガジン

参加させていただきましたマガジンがこちらです!
本当にありがたいですし、このご縁を今後とも!🙇

あと、こちらの記事を取り上げいただきましたので是非読んで見てください🙇








他にもこちら!

”I remember…”のやつは5部作となっているのでよければ最初から読んでいただければわかりやすいと思います。

こちらもおすすめです!

こちらも是非!

さらに詳しく、仕草の読み取りを深め、図解やケース別対応を学びたい方は有料記事をご覧ください👇

※仕草を正しく理解し、誤解を減らしながら“おもてなし”と“真心”を活かした対話をしたい方におすすめです。
また、みなさん、健康とお身体にはお気をつけてください。
それでは、またね!!!

いいなと思ったら応援しよう!

行動心理士の僕【基本フォロバ】  読んでくださりありがとうございます😊 役に立った!また読みたい!と思っていただけたら、ぜひチップで応援していただけると嬉しいです🙇